キスで起こして++ 「失礼します・・・」
生徒達が全員それぞれの寮に戻っていってしまった夕方
ロックハートは次の授業で必要な資料を探しに図書室にやってきた
時計はもう6時を過ぎていた
この時間帯になれば教師もあまり図書室にはやって来ない
ロックハートは資料の陳列している本棚へと向かう
その途中ロックハートはある光景を目にする
「おや・・・?」
ロックハートの目の先にあるもの
それは同僚のセブルス・スネイプだった
しかも寝ている
机の上には本が山積みになっている
スースーと小さな寝息をたててぐっすり眠っている
ロックハートは音を立てぬようゆっくりスネイプに近づく
そしてスネイプの座っている椅子のすぐそばに立った
そーっとスネイプの寝顔を見てみる
長い睫毛
白い肌
薄い唇
ロックハートはじっとスネイプの顔を見つづけている
「んっ・・・」
スネイプは小さく声をたてた
しかしロックハートはひるまなかった
当たり前のようにスネイプのそばに立っている
そして小さく溜息をつくとスネイプの唇に自分の唇を近づけていった
ちゅっ
スネイプの唇に軽くキスをした
すると
ぱちっ
スネイプが目を開けた
スネイプは目の前にいるロックハートをただじっと見ていた
ロックハートは突然のことにどうしたらいいのかと冷や汗を流す
「ロックハー・・・・ト先生・・・?」
スネイプは目を擦りながらゆっくりと上半身を起こした
「ど、どうも・・・。スネイプ先生・・・」
ロックハートはスネイプから目線を外しとりあえず挨拶をする
「・・・・・・ロックハート先生」
スネイプはぼそりとロックハートの名を呼ぶ
「・・・今、何時ですか?」
突然の質問のにロックハートは一瞬スネイプが何を言ってるのかわからなかった
「え?じ、時間ですか?えーっと・・・・・・6時15分・・・です」
しどろもどろとスネイプの質問に答えるロックハート
「そう・・・ですか・・・」
そう言うとスネイプはガタッと席を立った
そしてそのまま机に積み上げていた本の中から数冊引き抜くと右脇に
抱え、図書室の入り口のほうへと向かう
ロックハートはまた小さく溜息をつくと資料の陳列している本棚に向かう
そしてその目当ての本棚を見つけ、資料を引き抜こうとした
まさにその時
「ロックハート先生」
スイネイプは図書室のドアのノブに手にかけながら名を呼ぶ
ロックハートは一瞬何が起こったかわからずその場に硬直した
「起こしてくれてありがとうございました」
それだけ言い残すとスネイプはそのまま図書室をあとにした
スネイプはそのままその場に立ち尽くした
「え・・・・?」
ロックハートはその言葉しか言えなかった
その時
図書室のドアの前でスネイプは顔を真っ赤にしていた
薄く色づいた唇を押さえながら――――――――――。
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