CAS-6 交信のコツ



● (No.1073) CAS-6 交信のコツ (2020年7月13日)
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CAS-6 (TIANQIN-1), #44881

Uplink           Downlink         Beacon   Mode          Call   Status  
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435.270-435.290  145.935-145.915     .     UHF/VHF SSB          active  
       .         145.890             .     4800bps GMSK  BJ1SO  inactive
       .            .             145.910  CW            BJ1SO  inactive
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JE1CVL wrote on 21 June 2020.

【CAS-6経過】1. 2019年12月20日 FLORIPASAT-1と共に打ち上げられる。
         2. 2019年12月末、行方不明説流れる。
         3. 2020年1月6日 アンテナが展開されていないとの情報。
         4. アンテナを展開する時のトルクで衛星の軌道が変わって
            しまう惧れから慎重に対応。
         5. 当初3月の上旬頃までにアンテナの展開を試みる予定だった。
         6. 2020年6月20日(土) 日本時間午前5時頃のパスで KC4LE局が
            Transponder の ON を確認。
          (アンテナの展開作業が成功した結果とみる)

【XW-2Dと同じ症状】↑上記「CAS-6」と「XW-2D」は、現在同じような症状を
         見せていることになります。中国で開発された CubeSat が、
         いみじくも同じ症状を見せているということは、設計上の問題が
         あるのかも知れません。

【CAS-6】21:23 最大仰角40.9°∠滞在12分 ■交信(SSB)JH7JHX JK2XXK

         ◆JK2XXK局が JK1AFI局を呼ぶのが聞こえました。
         ★1,710Hz ← つまりアップ周波数 435.28171MHz LSB で上げる
          と 145.925MHz USB で自局のダウンが聞こえます。これは
          当局の RIG「FT-847」の場合です。アップ周波数のループ
          補正値は SSB の場合で +1.5~1.7kHz の間でしょう。

【CAS-6】10:31 ■交信(SSB)JK2XXK

         ◆↑Status には、日本時間20日(土) 午前5時からの時間に使えた
          (Heard) とのレポートをアメリカアリゾナ州  KC4LAウィルビー
          さんが一番最初に上げています。

         ◆↑JK2XXK局 との交信は次のような状況でした。受信のメイン
          周波数145.925MHz を USBモード受信固定で受信。送信を CW に
          してループを取ろうとしますが、取れません。W からの音声
          レポートを見ると、SSB で -6.290kHz となっているので最初
          マイナスにしていたのですが、アップ周波数を上へ動かして
          行くと、一瞬ループの CW が聞き取れました。そこから周波数
          を動かさずにループ取りをしているとまた聞こえます。
          Transponder が断続的に ON/OFF になっているようです。
          これもレポートにあったとおりです。

          時間は計りませんでしたが、4秒ON、4秒OFF くらいの感じです。
          ON の間に「こちらはJE1CVL」を伝送するのがやっとです。
          これをダウンの中心周波数 145.925MHz で繰り返していると、
          そのうち JK2XXK局の高速 CW が聞き取れました。クロスモード
          で応答と思い「JK2XXK599」だけを送りました。

          当局の送信をXXKさんは、聞こえたはずですが「JE1CVL59」は
          打てなかったようです。実は、音声とCWでは音声の方が早い
          のです。そのうちXXKさんはSSBに切り替え「CVLさん59」を
          送って来ました。当局も「XXKさん59」を送って交信成立です。
          TransponderがOFFになる時間を挟んでの交信という形でした。
          ループは SSB の場合で +1.710kHz でした。

         ◆↑アメリカの N3CRT Charles R Reiche さんは、
          2秒間ON、5秒後に再び ON になるとしています。

         ◆↑この衛星の主任管制官、中国の BA1DU Alan Kung さんは、
          「状況を分析して故障の原因を究明する」としています。
          今、正常でない状態なので「故障」と判断しているようです。

         ◆後は、交信を試みる周波数を「145.925MHzUSB受信固定」と決め
          これを暗黙の了解事項とします。そして、だれも居なければ
          CQ を出し、次の 5秒後はワッチ、何も聞こえなければ、次の
          5秒後はまた CQ を出す、というような運用方法が考えられます。
          1回CQ を出したら次の 5秒後は出さないで呼び出しを待つという
          方法です。帯域 20kHz なのに 1チャンネルで交信する形になり
          ます。もちろん中心周波数にこだわることはないのですが、
          ON になっている時間が 2秒弱では、見つけるのが大変です。
          皆が出る周波数が決まっていれば、そこに合わせれば良いことに
          なります。

         ★1,710Hz ← つまりアップ周波数 435.28171MHz LSB で上げると
          145.925MHz USB で自局のダウンが聞こえます。これは当局の
          RIG「FT-847」の場合です。アップ周波数のループ補正値は、
          SSB の場合で +1.5~1.7kHz の間でしょう。

