Monologue14 (2000.2.23〜2000.3.2)

「2000.3.2(木)」・逆転サヨナラ!

    今日はいいもの見ましたゾ。
 NBAのトロント・ラプターズVSボストン・セルティックスの試合。
 試合は終始均衡した展開で、ついに第4クオーター終了間際。
 残り3.2秒で、94対93でボストンの1点リード。
 そして攻撃はラプターズ。タイムアウトの後、試合再開で、最後のショットを決めるべく、ボールは2年目のエース、ヴィンス・カーターに渡りました。
 カーターは執拗なディフェンスプレッシャーを受けながらも、終了直前なんと3ポイントラインからショットを放ちました。放ったと同時に、時計は0秒を指します。そしてボールはゆるやかな弧を描いて、スポっとリングへ・・・。
 94対96でラプターズサヨナラ勝ち!。ボストンのホームコートなので、歓声とブーイングの中、チームメートにもみくちゃにされるカーター・・・。
 NBAで時間終了のブザーと同時に入るショットを俗に「ブザービーター」と呼んでいるのですが、カーターのショットは、まさに逆転サヨナラブザービーター!

 ちなみに今年のヴィンスカーターは、オールスターダンクコンテストで優勝、つい先日51得点の活躍でチームを勝利に導き、今日は逆転サヨナラブザービーター。大学の先輩にマイケルジョーダン。着実にポストジョーダンの道を歩んでいる選手であります。
 逆転サヨナラブザービーターなんて、そんなにお目にかかれないので、興奮しました。今日はラッキーであります。

 そういえば、話は全然変わりますが、フジテレビの「笑っていいとも」のオープニングでタモリ氏が、歌を歌うの昨日からやめちゃったようですが、こんなところにも合理化の波が?

「2000.2.29(火)」・CDレヴュー「ショパン 4つのバラード・前奏曲第25番・幻想曲作品49(マウリツィオ・ポリーニ)」

   私のショパンへの思いはとても複雑なのであります。
  私のクラシック史においてショパンはモーツァルトやベートーヴェンなどと並んで最も早い時期から知り合った作曲家なのであります。
  そんな竹馬の友ともいえる間柄なのに、大好きか?と問われると、これが面と向かって好きというのが、なんとなく照れくさい。
 レコード店などで、ショパン欄の前にずっと立っているのはちょっと恥ずかしい。誰かが来ると、ついそそくさとバロック音楽の欄などに移動したりしてしまう。

  でも私はショパンを好きなことには何ら変わりないのであります。
練習曲の作品10の7番や11番なんて、今でもほんとにせつなくて、私のとても大好きな曲なのであります。
幻想即興曲や有名なノクターンの作品9-2番や別れの曲、ワルツ、舟歌等、かつては本当にのめり込んで繰り返し聞いたものでした。

それだけお世話になっていながら、じゃあ一番好きな作曲家なのか?と問われると、返答に窮してしまう。

  これはちょっと推測するに(私は経験が無いから実際のところよくわかりませんが)、妾を囲っている旦那の妾さん・2号さんに対する気持ち、と似ていなくもないのでは無かろうかと。

 さんざん世話になっておきながら、いざという時は正妻ほどの扱いをさせてもらえない。
 そのくせ、いないと寂しく、つい人目を忍んでこっそりと会ってしまう・・・。

  先日久々にショパンのCDを購入いたしました。
マウリツィオポリーニの4つのバラード集であります。発売は昨年(1999年)、結構評判良いようなので、ちょっと興味がありました。
ショパンのバラードは、昔お金も無くレコードもろくに買えなかった時代に、FMでエアチェック(懐かしい単語?)したカセットテープのみを持っていただけでありました。それ程評判の良い録音なら、この際どうせならCDで持ってみるか、という気になり思い切って購入いたしました。
  閉店間際のあまり人のいない時間に、それこそ人目を忍ぶように、こっそりと、洋楽のCDなどと一緒にさりげなく購入いたしました。

  家ではそれこそ二人燃えるようにお互いを確かめ合います。
終わった後は、お互い何も無かったように別れていく、次の約束も無いまま・・・

・・・あれ?何の話でしたっけ?
そうそうショパンでしたね。ショパンのバラードでした。

もともと曲もいいわけだし、ポリーニも満を持して出したようだし、完成された響き、悪いわけはなかったです。
 

「2000.2.28(月)」・判官贔屓

  「判官贔屓」という言葉があります。
 今はどうか知りませんが、「判官贔屓」は日本人の特性だと言われていた記憶があります。
「判官贔屓」とは、広辞苑に「源義経を薄命な英雄として愛惜し同情すること。転じて、弱者に対する第三者の同情や贔屓ひいき。」とあります。
 私はこの「日本人の特性」、というのが嫌で「ワシゃあ絶対判官贔屓などならん!」と若い頃は思っておりました。

