子宮頚ガンdiary
【はじめに】


平均寿命80歳と言われれば、自分もそのくらいは生きるんだろうと、
漠然と思っていた私に思いもよらないガンの宣告がくだされたのは
5月の半ばのことでした。
突然「死」が現実のものとして、私の前に立ちはだかったかんじです。
それは恐ろしい現実でした。今まで「死」に対する想像力がまったく
欠如していたようです。また、病気のことにも全く無知でした。
まずしたことは情報収集です(特にインターネット)。診断のランクや
原因、治療法等…とにかくガンは、今や早期発見ならば決して死に至る病ではないということ改めて認識しました。
中にはハイリスク因子を扇情的に書いているものもあり、ひどく傷ついたりもしました。とにかく入院までの数週間は心千々に乱れ、周囲の人をとても心配させてしまいました。
そんな中で心の慰めになったのは、ネットで知った体験者の方たちの生の声でした。自分だけではないということが、こんなにも励みになるとは…。インターネットが普及している今で、ほんとによかったと思います。
もっと重篤な症状の方から見たら、私の状態なんてたいしたことない(今のところは)のですが、それでも死ぬかもしれないと思い悩んだものです。それはひとつには無知であったことがあります。また、これから起こる未知の体験に対する恐れもあります。だから、自分の体験を細かく記録に残そうと思いました。同じ悩みを持つ人へ少しでも役に立てれば、と思い…。

1999/7/24


>>>追記

この度なんと妊娠しました。それはとてもうれしいことなのですが、高齢、既往症などなど立派な(?)ハイリスク妊婦である私にとって、毎日が不安の連続です。
中でも今もっとも恐れているのが「子宮頚管無力症」。これは子宮を支える入口が出産前に短くなって、早産(22w以降)を引き起こしてしまう病気です。体質的にここの筋力が弱い人もいるようですが、円錐切除は後天的外的要因となります。当然手術で切り取った分だけもとが短いのです。円錐切除を受けて妊娠となった場合、この子宮頚管無力症を防ぐため、子宮縫縮術を施す必要のある場合があります。が、この手術自体が流産や感染を引き起こしたりすることもあるようです。統計的には受けずに無事出産されている方の方が多いようです。
私の場合、今のところまめに経過観察といったところですが、心配でしょうがありません。安定期と言えども、要安静です。
こんなことなら、物理的に手を加える手術ではなく「PDT(光線力学的療法)」という治療法を選択肢に入れればよかった、と今更ながら思います。もっとも私が手術を受けた時にはこの方法については全く無知でしたし、実施している医療機関も少ないようです。
もし、将来出産を望まれ、今治療を前にしていられるのなら、この方法も視野に入れられる事をお勧めします。

 

2001/10/23