近松記念館と廣濟寺
近世の劇作家近松門左衛門ゆかりの地を訪れました。近松門左衛門がなぜ「あまがさき」なのか。
1 「人間」近松門左衛門
劇作家として描く世界はひろく、上演舞台は近世大坂ですが、墓所は尼崎にあり、また母の法要も尼崎で行われていますように、「人間」近松と尼崎の深いゆかりを知ることができました。
廣濟寺の近松墓所「国指定史跡」
2 近松記念館
近松ゆかりの寺「廣濟寺」に残された近松の遺品などが展示されたミュージアム。近松門左衛門が執筆に使用したとされる机など60余点との出会いを古川館長のご案内で楽しむことができました。
近松記念館正面
3 近松の里
近松とのゆかりを大事にした尼崎の人々の取り組みの歴史が、近世における深いゆかりを今日に結びつけていました。
あまがさきを「近松のまち」と位置付け、近松の里に代表される史跡の整備、近松祭に示される多彩なイベントの展開などにより、近松の存在は尼崎の現在にしっかり定着しているようです。
また、「近松賞」を創設して、次代の劇作家育成を視野においた文化的拠点づくりが進むなど、幅のある取り組みとして展開しているようです。
近松像(近松公園)
4 トータルな視界、その先に見えるもの
行けばわかるものです。近松のまち「あまがさき」に納得。近松門左衛門を軸に展開されつつある尼崎の人々のトータルな町づくりが興味深い。
いただいた「近松のまち あまがさき」(尼崎市市民局生活文化部ちかまつ・文化振興課制作)を拝見していると、幅ひろい展開をものがたるさまざまな活動が見えてきました。近松の里、近松橋、近松ロード、近松線など地理的呼称の展開、学校教育における郷土学習、公共図書館などにおける情報提供サービスの充実、さまざまな文化的イベントと市境をこえた文化事業、そしてミュージアム。これからの展開が楽しみです。
◇ 近松祭 11月22日 昭和12年から続く行事
文楽人形による墓前祭、小学生浄瑠璃クラブによるゆかりの上演
◇ 近松研究所(園田学園女子大学) 06−6429−9928
近松を含む近世演劇、芸能、文学などの資料公開。※事前連絡要
南塚口町7−29−1(阪急線塚口西南1,2km) 月曜〜金曜 10時〜17時
◇ 近松記念館 06−6491−7555
久々知1−4−38(JR尼崎・塚口、阪急塚口・園田、阪神尼崎 から市バス近松公園下車)
休館 水曜・第2日曜 年末年始、8月13日〜16日 10時〜16時 入館料要