MIR ニュース


● (FUROKU.69) MIR ニュース (1998年 7月6日)
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                MIR ニュース
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                           訳. JE9PEL/1 脇田

 1998年 7月4日

 SAREX 愛好者へ:
 (訳注. SAREX ... Shuttle Amateur Radio Experiment)

  あなたは、MIRの継続中の物語と、将来の引退に関するこの記事を、読みたいと
 考えていると思います。ロシアは公式発表をしたようです。

  73,

  Frank Bauer, KA3HDO

 追伸. アマチュア無線局国際宇宙ステーション ISSに関する第1章の配信が、約
 6ケ月後に行なわれることになっています。この章はドイツ、ロシア、アメリカ
 からの寄稿を包括することになっています。最初の乗組員の作業は、今から1年
 後に予定されています。もっと詳細な情報については SAREX関係者を待ちます。
 今月の終わりにイギリスのサレーで計画されている ARISSの会合後に、たくさん
 の事をあなたと共にしましょう。
  (訳注.ARISS...Amateur Radio on the International Spase Station)



 ロシアは、MIRの早期の引退に合意。

 By Adam Tanner

 モスクワ, 7月2日(ロイター通信) -- ロシアは政府の財政難を認め、当初の想定
 より6ヶ月早く、来年の6月に MIR宇宙ステーションを引退させることを木曜日
 (7/2)に決定した、と宇宙局のトップが発言。

 ロシアの宇宙探査における重要な提携者の NASAアメリカ航空宇宙局 は、新しい
 国際宇宙ステーション(ISS) にモスクワがその努力を集中するだろう、と決定を
 歓迎した。

  MIR放棄の 1999年12月からの繰り上げは、Boris Nemtsov副首相、Yuri Koptev
 宇宙局長、そして、MIRを所有するエネルギーロケット会社 (Energiya rocket_
  corporation)社長 Yuri Semyonov らによる会合で決定された。

 「1998年に対して計画した MIRステーションの作業を継続することを Nemtsovが
 決定し、1999年の半ば6月に軌道を下げ、制御した方法で海上に沈めるだろう」
 と、Semyonov はロイター通信に語った。

 「もちろん、二つのステーション(訳注. MIRとISS) に対して 充分な資金がない
 ことは、残念である。」

 ロシア宇宙局副局長 Boris Ostroumovは、安全ということが、1年前に貨物補給
 ロケットに致命的な衝突をした MIRの早い終焉における要素である、と語った。

 「ステーションの保証は3年間であったが、大変多くの故障と修理 -- ある時に
 は故障よりもさらに悪いことが起こった -- で 12年以上も飛び続けた。 だから
 我々は第一に安全のことを考えなければならない。」と、彼はインタビューに答
 えた。

 「ステーションのナビゲーションシステムが、まだ降下のコントロールが容易に
 動作する間に、我々は行動しなければならないので、宇宙飛行士と地上の人々の
 両方の安全に関係している。」

  NASAは、ロシアのために既に1年も大きく計画が遅れている 新しい宇宙ステー
 ションにその限りある資金を集中させるために MIRを降下させるように、ロシア
 に圧力をかけた。

 「ロシアが秩序正しい方法で MIRの運用を終える決定をしたことに、NASAは驚き
 はない。」と、Kathleen Maliga報道官は語った。

 「宇宙局長どうしの会合の間じゅう Koptevは、ロシアが 国際宇宙ステーション
 を最優先にした国際的な提携者であると話していた。」

  Semyonovと他の役員は 最近、資金を上げないとステーションが頭上で破壊する
 可能性が生ずる、と政府に圧力をかけた。

 木曜日(7/2)の協定において、政府は MIRの最後の年に 600万ルーブル (約100万
 ドル)の拠出を約束した。しかし Semyonovは、財政危機を引きずっているロシア
 が現金を供給するかどうかは確信できない、と述べた。

 「もし、MIRの飛行に関わったアメリカ、フランス、ドイツなど 全ての世界共同
 社会がこれらの金を分担して我々を助けてくれるならば、良いことである。」と
  Semyonovはインタビューに答えた。

 これらの国々は、MIRの飛行のための慈善事業としてではなく、権利として 既に
  100万ドル支払っている。

  Ostroumovは、資金が、MIRへの最後の搭乗の1ヶ月以内に 人のいない太平洋上
 に MIRを落下させる力になるであろう、と述べた。

  MIR計画に関係している人々は、資金の限界のために優先プロジェクトとして何
 が使われたかを知って失望した。

 「もちろんこのことについて、あなたを哲学的にさせてしまって残念に思う。」
 と、MIR副航空局長 Viktor Blagov は述べた。「与えられている限り生きるだけ
 だが、私自身の人生を広げたい。」

 アメリカ、ロシア、ヨーロッパ、カナダ、そして日本が力を結束した新しい国際
 宇宙ステーションの最初のモジュールは、(1998年)11月に始動することになって
 いる。

 二人のロシア人と一人のアメリカ人の(ISS)最初の乗組員が、MIRの引退の少し前
 の 1999年の春の終わりに搭乗するであろう。

 ロシアの役員は、フランス人とスロバック人が、短期のミッションとして MIRを
 訪問する最後の宇宙飛行士になるだろう、と述べた。

  MIRは、飛行の歴史において最も長く稼働した宇宙ステーションであり、長い期
 間のミッション中で肉体に与える衝撃の研究と、他の実験を行なうのための貴重
 な実験室であった。


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 Frank H. Bauer, KA3HDO
 AMSAT V.P. for Manned Space Programs
 E-mail:  ka3hdo@amsat.org

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 Name : JE9PEL/1 脇田
 Mail : JE9PEL@jamsat.or.jp
 URL  : http://www.asahi-net.or.jp/~EI7M-WKT/
 QTH  : Yokohama, Japan
 Date : 6 Jul 1998
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