あ、町は蜘蛛の巣だったんだ・・・

レンズ越しだと
普段は気づかないことを発見する不思議。

何気なく暮らしていると
不要なものや見たくないものは
網膜から消えてしまう。

そんなことを考えた1982年のある日。
家窓から−時の旅人 1982〜1983

主婦たちの生命線になっているお店も、まだなかったころ。

都会の音に慣らされた耳には
当時のこの町の静寂が新鮮。

耳を澄ませていると聞こえてくる
音のひとつひとつが懐かしく。

暗くなるとぽつぽつ灯されてゆく家々の灯りに
人の存在を想い、安心したものでした。