         ◆↑JK2XXK さんは、コツを掴んだようで「CQ JK2XXK」を Down
          の中心周波数 145.925MHz で ON になる毎に出し続けていまし
          た。ストップウォッチで計って見たら、ON になっている時間
          は2秒弱、再び ON になるまでの間が 約5秒です

         ◆後は交信を試みる周波数を「145.925MHzUSB受信固定」と決め、
          これを暗黙の了解事項とします。そして、だれも居なければ
          CQ を出し、次の 5秒後はワッチ、何も聞こえなければ、次の
          5秒後はまた CQ を出す、というような運用方法が考えられます。
          1回 CQ を出したら次の 5秒後は出さないで呼び出しを待つと
          いう方法です。帯域20kHzなのに、1チャンネルで交信する形に
          なります。もちろん中心周波数にこだわることはないのですが、
          ON になっている時間が 2秒弱では、見つけるのが大変です。
          皆が出る周波数が決まっていれば、そこに合わせれば良いこと
          になります。

2020年6月23日

【CAS-6】09:33 ■受信(SSB) JA0CAW JA3FWT(音声で確認)

         ◆CW運用を試みている局がいましたが、無理ではありませんかね。
         (不可能と言っているのではありません。挑戦する価値はあると
          思っています)
          CWで「CQ JE1CVL」を上げようとすると、40wpm で 2.34秒、
          45wpmでも2.04秒かかるのです。ON になっている時間に上げ
          切れない計算になります。40~45wpm ってかなり高速ですから
          CW ではいずれにしても厳しいでしょう。音声(SSB) なら2秒間
          に「CQ JE1CVL」は上げられます。

【CAS-6】11:09 ■交信(SSB) JA0CAW JA3FWT ★1,710Hz(SSB)

         ◆FWTさん良く聞き取れました。後半信号強度落ちて来ましたが、
          その中でも中心周波数 145.925MHzで「CQ JA0CAW」が明瞭に
          聞こえていました。

         ◆滞在12分のパスでしたが、今のところ中心周波数145.925MHz
          受信固定でお互い2秒間のうちに情報を上げる方法が良さそう
          です。OFF5秒 と分かっていて、5秒後に ON になる訳ですから、
          そのタイミングを旨く合わせれば、情報を上げられます。
          1回送ったら、次は 1回待つのが良さそうですが、つい連続で
          上げてしまいます。帯域20kHzあるのに 1チャンネルで交信する
          形ですが、早く正常な状態に復旧することを願うのみ。

         ◆↑上記交信の様子「.mp3ファイルドロップボックス」
          提供:JA0CAW局Tnx.
          http://dl.dropbox.com/s/twwkny9e41csg05/CAS6-0623.mp3

2020年6月26日

【CAS-6交信のコツ】

         1. リグコントロールの受信固定が良い。
          (ある意味受信固定でないとだめ)当然「リバースドップラー」
         2. 早く自分のリグの完全ループ補正値を見つける。幸いこの衛星、
            パス毎にループ補正値が変わることはないので、毎回同じ
            アップ周波数補正値を使って自分のダウンが聞こえて来ます。
         3. 2秒の間に「CQ JE1CVL」を出す。一回休む。
         4. 聞こえた来たら「XXK59CVL」と返す。←これ 2秒間で上げられ
            ますので、サフィックスだけでも交信成立の判断で良いと
            思っています。当然その前段ではフルCallを聞いている訳
            ですから。

         重要 『中心周波数の1チャンネルにこだわらない』

            「中心周波数の5kHz上(あるいは下)で CQ出すから」
            とスケジュールを組めば、中心周波数の 1チャンネルに
            こだわることなく交信は可能と思っています。
            いずれにしても滞在時間が最大でも12分くらいですから、
            アッという間に時間が過ぎてしまいますので、
            手際良さが求められます。

【CAS-6交信のコツ】

         皆さん、だいぶ慣れて来たようで、交信の形が出来ています。
         基本は、2秒以内に、いかに的確な情報を上げるかです。
         以下気が付いた点↓

         1. Callsignをフォネティックコードで言っていると、2秒間では
            間に合わないと思います。「CQJE1CVL」、これだけで相手は
            分かるはずです。当局の場合、お馴染みの局は全て声で判断
            しています。XXKさんは「CQJK2XXK」を綺麗に上げています。

         2. 応答は「PL59CVL」の形で良いのではないかと思います。
            これなら2秒間で上げられます。その直後の「CVL59」とだけ
            返ってくれば、PLさんの応答だと分かります。

            「FullCallsignの交換でなければ交信ではない」という意見が
            あるかもしれませんが、パス中 1回は、FullCallsign を発信
            している訳で、「局」 の特定は出来ていることになり、問題は
            ないと思われます、

         3. 1回送信したら次の 2秒間は送信しないで 1回間引く。
            つまり、相手の反応を確認するタイミングに使うと良いと
            思います。


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