平均寿命80歳と言われれば、自分もそのくらいは生きるんだろうと、
漠然と思っていた私に思いもよらないガンの宣告がくだされたのは
5月の半ばのことでした。
突然「死」が現実のものとして、私の前に立ちはだかったかんじです。
それは恐ろしい現実でした。今まで「死」に対する想像力がまったく
欠如していたようです。また、病気のことにも全く無知でした。
まずしたことは情報収集です(特にインターネット)。診断のランクや
原因、治療法等…とにかくガンは、今や早期発見ならば決して死に至る病ではないということ改めて認識しました。
中にはハイリスク因子を扇情的に書いているものもあり、ひどく傷ついたりもしました。とにかく入院までの数週間は心千々に乱れ、周囲の人をとても心配させてしまいました。
そんな中で心の慰めになったのは、ネットで知った体験者の方たちの生の声でした。自分だけではないということが、こんなにも励みになるとは…。インターネットが普及している今で、ほんとによかったと思います。
もっと重篤な症状の方から見たら、私の状態なんてたいしたことない(今のところは)のですが、それでも死ぬかもしれないと思い悩んだものです。それはひとつには無知であったことがあります。また、これから起こる未知の体験に対する恐れもあります。だから、自分の体験を細かく記録に残そうと思いました。同じ悩みを持つ人へ少しでも役に立てれば、と思い…。
1999/7/24 |