半影月食(2002年5月26日)


 2002年5月26日夜半前の半影月食を撮影しました。
 半影月食とは,月から見れば,地球が太陽を完全に隠していない「部分日食」状態になっているために,ぼんやりと薄暗くなる現象です。
 今回の半影月食は,19:12(JST)に始まり,最も深く影の中に入るのが21:03(このとき,月の約71%が半影の中に入っています),終わりが22:53と言うもの。
 肉眼では薄ぼんやりと暗くなっているかな,と言う程度しにか分かりませんが,写真撮影してみると,肉眼で見たときよりも明暗差がハッキリして,見やすくなります。地味な天文現象ですが,都会地でも容易に観測できますし,ここしばらく,観測条件の良い月食も無いので(^_^;),貴重な「月関係」の天文現象なのです。


☆撮影データ
 望遠鏡:BORG76ED
 カメラ:カシオQV-8000SX
 LV15mmアイピース+デジカメのワイド端でコリメート。
 露出時間:1/500〜1/1000秒,ホワイトバランス=「蛍光灯」,シャープネス,彩度=「標準」,コントラスト=「高」
 撮影後,トリミングしています。

 画像は倒立像です。


 21時44分

 「食」のピークをかなり過ぎています。……実は,夕方から雲って,「食」のピークを過ぎるまで,雲が切れなかったんです……。それでも,月の右上のほうが暗くなっているのが分かります。露出は1/500秒。月面撮影としては,ほぼ適正露出です。画像は倒立像で,上が南になっていますので,実際には,月の右側が暗くなっているように見えていました。コントラストを高めに設定しても,この程度の明暗差ですから,肉眼では,「言われてみれば,そんな気がする」と言う程度のものでした。


そこで,もう少し露出を切り詰め,暗い部分を強調してみます。

 21時45分

 露出1/1000秒。コントラスト,シャープネスをいじっています。
 デジカメは露出不足になるとノイズが増えてしまいます。画像を50%に縮小して,ごまかしてます(苦笑)。
 こうやってみると,影の様子が,見やすくなりますね。


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