第12回フィールドノート 11/15 平治物語紀行


                       平治物語の舞台を訪ねました。
          

     1  鴨川河畔

         五条大橋から見る鴨川上流

 京都を訪れるとまず向かうのが鴨川河畔。川の持つ魅力はローレライそのものなのでしょうか。
 点々と白く浮かんでいるのはさまざまな鳥たちです。手前の橋は「松原橋」。



     2  猛禽類とユリカモメ
          
                          ユリカモメ                    えものを狙う猛禽類

  サギの親子やユリカモメの動きを河畔に腰を下ろして楽しんでいると、私の背後から頭をかすめて急降下してきた猛禽類(鷲・鷹など)がいました。ビュッという羽音、かすかに感じる風。それが2回くりかえされました。ユリカモメたちの動きがあわただしくなり、一部は私の近くに避難(・・・のように感じられた)してきました。猛禽類もカモメも私の存在を利用したようです。妙な形で大自然の営みとかかわりをもつことになりました。
      



     3 六波羅へ

         五条大橋西詰から見る六波羅方面
       
      

 六波羅は平家の根拠地であり、鎌倉時代には六波羅探題などが設けられた地域です。平家最盛時には一族郎等の屋敷がひしめいていたといいます。


    3 六波羅密寺界隈

         

 平家の時代の面影はほとんどない。六波羅密寺は天暦5年(951年)の建立ですが、現在の建物は残念ながら14世紀のものです。平家の公達たち、また平清盛も見たであろうと推測できる存在が地蔵菩薩像といえるでしょう。


    4 五条橋    

        

 源平の時代の五条橋は現在の松原橋です。五条大橋は、豊臣秀吉が下流にかけかえたものですが、名称がそのままにされたようです。
 



    5 西本願寺太鼓楼

        五条大橋から源氏の拠点六条堀川に向かいました。途中、西本願寺太鼓楼に出会いました。
        


       

 江戸時代末、新選組が屯所として使用した施設の一部です。



    6 左女牛井之跡

         

  

 太鼓楼から堀川通を北に向かってすぐ、京都東急ホテル手前に「左女牛井之跡」がありました。
 源氏の拠点の名残です。

       

      

 左女牛井之跡見学後、堀川通り、松原通り、寺町通りを経て京阪三条から帰阪。平治物語の舞台はもっと広大、ダイナミックなものですが、源氏と平氏の京都における拠点の地を中心に訪ねました。
 修学旅行の中学生たちに繁華街でしばしば出会いましたが、お土産の袋を見ると古着屋のもの。なるほど、もうひとつの京都が存在しました。妙なところで感心してしまいました。ブッシュ大統領訪日の厳戒態勢の京都を駆け抜けた一日でした。
 
 交通 
 ○六波羅密寺   京阪線五条駅、東山方面へ
 ○左女牛井之跡  京阪線五条駅(五条通りを西へ)、JR京都駅(堀川通りを北へ)