● (No.303) USB-GPS実験 (2002年 1月20日) --------------------------------------- 衛星PCsat の GPSデータ送信に感化され、パソコンによる GPS衛星実験 を始め ました。実験をしてみて改めて、米国の技術力・軍事力はすごいと感じました。 我が家の頭上に(地球上のどこでも同様に) 常に10個ほどの GPS衛星が監視して いるのですね。 ご承知のように GPS とは、"Global Positioning System" の略で、24個の人工 衛星が、地球の周回軌道を回っています。 この GPS衛星から送信される位置測 定用の電波を利用して、受信者の現在地(緯度・経度・高度) の情報を得るため のシステムです。 現在、カーナビゲーションや パソコンGPS などに広く利用されている GPS は、 米国国防総省が軍事用として開発したものを 民間に開放しているもので、従来 は 安全保障上の問題から精度を意図的に落としたデータが提供されていました が、2000年5月1日、米国政府から SA (Selective Availability : 民間向けGPS 信号の強制信号劣化) を解除するという発表があり、日本時間の5月2日午前9時 から実施されました。 このため、従来100mとされていた一般の GPS受信機の精度は、15m程度の精度に 上がりました。この 15mというのは、統計的に、測定された回数のうち 95%は 真位置から 15m以内に入っているという意味です。 今回実験に使用した GPS受信機は、2cm(H) x 3cm(W) x 13cm(D) の 箸(はし)箱 半分ほどの小型のアンテナ.モジュール一体型のスティックタイプで、ノートPC のディスプレイの上部に取り付けが可能なものです。 しかも USB接続なので、 取り扱いが大変簡単です。 最大8個の衛星を同時受信し、最も測位精度が高い組み合わせの衛星を 独自の 解析アルゴリズムにより自動選択し、PC上の地図ソフトに 現在位置を自動的に 追跡していきます。(カーナビではないので、経路誘導や音声発声はしません。) 電源インバーター(DC/AC)と ノートPC の車内設置に工夫がいりますが、ノート PC の大きな液晶画面は見やすさ抜群です。GPS信号は、1575.42MHz で送られて きます。車の屋根やルーフレールでも GPS信号はさえぎられてしまいますので、 車内で使用する場合は、GPS受信機をダッシュボード上のフロントガラス付近や リアガラス付近に固定します。 GPS受信機の精度についての補足ですが、最初に静的な初期測位が正確にできて いると、その後の精度は、地図上で ほぼ数メートルの誤差(1〜2m)であること が確認できました。次のデータは、本日(1/20)の19時頃(JST)に自局を捕捉して いた6個の GPS衛星から約1秒ごとに送られてきた生データと、GPSドライバの ログの一部です。 GPS受信機からの生データ $GPGSV,2,1,07,28,36,213,38,04,33,284,37,07,62,317,42,01,28,120,00 $GPGSV,2,2,07,11,24,073,00,13,17,155,00,20,56,048,00 $GPRMC,100211,A,3523.0433,N,13936.5953,E,000.1,000.0,200102,006.6,W*60 $GPGGA,100212,3523.0436,N,13936.5950,E,1,03,03.23,000148.6,M,0034.1,M,, $GPGSA,A,3,,28,04,,,07,,,,,,,03.23,03.07,01.00 $GPGSV,2,1,07,28,36,213,38,04,33,284,38,07,62,317,42,01,28,120,00 $GPGSV,2,2,07,11,24,073,00,13,17,155,00,20,56,048,00 $GPRMC,100212,A,3523.0436,N,13936.5950,E,000.0,000.0,200102,006.6,W*64 GPSドライバのログ #3 format [ Time:UTC DATUM:WGS84 ] 02/01/20 09:57:25 N35:23:1.8 E139:36:36.9 180.3 0.2 5 02/01/20 09:57:28 N35:23:1.8 E139:36:36.9 180.3 0.0 5 02/01/20 09:57:31 N35:23:1.8 E139:36:36.9 180.3 0.2 5 02/01/20 09:57:34 N35:23:2.6 E139:36:36.2 104.0 0.0 6 02/01/20 09:57:37 N35:23:2.5 E139:36:36.2 111.5 0.2 6 今回実験に使用した機材は次のとおりです。 あと、TNC(ケンウッド TU-101 等) を接続して自局データを送信し(430MHz帯)、他局の位置情報も PC画面上に表示 できるようにすれば、ナビトラシステムの構築が完成します。 GPS受信機 ・・・ USB-GPS (アイオーデータ機器) 電子地図 ・・・ ProAtlas プロアトラス2002 首都圏 (アルプス社) ノートPC ・・・ Mebius, Windows XP (SHARP) 電 源 ・・・ DC/AC INVERTER, INV-80W (audio-technica)
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