丸帆亭 萬釣報 #43 2000.5/9 更新                    
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レッドリスト”エドハゼ”詳細情報
 

東大のハゼの分類学の博士、向井貴彦先生が、当サイトの為に解説を書いてくれました。
そのまま掲載をさせていただきます。御協力に、心より感謝いたします。感激です!。
もし、十六万坪で、このエドハゼの生息が確認されれば、大きな支援素材となります。
トキの再生など、無意味な事に思えます。今守るべき種は、足元にいるのです!。

エドハゼについて  
ー 向井 貴彦 ー

 エドハゼとは、日本の太平洋岸から瀬戸内海の干潟に生息するウキゴリ属の一種で、環境庁のレッドリストに絶滅危惧IB類として挙げられています。環境庁のレッドリストでは新カテゴリーとして絶滅のおそれのある種をIA、IB、IIに区分していますが、そのうちIAがごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種、IBはIAほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種、IIは絶滅の危険が増大している種と定義されています。

 したがって、昨年メダカが絶滅危惧種になったとしてマスコミを賑わしましたが、メダカは絶滅危惧II類であり、エドハゼはそれよりも絶滅の危険性が高いと認識されていることになります。ちなみに、絶滅危惧IB類には他にイトウや天然記念物のネコギギなどが含まれています。また、エドハゼと近縁なキセルハゼは絶滅危惧IA類、同じく近縁な種であるクボハゼとチクゼンハゼは絶滅危惧IB類です。これらのウキゴリ属魚類はすべて河川の河口域に広がる干潟に生息しており、絶滅危惧種としてリストアップされた原因は埋め立てなどによる干潟の消失にあります。

 ところで、東京湾にこのような絶滅危惧種がいるという事実は意外に知られていないようです。おそらく多くの人は東京湾に貴重な生物など残っていないと思っているのでしょう。しかし、少なくとも絶滅危惧IB類のエドハゼとチクゼンハゼは東京湾の干潟に生息しています。どちらも小型のハゼであり、誰も気にとめないような地味な魚ですから気づかれないのもしかたないですが、このことは良好な干潟が多少なりとも東京湾に残っている貴重な証拠でもあるのです。

 ちなみに、エドハゼ、チクゼンハゼとも、成魚は干潟に棲むニホンスナモグリやアナジャコの巣穴に生息しており、チクゼンハゼは砂泥底に、エドハゼは泥底にいる傾向にあります。しかし、仔稚魚がどこでどのように生活しているかは定かではありません。
 
 

エドハゼの生息場所
エドハゼと共生するアナジャコ
(シャコではありません)


 

 さて、それではエドハゼとはどんな姿のハゼなのでしょうか?
 以下に特徴を列挙してみます。
 
 

  • 全長は5cm以下(=メダカなみ)
  • 非常に細長い体型
  • 口は大きく、目よりも後ろまで裂けている
  • 体色は白っぽく、体側には細い黒帯が並ぶ
  • 下顎下面にひげがない

 外見でわかる特徴はこのくらいでしょうか? しかし、東京湾だけでハゼは何十種もいるので、その中からエドハゼを見分けるのは、素人にはかなり困難だと思います。したがって、もしそれらしい魚を見つけたら、まずは専門家に見てもらった方がよいでしょう。

 ただし、ハゼを同定するのは研究者でも難しく、大学・博物館・試験研究機関の標本にも誤同定されたものが掃いて捨てるほどあります。日本で信頼に足る研究者は数えるほどしかいませんので、適切な人に頼む、もしくは適切な人に依頼してくれる人に頼むようにする必要があります。
向井先生のHP"ハゼ図鑑”はコチラです。⇒   


”江戸前の海十六万坪を守る会”活動報告
・運輸省の免許許可、通常の受理2ケ月後である、今月中旬にはおりない模様、運動による対応
 と思われます。
・5/10には、港湾局に水中映像と共に、公開質問状を突きつける予定です。
・賛同署名、外国ジャーナリスト招待のハゼ探魚会、ハゼサミット、企画準備とも順調に進行中です。

2000.5/9 校了
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