だん くら
淀川紀行D 段 蔵 氾濫と流域のくらし
段蔵とは、蔵の基礎を階段状にして氾濫に備えたもので独特の景観をつくりだしています。現状では役割を終えている建築で、景観としても多くの地域で現代建築群に埋没していますが、歴史を語りつたえる大事な存在です。寝屋川市太間地域を中心にして、川と人の関係を追います。
1 段蔵のある景観 寝屋川市太間
2004年11月16日夕刻
2 太間とは・・・
天満宮境内の石碑 茨田堤の碑
日本書紀に記された古代の人々の壮烈な氾濫との戦い。堤防の決壊箇所を「絶間(たえま)」といいますが、茨田堤の石碑、
地域の川にかかる「絶間橋」の存在はこのような事情を物語るものでしょう。
太間の地名は絶間が転化したものと考えられます。
絶間橋
3 水との対峙
@ 太間排水機場
大阪府太間排水機場 淀川からの分水路
太間から淀川上流を望む
明治18年の大洪水は、少し上流の枚方の堤防が決壊したものです。
太間地域にあります「大阪府太間排水機場」は、人と水との古代から続く対峙を語っています。
A 悲劇
守口市藤田(とうだ)3丁目
水との戦いは苛烈なものでした。古代における人柱伝承、激流に呑みこまれる人々の記録、そして近世には
小泉弥治右衛門一家のような悲劇もありました。
氾濫と人々のくらしを「段蔵」と「太間」に焦点をあてて考えてみました。
太間に限らず、淀川沿にはいたるところに「段蔵」が見られます。ただし、太間の段蔵は、景観としてもすば
らしく、淀川(京街道)探訪で出会ったすてきな空間のひとつです。
ちょっと休憩
@ 太間の幹線用水路は「大阪府緑の百選」のひとつです。春の桜は水路に映えてとてもすてきです。
A 太間の淀川の河川敷は広大な公園になっています。近くにパークゴルフ場、淀川淡水魚試験場もあり、
歴史散歩、自然観察、そしてスポーツとさまざまな楽しみ方ができる文化歴史スポットです。
※ 淡水魚試験場は淀川のミュージアムのページで紹介の予定です。
交通
京阪線 寝屋川市駅から京阪バス西3番乗場から約17分 太間公園下車