皆既月食観測記


 2000年7月16日。
 今世紀最後の皆既月食を観測しました。


 ご存知のとおり,月食は,地球の影の中を月が通り過ぎる現象です。今回の月食は,月が完全に地球の影の中に隠れる「皆既月食」。しかも,地球の影の中心近くを月が通るので,非常に長い時間,「皆既食」の状態が続きます。しかも,日本時間で午後9時少し前から始まると言う,素晴らしい条件が揃いました。
 皆既月食の観測で,興味深い観測対象の1つとして,皆既食中の月の色の変化があります。皆既食中の月は,真っ暗になるのではなく,地球を回りこんできた,かすかな光によって,にぶい赤い色に見えることが多いのです。その色調も,明るさも,皆既月食ごとに違います。ほとんど赤味が見えず,真っ暗に近いことがあったり,比較的明るく,オレンジ色に見えることもあります。地球の大気の状態や太陽活動などと関連しているのでしょうか? 今回は,2時間近くの皆既食が見られますから,いろいろ観測できたようです。

 それでは,皆既月食の様子を,デジカメで撮影した画像で紹介します。
 とりあえず,こまかい理屈は抜きにして,月食の様子をお楽しみください。


☆共通撮影データ:
 カメラ:CASIO QV-8000SX
 レンズ:8倍ズーム+2倍デジタルズーム+Kenko製テレコンで,焦点距離1000mm相当
 画像サイズはVGA(640×480ピクセル)で撮影し,トリミングしています。

21:10
絞りF8 露出1/125秒
21:20
絞りF8 露出1/90秒
21:30
絞りF8 露出1/60秒
21:40
絞りF8 露出1/45秒
21:50
絞りF8 露出1/20秒
22:00
絞りF3.4 露出1/1.5秒
22:30
絞りF3.4 露出2秒

(2000年7月20日記)

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