デジタル受信の方法 #1


● (EISEI.11) デジタル受信の方法 #1 (1993年 10月9日)
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 下の数値は、平成5年9月30日に受信した FO-20のデジタル形式で送信され
 たビーコン信号です。今回はこれを受信するための方法を説明し、この数値の持つ
 意味は、いずれ機会を改めて説明したいと思います。

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 8J1JBS>BEACON [09/30/93  18:07:46] :
 JAS1b RA 93/09/30 07:42:58
 382 473 662 666 842 833 844 827 000 755
 609 000 364 369 390 387 376 379 646 000
 682 713 721 684 999 637 867 935 FA4 000
 010 101 011 001 111 100 001 101 100 000

 8J1JBS>BEACON [09/30/93  18:07:47] :
 JAS1b M0 93/09/30 07:43:00
 Mailbox is at your service from 93/08/27 09:25:00
 The JD Transmitter is available in all orbits
 during JD mode.
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  まず、衛星の来る時刻とその方向を、次の方法で事前に確認しておきます。

 FO-20のスケジュール表は、ご存知のように毎月発行のCQ誌の小さい付録に
 載っています。(注:'95 10月現在、FAXサービスに変更されています。) なお、
 FO-20の場合、JAモード(アナログ)とJDモード(デジタル)を運用する
 日が決まっていて、水曜日から木曜日にかけてJAモードになることが多いのです
 が、その正確な情報を得るために、JARLの「ふじ2号 テレフォンサービス」
 Tel 03-3942-1000 で確認します。(注:'95 10月現在、JAモードのみの運用と
 なっています。)

 また、市販の衛星追尾ソフト「Satellite Tracking ProgramII」((株)ケンプロ)
 では、世界地図とともに衛星の軌跡がディスプレイに表示されますし、プリンタに
 出力させることもできます。JAMSAT頒布の衛星追尾ソフトでも同様です。
 さて、9月30日のオービット表の「東京」の欄に次のように記載されています。

   +----+-----+-------+------+--------------+------------+----+
   |日付| REV | 昇 交 |昇交点| 可 視 時 刻 |  方 向  |最大|
   |  |     | 時 刻 |西 経| AOS TCA LOS| AOS TCA LOS|仰角|
   +----+-----+-------+------+--------------+------------+----+
   |9/30|17074|0630:47| 307.1|0715-0719-0721| 61- 85- 90 | 1 |
   |    |17075|0825:04| 25.2|0901-0911-0920| 18-103-176 | 46 |
   |    |17076|1015:21| 53.3|1052-1101-1109| 1-292-232 | 27 |
   +----+-----+-------+------+--------------+------------+----+(一部)

 補足すると、

    REV  :軌道番号(JARLの番号はNASAの番号より6少ない)
    昇交時刻 :衛星が赤道を南から北に横切るときの時刻
    昇交点西経:そのときの経度を西経で示したもの
    可視時刻 :AOS(Acquisition Of Signal).....衛星が昇るとき
          TCA(Time of Closest Approach)..最大仰角のとき
          LOS(Loss Of Signal)............衛星が沈むとき
    方向   :真北を起点に時計回りに計った方位角(Azimuth)
    最大仰角 :TCAのときの仰角(Elevation)


 時刻はUTC(世界時)で表示されていますので、9時間をプラスして JST
 (日本時間)に換算します。従って上記のビーコンは、REV 17075 のときのもの
 であることがわかります。実際には、このようにオービットカレンダーを見て、
 自局のねらったREVの十数分前くらいに衛星システムをすべてONにして、上記
 市販の衛星追尾ソフトを起動すると、自動的に衛星の起動が計算されて、ディス
 プレイに表示されるのと同時にアンテナ自動追尾も実行されます。具体的な操作
 については、次回、紹介します。


 (注)JAMSAT で頒布している「Quick Track 4.0」などをはじめ、本誌の各所
    で紹介しているように、他にも種々の衛星追尾ソフトがあります。


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