かんたん!花びら染め

対象年齢:小学校中学年から。
       おとなの人が手伝えば,小学生未満からOK!


 花びらをつぶして,色水を作って遊んだことがありますか?
 色水で,布を染めることもできます。
 色水遊びをしながら,花の色のハンカチやスカーフを作ってみませんか。
 いちばんかんたんな,染め物の方法を紹介しましょう。

【用意するもの】
・白い布……シルク,ウールがいちばん染めやすい。コットンや麻でもOK。化学繊維はだめ。
・色水のもとになる花……赤,紫などの,色の濃い花がよい。黄色,白の花はだめ。
 花びらの量は,染めたい布の重さの2倍ぐらいは必要です。色素が入っていれば良いので,花が終わりかけて,落ちてきた花びらでじゅうぶんです。また,一度にたくさんの花びらを集めるのは大変なので,少しずつ集めて,冷凍しておくと良いでしょう。
・酢……食用の酢でじゅうぶん。薬局で「酢酸」を買ってきても良いのですが,食用の酢を安売りで買ったほうが手軽でしょう。
・大き目のボウルか深めの容器……金属製はだめ。プラスチック,ガラス,ホーローなど。
・ゴム手袋,ガーゼなど

【やってみよう】

1.まず,色水を作ります

 染めたい布の重量の50〜100倍ぐらいの色水を作ります。
 ぬるま湯で酢を2〜4倍ぐらいにうすめ(酢酸の濃度が1〜2%ぐらいになるようにします。食用の穀物酢の場合,酢酸の濃度は4.2%ぐらい),花びらを入れて,指で良くもんで,色を出します。

 ……こんな感じになります。この写真で使っている材料は,オオムラサキツツジの花びら。



 ガーゼなどで漉して,花びらを取り除き,染色液の完成です。



2.布を染めます

 染色液に布を入れて,1時間以上置きます。染めムラが出ないように,ときどきかき混ぜて,布が染色液の水面から出ないように気をつけます。
 布はあらかじめぬるま湯で洗っておくと良いでしょう。



 ……ただいま染色中。長い時間つけておくときは,容器にふた(またはラップ)をしておきましょう。

 あとは,布を引き上げて,水洗いして,乾かします。

 染色時間は長くても半日〜一晩ぐらいにとどめておき,濃い目に染めたいときは,
「染色」→「水洗い,乾燥」の作業を何回か繰り返します。




 できあがり!

 左がシルク,右がコットンです。
 布が違うと,色が違ってきます。

【でも,どうして?】(ちょっとくわしい説明)
 花の色を布に写し取る……花びら染めは,色水遊びの発展形として,ちょっと夢のある実験です。
 小さな子が花の色で遊んでいると,どうしても,服に色がついて,なかなか落ちないことがありますね。……だったら,それを利用して,花びら色のスカーフが作れたら,楽しいと思いませんか?
 植物の色素で布を染める「草木染め」では,材料を煮出して染色液を作ったり,発色の補助や色落ちを防ぐための「媒染」処理をします。この花びら染めでは,花びらから色素をもみ出すことで煮沸を省略し,酢酸で色素を安定させています。それでも,藍染めのような丈夫な染色ではありませんので,だんだん色が落ちてきたり,日光に当たって色が変化したりします。また,アルカリ性の洗剤や石鹸で洗うと,色が変化します。染め上がった布の取り扱いには,十分に注意してください。
 色が薄くなったら,もう一度染色液を作って,色を重ねても良いと思います。

 また,布の素材によって,染め上がりの色が変わってきます。いろいろな布を少しずつ用意して,同じ染色液で染め比べてみると,面白い科学実験になります。
 花びらの種類も,いろいろ変えてみて,どの花がどんな色になるのか,調べてみてください。

 もし,花びら染めが上手くできたら,今度は,本格的な煮染めによる草木染めなどにチャレンジしてみるのも良いと思います。

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