明治神宮探鳥会レポート 〜2002年11月


11月定例探鳥会:2002年11月17日(日)8:30〜11:45
天候:曇 気温:9℃(11時) 湧水温:16.5℃
参加者36名(うち18歳未満4名)+担当8名

 暗い曇り空の寒い朝。案の定,出足の鈍いこと。でも,こう言う参加人数の少ないときに限って,良いことがあるのが明治神宮探鳥会。寒さに負けずに,面白い物を探しに出発です。

 メインストリートの参道は,常緑樹主体であまり季節変化が大きくありませんが,メインストリーを離れると,紅葉がちょうど良い時期になっています。おなじみのカエデやイチョウはもちろん,葉っぱは赤茶色になるクヌギ,コナラ,ケヤキも渋くて良いですね。ひときわ赤さが目立つのは,ハゼノキ。ウルシ科植物の紅葉って,どうしてこんなに色鮮やかなんだろう…。
 北池のオシドリは,もう少し増えそうな気がします。まだコイが泳いでいるけど,カメは見かけなくなりましたから,冬眠に入ったのでしょう。

 まだドングリが結構残っています。拾ってニッパで割ってみると,虫食いの実がやたらと多い。シギゾウムシの幼虫がどんどん見つかります。ちゃんと実の入っていたドングリは,もう,かなり消費されてしまったのでしょうか。無事に生き延びたコナラのドングリは,地面に落ちると,すぐ芽を出しています。
 エゴノキの種子からも,けっこうゾウムシの幼虫が見つかります。

 木の実もいろいろ。赤い実は鳥が食べて種子を運ぶ可能性の高いデザイン。でも,イイギリぐらいの大きさになると,小鳥の口には入りにくく,中型のヒヨドリ級の大きさの鳥が食べるようなデザインです。
 シロダモは赤い実と黄色い花が同時に見られました。この時期,どんな生き物が受粉作業をしているのかな,と思って見ていたら,ハエがとまっていました。

 今日はとにかく鳥が多い。種類数も個体数も。
 明治神宮ではちょっと珍しかったのは,アトリの群れ。カワラヒワの大群に混じって行動していました。冬鳥もいろいろ見られましたが,ツグミが上空を大量に通過。こう言う,たくさんの数が見られた鳥は,まだ移動中で,越冬地が確定した頃には,もう少し個体数が少なくなっていると思います。ヒヨドリやカワラヒワの数も多かったのですが,彼らも結構,集団移動をするようです。

 レギュラーの鳥たちの中では,メジロの群れが目立ちました。中にはコゲラやシジュウカラの混じった群れも。食性の近い,異なった種類の小鳥が,冬場,行動を共にして群れを作ることがありますが,もう,そんな冬の情景が見られるようになっているんですね。


今月の1枚

北池にて。
オシドリやマガモを眺めつつ,紅葉を楽しみつつ…。
この直後,アトリの群れに出会うことに……



【観察した野鳥】
ダイサギ1,コサギ1,アオサギ1,オシドリ27(雌9雄18),マガモ6(雌2雄4),カルガモ1,オオタカ1(若鳥),キジバト1,コゲラ10,キセキレイ2,ハクセキレイ2,ヒヨドリ100,ルリビタキ1,アカハラ1,ツグミ50,ウグイス10,ヤマガラ15,シジュウカラ10,メジロ30,アオジ5,アトリ30,カクァラヒワ100,ウソ5,シメ3,スズメ10,カケス1,ハシブトガラス50
(以上27種)
番外ドバト2


【観察した植物】
花……シロダモ,ヤツデ,ハキダメギク,タネツケバナ,キツネノマゴ,サザンカ,チャ
木の実,草の実など……コナラ,シラカシ,アカガシ,アラカシ,ウバメガシ,クヌギ,スダジイ,ツブラジイ,マテバシイ,トチノキ,エノキ,モチノキ,ネズミモチ,エゴノキ,ムクノキ,ケヤキ,イヌシデ,ゴンズイ,イイギリ,イロハカエデ,トウカエデ,クスノキ,シロダモ,イチョウ,ムラサキシキブ,ミズキ,カゼクサ,エノコログサ,チカラシバ,チヂミザサ,ミズヒキソウ,……

紅葉狩り……イロハカエデ,トウカエデハゼノキ,イチョウ,ケヤキ,カツラ,コナラ,クヌギ,イイギリ,エノキ,ムクノキ,……

【観察したキノコ類】
ウチワタケ,カワラタケ,コフキサルノコシカケ,フクロツチガキ,ウロコタケの仲間

【その他観察したもの】
ジョロウグモ,シギゾウムシの仲間


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