小樽ミュージアムロード
第4回 ユニーク・ミュージアム活動
雪の北海道小樽を訪れました。
ホテルの窓から見た北海道(札幌)の朝は吹雪いていました。
1 海は明るくないほうが良い
小樽へ向かう列車の窓から見る日本海。
海は明るくないほうが良い。
この視界だからこそ、遠い彼方の世界をイメージできるようです。
このあたりから、いっきに小樽のイメージがふくらみました。
2 したたかに残る豪快な気風
タクシーで「にしん御殿」へ向かいました。
にしん漁で財をなした方が建築した別邸。海を睥睨する豪壮な邸宅です。
ミュージアムでもあり、貴重な文化財が往時のくらしそのままに豪快に展示されていました。くらしの中では展示ケースに入っているわけではありませんから、至極当然のオープンな展示といえるのでしょうが、勇気を要する展示です。ありがとうございました。
にしん御殿(旧青山別邸)
3 感動の落差
ガラス工芸を堪能しました。
ガラス工芸を町おこし、あるいは社会教育的に利用するケースは多いようですが、量と質の違いを感じました。
ミュージアムとして社会教育的効果、町おこし、そして産業としての展開。
行政だけでなく、「北一硝子」という企業が中心的役割を果たしているようですので、このような多様な展開に納得しました。
ガラス工芸品販売の店を渡り歩いてみました。雪の街から店内へ。華やかさに圧倒される瞬間でした。この落差が衝撃的、といえば言い過ぎかもしれませんが、小樽の街とガラス工芸の見事な邂逅の縮図のように思われました。この瞬間が面白くて、ついつい店を渡り歩いて、時間がたってしまいました。
4 人々のクロス、そして可能性
小樽運河、さまざまな歴史的建造物、雪道を堪能しながら、小樽の街散策。人々は総体に親切で、交流を大事にしていることが感じられました。
15万の人口の小樽市を訪れる観光客が約800万人。人口比にすれば、大きな数値です。この数値は、グローバルな視界も含めて、人々のクロス、交流がさまざまな可能性として展開するであろうことを示唆しているように私には思われました。
人々の交流におけるミュージアム群の存在が印象的です。小樽の歴史の奥行き(伝統)と先を見るフロンティア(果敢な挑戦)の象徴のように私には見えました。
◇ 主要施設などの紹介
おたる博物館ロード
@市立小樽博物館 小樽市色内2−1−20
A市立小樽文学館 小樽市色内1−9−5
B市立小樽交通記念館 小樽市手宮1−3−6
C(財)北一ヴェネツィア美術館 小樽市堺町5−27
D金融資料館(旧日銀小樽支店) 小樽市色内1−11−16
Eにしん御殿(旧青山別邸) 小樽市祝津3−63
Fおたる水族館 小樽市祝津3−303
G小樽オルゴール堂 アンティークミュージアム 小樽市堺町6−13
H北の大地美術館 小樽市堺町7−22
I石原裕次郎記念館 小樽市築港5−10
ここでは、にしん御殿、小樽水族館など地理的には離れていても「小樽のミュージアム群を構成する重要な存在」として「ミュージアムロード」に含めています。
◇ 交通事情などは略しました。
ガラス工芸について知りたい場合のお勧め本
月刊「たくさんのふしぎ」1990年11月号 「ガラス 砂の宝石」 福音館書店
実にわかりやすく、しかも体系的に整理されています。