この写真はアナグリフ画像のコ−ナ−で紹介していますが、ここではこの写真を例にして立体効果と写真枠の関係をもう少し詳しく考えてみたいと思います。
まずこの写真を舞台の書き割りを見るような感じで見ていただきたい。つまり5,6枚の平面的な写真でこの立体写真が出来ていると考えてみます。一枚目は遠くに見えている人間を写したもの。二枚目は右上にある木々が写っていて、三枚目が岩の上の後ろの三人で、その次がいちばん前の人物が写っていて、それらを順番に重ねて前から見ているというイメ−ジでとらえて下さい。
前章でも説明しましたが、立体効果について別の視点から考えてみたいと思います。ここで問題にしていることは、写真のトリミングやステレオ写真のマウントにも役立つのではないかと思います。
立体写真は基本的にパンフォ−カスで撮影します。手前から遠景無限大ピントがあっていると言うことは、現実のものの見え方としてありえません。
実際、私たちが手前にある物を見ているときは遠景ではピントが合ていません。ただ、写真の様に遠景がぼけているというより焦点のあっているところのみを切り取っているような感じではないでしょうか。ところが立体写真は手前を見ても、遠くを見ても同じようにピントが合っています。何処を見てもいいんだよと言っているようです。
でも本当にそうなんでしょうか。もう少し突っ込んで考えて見ましょう。