星の王子さま [サン・テグジュペリ作]


● (No.242) 星の王子さま [サン・テグジュペリ作] (2000年12月7日)
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12月2日(土)の朝日新聞の夕刊に、『星の王子さま』の星空に関する記事が出て
いました。 1年ほど前に、NHK の BS 放送の番組で、サンテグジュペリの特集
をしていました。 その再放送を一ケ月ほど前に放送していて、結局2回も見て
しまいました。

サンテグジュペリは 1900年生まれのフランスの作家ですが、『星の王子さま』
は第二次世界大戦中の 1943年に英訳本の形で発表されて以来、その後42ケ国語
に翻訳されたベストセラーです。

第二次世界大戦が始まったのが 1939年ですから、彼は戦争中に、この夢のある
小説を書いていたことになります。 実際彼も戦争中はアルジェリアのアメリカ
軍指導下の 33-2 偵察飛行隊に所属し、少佐にまで昇進しています。

1944年に南フランスの地中海コート・ダジュール沖でドイツ空軍機に撃墜され、
44年の生涯を閉じました。 その2年後の 1946年に『星の王子さま』のフランス
語版が出版されました。

この『星の王子さま』には、サンテグジュペリ自身の描いた挿入絵が たくさん
あります。 その表紙の絵が、王子さまが住んでいた「小惑星 B-612番」という
星に立っている王子さまが、空に浮かぶ星々を眺めている図です。 この三角形
に位置する星が、サンテグジュベリが60年前に見た 木星・土星・アルデバラン
である、というのが新聞で話題になっていたことでした。

日が沈んで夜8時頃の東の空を見上げると、確かに三角形の形にこれらの星々が
光り輝いて見えます。 11月初めの夜は、アルデバランを直角とする直角三角形
の形になっていました。 これは 60年に一度の天体ショーだそうです。


                               * (土星)
              (木星) *

                         * (アルデバラン)


惑星は少しづつ移動するので、最近では(12月初旬) 木星が鈍角の鈍角三角形の
形になっています。

                                 * (土星)
                 (木星) *


                       * (アルデバラン)


今月 12月初旬の南西の夜空には、三日月のそばに、この木星や土星よりもっと
明るい星が寄り添うように光り輝いていました。まるで サハラ砂漠かアラビア
の夜の砂漠にでもいるような光景でした。 この明るい星は宵の明星といわれて
いる金星です。

月は地球の衛星で、金星は太陽の周りを回る惑星なので、日々の動きが大きく、
昨夜(12月5日)は 月は真南に半月(上弦)として、金星は西の空へと バラバラに
離れてしまっていました。 先週の 月(D)と金星(*) の相対的な位置関係は、次
のとおりです。


    11/29         11/30         12/1          12/2

     * D           D             D             D
                    *               *
                                                   *


参考文献:星の王子さま サン=テグジュペリ作 内藤 濯 訳 岩波書店
     星の王子さまの秘密     山崎庸一郎 著   彌生書房
     おとなのための星の王子さま 小島俊明 著    近代文藝社


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