伊藤　健　（いとう　けん）

2009年入局
東京大学卒業

略歴

1988年　東京大学耳鼻咽喉科
1989年　ＪＲ東京総合病院耳鼻咽喉科
1990年　竹田綜合病院耳鼻咽喉科
1992年　東京大学耳鼻咽喉科
1994年　東京大学保健管理センター
1999年　フランス共和国ボルドー第２大学（内耳細胞電気生理学）
2002年　東京大学耳鼻咽喉科

アピール

専門は耳科学、聴覚医学です。基礎実験等も行って来ましたが、やはり医学は各個の症例を丹念に検討することから出発するものであり、医師として病院にある限りは臨床重視が当然であると考えます。
耳科手術を最も得意としており、特に難度の高い手術の経験が豊富であるとともに、新たな手技を導入・考案した実績があります（例えば以下のような症例・手技：年代順）。
<2022NEW> 耳科学会暫定手術指導医資格取得
<2025NEW> 耳科手術件数 2,000 例達成（全身麻酔例）

1997年　　東大病院における小児人工内耳第１例執刀（論文はこちら）
1997年～　脳外科合同による中耳・頭蓋底手術（論文はこちら）
1998年　　東大病院における内耳奇形に対する人工内耳第１例執刀（CSF gusher）
2004年～　骨化蝸牛のドリルアウトによる人工内耳挿入手技（東大山岨教授とのcollaboration：論文はこちら）
2004年～　危険性側頭骨症例（手術困難例）における安全な中耳手術手技
2004年～　中枢障害合併を疑われる症例においても有効であった人工内耳手術（論文はこちらとこちら）
2006年～　外耳道内切開のみから上鼓室まで郭清する手技
2006年～　Short Incision（小さな切開）による人工内耳手術手技
2007年　　東京医療センター小児人工内耳第１例を執刀・指導（東大加我名誉教授症例）
2010年～　新帝京方式手術手技（定評ある帝京式を改良）―より確実な外耳道後壁再建、より低侵襲―
2017年　　再生軟骨を用いた真珠腫手術第１例に成功（世界初、論文はこちら）
2020年～　COVID-19蔓延期に対応する、耳科手術のnon-aerosol手技開発

所属学会

日本耳鼻咽喉科学会　専門医
日本聴覚医学会
日本耳科学会

業績

【研究論文等もありますが、それより気に入っているのは、以下の臨床症例報告２編です】

本邦において初めて食道内電池異物症例を報告し、その重篤な病態を指摘すると共に、コイン異物と誤診する危険性について警鐘を鳴らした論文。

　伊藤　健、仙波哲雄：小児のボタン型リチウム電池食道異物の１例　－コイン異物との鑑別について－．
　　日気食会報　43: 298-302, 1992.

一度言語をほぼ完全に習得した６歳児が、末梢性聴覚障害（両側突発性難聴）によって言語崩壊を起こし、著者らが施行した人工内耳埋込手術によって約２年を経て言語能力を回復した経過を報告した論文。鳥類の歌声等とのアナロジー（類推）から言語獲得期においてヒト（人類）でも起こり得るとされてはいたものの、世界で初めてこれを示した。

　Ken Ito, et al.: Postlingual collapse of language and its recovery after cochlear implantation.
　　Int J Pediatr Otorhinolaryngol 62: 261-265, 2002.

【他にも新たな発見を伴う臨床症例についての発表は結構あり、いくつか紹介します】

本邦初の水平型良性発作性頭位眩暈症（ＢＰＰＶ）報告

　竹腰英樹、伊藤健、水野正浩、他：良性発作性頭位眩暈症のHorizontal Variant症例．
　　Equilibrium Research(0385-5716)55巻1号 Page12-19(1996.02)

ヒトにおける前庭誘発頸筋電位（cVEMP）の求心路が蝸牛神経でないことを世界で初めて示した（動物実験では示唆されていたもののhomo sapiensでのデータが無く、controversialだった時代）

　Ken Ito, Shin-ichi Ishimoto, Toshihisa Murofushi: Narrow internal auditory meatus: an idiopathic case confirming the origin and pathway of vestibular evoked myogenic potentials in humans.
　　Arch Otolaryng Head Neck Surg, 127: 275-8, 2001.

若年一側聾（高度感音難聴）の約半数が蝸牛神経低形成（先天性）であることを独立に世界で初めて示した。（ほぼ同時に海外からの報告もあり、残念ながらそちらが幅を利かせています。）

　Ken Ito, Shin-ichi Ishimoto, Shotaro Karino: Isolated Cochlear Nerve Hypoplasia with various IAM deformities in Children.
　　Ann Otol Rhinol Laryngol 116(7): 520-524, 2007.

<2022NEW> Impact Factor 2021: 304.481

著書

本邦初のMS-Windowsプログラミング入門書。Windows version 1.0の時代で、Macintosh・OS/2・GEM(デジタルリサーチCP/M上のウィンドウシステム)の蔭に隠れて誰も注目していなかった頃の作品です。

　日本語MS-WINDOWS総合講座ラジオ技術社，東京，1987.

趣味

言語（Language）が面白くてこの分野に。かじったことのある言語は以下の通り（年代順）。^{注１・注２}

日本語（Native Speaker）
英語
ドイツ語
ロシア語
中国語
古代ギリシア語
ＢＡＳＩＣ
ＦＯＲＴＲＡＮ
マシン語
Ｃ
Ｐａｓｃａｌ
ＦＯＲＴＨ
Ｐｒｏｌｏｇ
Ｌｉｓｐ
Ｉｇｏｒマクロ言語
セキセイインコ Contact Call（言語というより語音？論文はこちらとこちら）
Ｍａｔｌａｂマクロ言語
フランス語
Ｃ＃
ＰｏｓｔＳｃｒｉｐｔ
ＨＴＭＬ
Ｐｅｒｌ
ＰＨＰ
ＪａｖａＳｃｒｉｐｔ
ＰＤＦ（言語？）
ＡｃｔｉｏｎＳｃｒｉｐｔ（残念ながら2020年末を以って死語となりました）
楔形文字（ただの趣味にて、読めません）

注１　現在使えるという意味ではなく、多くは忘却済。
注２　コンピュータ（プログラム）言語を含む。

伊藤 健 （いとう けん） 2009年入局 東京大学卒業

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業績

著書

趣味

伊藤　健　（いとう　けん）

2009年入局
東京大学卒業