明治神宮探鳥会レポート 〜2003年6月


6月定例探鳥会:2003年6月15日(日)8:30〜12:00
天候:曇 風:弱 気温:24℃(11時) 湧水温:
参加者28名(うち18歳未満2名)+担当4名


 雨の予報が出ていた日曜日。でも,結局,天気は持ちました。陽射しがなく,この時期としては快適な気温でしたが,湿度は高かった……。

 さて,6月に限り,菖蒲田の混雑を避けて,コース変更をします。いつもと見られるものが違うかもしれないから,と言う期待も少々。
 北参道を避け,斜めに本殿のほうへ向かうルートを使い,東池をちょっと覗いて,本殿→西参道→北池と回りました。本殿へ向かう裏道は車道も兼ねていますが,すっかり舗装工事が出来上がり,道端の生き物は激減。一応,透水舗装ですが,舗装前よりも,環境が少し分断されたようです。例年,このルートで今年生まれのアズマヒキガエルをたくさん見かけるのですが,今日はほとんど見つかりません。道沿いの森からは,シジュウカラ,ヤマガラ,メジロなどの幼鳥の声が聞こえます。今年も繁殖に成功したようです。全身ほとんどグレーのヤマガラの幼鳥を見つけました。親に餌をねだりながら,親鳥の後を追いかけています。ハシブトガラスの幼鳥の「おねだり」も何ヶ所かで見かけました。
 道沿いにはサカキの花が香っていました。

 東池と本殿の間で休憩。道端にオオミスジコウガイビルがいました。かれらは夜行性ですが,湿度の高い,暗い日には,ときどき昼間も見かけます。ちょっと小さめの個体でした。

 芝生広場は草刈りが入っていて,ちょっと寂しくなっています。それでも,初夏の花がいろいろ。ホタルブクロが確認できたのは久し振りかも知れません。

 水辺にはトンボがちらほら。ウスバキトンボ,コシアキトンボは今年初登場。
コシアキトンボは腹部の斑点が黄色い,未成熟個体。来月には成熟し,黄斑も白っぽくなり,水面でなわばり争いをしていることでしょう。

 花の終わったエゴノキには,オトシブミのゆりかごやら,アブラムシの虫こぶやら,いろいろと賑やか。エゴノキに注目して観察するだけで,1本の木をめぐり,木と虫の関係,木に来る虫同士の関係が見えたり,さらに,そこに鳥が関係してきたりして,いろいろな生き物の関係が見えてきて,ちょっと面白そう。来年は1年間,エゴノキを注目する時間を作って,その季節変化を追ってみるのも,面白そうな企画ですね。……どなたか,やってみます?


今月の1枚

オサムシタケ。インパクトあります。


【観察した野鳥】
キジバト2,カワセミ1,コゲラ30,ツバメ5,ハクセキレイ1,ヒヨドリ10,キビタキ2,ヤマガラ30,シジュウカラ20,メジロ30,カアラヒワ1,スズメ40,ハシブトガラス30
(以上13種)


【観察した植物】
野草の花……ハルジオン,ヒメジョオン,セイヨウタンポポ,ノゲシ,オニタビラコ,ヤブタビラコ,ニガナ,キランソウ,トウバナ,トキワハゼ,オオイヌノフグリ,ヘラオオバコ,オオバコ,シロツメクサ,ホタルブクロ,ツユクサ,ニワゼキショウ,ネジバナ,チドメグサ,ドクダミ,カタバミ,コモチマンネングサ,ハエドクソウ

木の花……ネズミモチ,サカキ,マテバシイ
キノコ……カワラタケ,ウチワタケ,シュタケ,スエヒロタケ,ハリガネオチバタケ,ビョウタケ,シロハツモドキ,オサムシタケ,ヒメホコリタケ

【観察した昆虫】
チョウ……モンシロチョウ,モンキチョウ,クロアゲハ,ナミアゲハ,キマダラヒカゲ,ヤマトシジミ,ルリシジミ
甲虫……オオヒラタシデムシ,アオオサムシ,ナミテントウ,ナナホシテントウ,エゴツルクビオトシブミ
トンボ……ウスバキトンボ,コシアキトンボ,シオカラトンボ
その他……マダラスズ,セアカツノカメムシ,アオバハゴロモ(幼虫),エゴノネコアシアブラムシ

【その他観察したもの】
アオダイショウ,オオミスジコウガイビル,アズマヒキガエル,ザトウムシ


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