レック場所では、オスたちは窪地の優劣を競い合います。異論はあるでしょうが、 次に起こることが、鳥の世界で行われる、音によるディスプレーのうちで、最も奇 怪で驚くべきことの1つです。窪地の中あるいは近くに陣取りながら、雄カカポた ちは、『ブーミング(booming)』を始めます。それは、あたかも雷の遠鳴りか心 臓の鼓動の反響のように聞こえます。その太くて低い音を出すために、雄カカポは 胸部と腹部にある気嚢を膨らませます。このブーミングの呼び声は、穏やかに始ま り、だんだんと大きくなり、やがてゆっくりと消え失せていきます。この呼び声は、 風の方向にもよりますが、1ないし5キロメートル先でも聞こえます。オスたちは 1時間に平均1000回もブーブーという音を鳴らし、一晩に6・7時間も繰り返 すんです! メスを惹きつけようと、3・4ヶ月間、毎夜、このブーミングを行い ます。メスが窪地にやってくると、オスは1種のダンスのディスプレーを行い、す べてがうまく行くと、後尾が始まります。
カカポは、3・4年に1度後尾を行うだけです。雛に多量の食料を与えられるほ ど食料の豊富なときでも、数年に一度繁殖するだけです。土手や朽木の穴の中に、 通常は薮の茂みに隠れたところに、地面に直接2・3個の卵を産みます。 |
![]() 樹木の空洞の底の卵 |
生息数
世界中で残っているのは、現在54羽ほどです。