「切ったらどーですか、この髪」 放課後の図書室
生徒達がそれぞれの寮に戻り、しんと静まりかえった中、
ロックハートとスネイプは一緒の席に座っている スネイプはロックハートの色の抜けた茶色の長い髪をぎゅっと握り締めながらぼそりと呟いた
ロックハートの長い薄茶の髪はサラサラしていて男性のスネイプでさえ憧れてしまう
自分の髪とは大違いだ
「んー・・・・。めんどくさいから切りたくないですしねえ・・・」
読んでいた書物をパタンと閉じながら、ロックハートは言った
「めんどくさいって・・・何ですか」
「めんどくさいはめんどくさいですよ」
ロックハートはまるでスネイプの質問などどうでもいいという口調で言う
「切ってやりますよ。目障りですから」
スネイプはぎろりとロックハートを睨みつける
「んー・・・。じゃあ切ってくれる前にちょっとお願い聞いてくれます?」
ロックハートはにこり微笑みながらスネイプのほうを向き直す
「何ですか」
スネイプはぶっきらぼに質問に答える
「私のこと後ろからぎゅっと抱きしめてくれません?」
ロックハートはにっこりと微笑む
スネイプの動きがピタリと止まる
とたんに顔が林檎のように真っ赤になっていく
「じょじょじょじょ冗談じゃありませんよ!な、な、何でそんなこと!?」
「べつにキスして下さいなんて言ってないんだからいーじゃないですか」
「そーゆー問題じゃありません!」
スネイプはロックハートに怒鳴りつける
しかし、スネイプの顔は未だに真っ赤だ
ロックハートは真っ赤になったスネイプをクスリと笑う
「まあまあいいじゃないですか。ね?」
スネイプは溜息を小さく漏らすとつかつかとロックハートに近寄る
そっとロックハートの後ろにまわるとぎゅっと後ろから抱きしめる
「あ・・・・」
スネイプは思わず声をあげる
ふわりとロックハートの髪の匂いが香った
甘くて心地のいい匂いだ
スネイプは目を閉じてロックハートの髪の匂いを感じる
「・・・・・スネイプ先生?」
ロックハートはいつまでも離れないスネイプを呼んだ
「もーちょっと・・・・」
「え?」
「もーちょっとこのままで・・・・」
それから15分間スネイプはロックハートに抱きついていた
終り |