明治神宮探鳥会レポート 〜2000年10月


10月定例探鳥会:2000年10月15日(日)8:30〜12:00
天候:曇 気温:18℃ 
参加者57名(うち子供9名)+担当6名

 秋!気候は上々。曇り空だけれど,雨の心配はないし,小学生以下の子が9人もいて,もう,ピクニック気分。探鳥会初参加の人が1/3ぐらい。新聞やインターネットで行事を知った人が来ています。実りの秋らしく,実りの多い観察が出来ますかどうか,いざ出発!
 森の中,まずはキノコに視線を落とします。ニガクリタケがうじゃうじゃ。ザラエノハラタケ,アラゲキクラゲなど,キノコの種類も晩秋に近づいています。落ち葉の上を歩くザトウムシも,ずいぶん少なくなりました。ヒダリマキマイマイを発見。関東では右巻きのほうが多数派です。カタツムリに左巻きと右巻きの種類があることを初めて知った人は,感心することしきり。

 池にはカワセミ!ちょこちょこ飛び回り,見やすい場所に止まります。カワセミにとって獲物を見やすい場所って,我々にとっては,観察しやすい場所であることが多いのね。しっかり観察させてもらいました。苑内の管理の方によれば,最近,一度に10羽近くのカワセミが見られたこともあるそうです。でも,そろそろ「子別れ」の季節ですね。…ところで,池にはマガモも来ていました。

 芝生広場には,赤トンボ。アキアカネとノシメトンボが目立ちます。先月まで乱舞していたウスバキトンボはもう,数えるほど。気温が下がってきたので,昼間でもコオロギが鳴きます。子供達が産卵間近のウマオイ(ハヤシノウマオイ)を見つけました。こんなに遅くまでいるんですね。
 芝生の上をハクセキレイが低空飛行。彼らが探鳥会のレギュラーメンバーになると,もう冬ですね。上空にはオオタカが通過。羽も1枚拾えて,超ラッキー!オナガがちょこっと顔を出します。明治神宮では最近,オナガはすっかり珍しくなってしまいました。

 再び森に突入。エゴノキでヤマガラを待ちますが,あまり来ません。ヒヨドリがやたらと多く,あちこちで鳴きます。毎年この時期,ヒヨドリの数がやたらと増えます。
 木の実もいろいろ。ドングリもいろいろと落ちていますが,カエデやイヌシデ,ケヤキ,ゴンズイ,ムクノキなど,いろいろ見られます。子供たちには丸くて大きなトチノキやクヌギの実が人気。

 結局,渡り鳥はあまり見られなかったけど,じっくりカワセミも見たし,けっこう充実感があったと思います。子供たちは鳥よりも足元の生き物に夢中だったし……。


今月の1枚

水辺のアイドル,カワセミ。
彼の観察に30分も時間をかけてしまいました。。


【観察した野鳥】
カワウ6,マガモ3(♀1♂2),オオタカ1,キジバト3,カワセミ3,コゲラ5,キセキレイ1,ハクセキレイ3,ヒヨドリ50,モズ1,ヤマガラ10,シジュウカラ20,メジロ20,スズメ10,オナガ30,ハシブトガラス30
(以上16種)
番外ドバト5

【観察した植物】
花…ツルボ,キツネノマゴ,トキワハゼ,カタバミ,ツユクサ,セイタカアワダチソウ,ハキダメギク,チカラシバ,ウリクサ,イヌタデ,ミズヒキソウ,……
実,種子…コナラ,クヌギ,スダジイ,ツブラジイ,マテバシイ,シラカシ,アカガシ,アラカシ,ウバメガシ,トチノキ,クスノキ,シロダモ,イイギリ,エゴノキ,ムクノキ,イヌシデ,アカシデ,エノキ,ケヤキ,ミズキ,ゴンズイ,イロハカエデ,ヘクソカズラ,チヂミザサ,チカラシバ,カゼクサ,……

【キノコ類】
コフキサルノコシカケ,シュタケ,アラゲキクラゲ,ウチワタケ,カワラタケ,カイガラタケ,ノウタケ,ホコリタケ,ツルタケ,ドクツルタケ,シロハツモドキ,ドクベニタケ,ビョウタケ,ザラエノハラタケ,ハリガネオチバタケ,ニガクリタケ,モミジウロコタケ,アカジコウ,シジミタケ,ヒラタケ類,その他不明な菌が何種も……

【昆虫】
[チョウ]ヤマトシジミ,ルリシジミ,アオスジアゲハ,イチモンジセセリ,ヒメジャノメ
[直翅目]マダラスズ,シバスズ,モリオカメ,エンマコオロギ,ツヅレサセコオロギ,アオマツムシ,カネタタキ,クサヒバリ,ウマオイ,オンブバッタ,
[蜻蛉目]シオカラトンボ,ウスバキトンボ,ノシメトンボ,アキアカネ
[その他]オオスズメバチ,アカスジキンカメムシ(幼虫),

【その他観察したもの】
ジョロウグモ,ザトウムシ,ヤモリの脱皮した皮……

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