 そして現在。
 この自分のHPを見回して見ると、いわく「隠れた名曲云々・・・」など、至る所に出てくる「隠れた・・・」という言葉・・・
 この言葉が多用されているということは、まさしくこれこそ「判官贔屓」に他ならぬのでは無かろうか・・・。あれ程忌み嫌っていた「一般的日本人の特性」である「判官贔屓」。
 何のことはない、私は図らずも無意識のうちにいつの間にか「判官贔屓」の人、「一般的日本人」になってしまっていたのでありました。

 そしてその傾向を助長してしまうような、最近の世間の動向でありますが、現在はマグロの乱獲を規制する傾向に世界はなってきておるようです。
 私の郷里は、かつてこのマグロの水揚げ高で日本有数の量を誇っていた港町なのであります。
 マグロが獲れなくなってきているということは、すなわち我が郷里の衰退を意味するのであります。

 こんなことを聞くにつれ、益々郷里に対する郷愁がつのってくるのであります。
 まさに郷里を薄命な英雄として愛惜し同情すること・・・「判官贔屓」。
 
 このHPを作り上げている、大きな原動力、それが実は「判官贔屓」だったのでは無かろうか?そんな気がしてきている今日此の頃であります。

「2000.2.23(水)」・CDレヴュー「フィル・コディ」

 府中駅にある、新星堂でブラブラとレコードを見ていると、フィル・コディという人の、その名も「フィル・コディ」というCDが目に飛び込んできて、早速購入いたしました。
 なぜこの名前にピンときたかと申しますと、このフィル・コディは、私が好きなニール・セダカとのコンビで、ニールの1970年代サウンドを支えた人物。
 このCDは、ワーナーの「名盤探検隊シリーズ」という企画によって出されたものらしく、世界初CD化で、昨年11月にリリースされたとのこと。オリジナルは1976年の発表。

 こんなめずらしい人のアルバムが日本で入手できるなんて、大変貴重だし、私も先日、このHPにニール・セダカのコンサートの記事を載せたところだし、ちょうど渡りに船じゃ、ということで、迷わず入手いたしました。

 初めて聞いた感想ですが、全体的には、シンプルなアコースティック楽器、特にピアノをベースにしたアレンジが、典型的1970年代サウンドという感じ。ヴォーカルは渋く、ニールのようなノビのある声ではないので、確かに、ちょっと地味マイナー路線という感は受けます。

 しかし楽曲はさすがにどれも暖かみのある魅力的な作品が多く、なかでも私にとってうれしかったのは、ニールセダカとの作品を、自らとりあげていること。
以下の 曲です。
・Trying To Say Good-bye
・New York City Blues
・The Adventures Of A Boy-child Wonder
・Your Favorite Entertainer

 私には、更に嬉しかったのが、このCDには歌詞カードがついていること!
 ニール版でも大好きな「Your Favorite Entertainer」が、ニール版の方は歌詞カードがついていないので、今まではっきり分からなかったのでありますが、歌詞の全貌が、ようやく判明!

 その「Your Favorite Entertainer」ですが、ニール版・フィル版、私がどちらかをとらなければいけないと言われたら、全体的に完成された印象を受けるニール版をとるかもしれませんが、このフィル・コディ版も捨て難い。甲乙つけ難い。手元に詳しい資料が無いので、どちらが、どうこの楽曲作成に関わったかはわかりませんが、どちらにしても、やはり楽曲自体が良いから、きっと、どう料理しても良く聞こえるのかもしれません。
 ニール版ではバックのコーラスや、ストリングスなどとのアンサンブルが見事だったのですが、フィル版は、ピアノをバックにスローテンポで切々と歌う、ニールに比べたらちょっと静かで地味に聞こえるかも。ニールの方が随分派手に思えてしまいます。
 でも歌いかたもワンフレーズごと、思いを込めるように歌っていてそれが良い味を出しています。途中から入ってくるサックスソロも哀愁を帯びていて良い。これはかなりの名曲ですな・・・。

 このアルバムは1970年代サウンドをどっぷり聞いてきた方にとっては、サウンド的に、特に目新しい革新的発見などは無いかもしれないけれども、「Your Favorite Entertainer」や「New York City Blues」を聞くだけでも一聴の価値有りかもしれません。
 まだ「Your Favorite Entertainer」を聞いてない人は、ニールセダカの「The Hungry Years」も入手し、聞き比べてみるのも楽しいでしょう。

 きっと隠れた名盤・名曲なんて、まだまだいっぱいあるんでしょうな・・・
ああ、もっとお金欲しいなあ・・

当HP関連ページです。
●1970年代ニール・セダカのアルバムより
●ニールセダカ来日コンサートレポートはこちら!

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