今日は朝一番でブルーコーナーである。
前日の掲示板で翌日のポイントが知らされるため、予定通りと分かっていても、否が応でも気分は盛り上がる。
2日目の朝には船酔いも収まり、体調も上々である。
いつもの朝食を済ませて、器材のセッティングへと向かう。
石川さんと清岡さんは、フォトチームのメンバーであったため、自分の水中器材(MMUとMMU−EX)をそれぞれ持ってエントリー。
透明度は30メートル近くあっただろうか、根まで潜行したかと思うと強い潮流を感じて、体が横に流されていくのを感じた。
海一面のカスミチョウチョウウオの大群、オニカマスの群れは少なかったが、やっぱりブルーコーナー、期待を裏切らない海だった。
しばらくすると、光物の大群が押し寄せてきた。
ギンガメアジの群れだ。
しかも、一面に壁が出来ているように魚影が濃く、ロウニンアジの固体も数多く含まれているようだ。

「うおーっ、すげぇー」
思わずレギュレーター越しに叫んでしまった。
裕さんがビデオを回していたのだが、後でダビングして貰ったテープを再生してみると、どうやら、その時の奇声が入っていたようだ。
ボリュームを上げると、僅かながら聞き取れるのを確認出来た。
両手でしがみついていなければ引き剥がれそうな状態の中で、懸命に撮影してくれた裕さんに感謝。
フォトチームの面々は、自作のアンカーロープを死んだ珊瑚(本人擁護のため)に設置すると、潮流を受けて舞っている様は、まるでゲリラカイト(古っ)のようだった。
両手が空くので、潮流が強いポイントでも写真撮影が楽になるようだ。
後ろを振り返ると、アンカーブイを引きずって潜っている和田さん(これは本当にかなりの重労働らしい)も、同様にアンカーで固定して一休みしていた。
2本目はジャーマンチャネルとのこと。
マンタと言えばジャーマン、ジャーマンと言えばマンタと言われるくらい、マンタウオッチングの定番ポイントである。
ナポレオンも最初に見たときは感動したが、それ以降は皆振り向きもせず、挙げ句の果てはフィンで蹴られそうになる始末。
スタッフにマンタウオッチングのマナーを教授され、いざエントリー。
他のポイントと違って、透明度・透視度とも非常に悪かった。
「でも透明度の悪いときの方が、マンタが出やすいんだっけ。」
などと自分に都合のいいように考えながら、白砂が一面に広がる場所に着底した。
既に先客が来ていたようで、皆上を向くように体勢をとっている。
私たちもそれに習って、その場に留まり、ごろんと上を眺めはじめた。
10分程経っただろうか、一向にマンタが現れる気配が無い。
いい加減、砂地にいるハゼを探すのにも嫌気が差してきた頃、スタッフが中層に浮上したかと思うと大きく、ゆったりと腕を羽ばたかせ始めたではないか。
「マ、マンタの物まねだ」
こぞってチームの面々が、腕を羽ばたかせて中層に舞う。
下を見ると、不思議な光景を見ているダイバー達の表情が目に浮かぶようだ。
いや、多分呆れているのかもしれない。
結局この日はマンタが現れてはくれなかった。
明日以降のダイビングに期待することとしよう。
さすがに1日4本のダイビングは、体にぐっとくるものがある。
一見すると日本食、でも味付けは南国風の料理にもすっかり慣れた頃に、ビール片手に楽しめる、水中写真のスライドショーが行われた。
暗くなった室内は眠気を誘うが、巧みな話術と奇麗な映像を見てしまうと、自ずと明日へのダイビングに期待が募る。
明日もブルーコーナー、今日はビール一杯で我慢することにしよう。