日本語で説明できる機能に細分化します。

一般には、「ボタンのクリック」などでここでの要件になる処理(一括処理、バッチ処理などとも言う)を行なう場合、複雑な処理ではその1つのプロシージャに全機能のコードを書くわけではありません。
作成する「仕組み」はプロシージャの集合体ですね。
実際にはプロシージャの書き方をこれに従うかは別として、考え方の上では全体の処理を内部で説明がつく機能ごとに分割します。「日本語でタイトルが付けられる単位」と考えると良いと思います。
この「機能」は、サブプロシージャのイメージです。つまり、呼び出す側からはプロシージャの「機能名」と引数、戻り値しか解りません。中の細かい記述は解る必要もありません。 「機能名」で説明されている機能で処理が行なわれ、必要な結果が返れば良いわけです。
その全体は、おそらくボタンのCaptionに書き込まれたタイトルの機能になるはずです。

分割された1つの機能を、1つの「箱」として考えます。
そして「箱」と「箱」の関係は、下の図のように考えます。
制御と処理の上下関係
「制御」の箱は、その中の記述から「処理」の箱を呼び出します。「処理」の箱は、呼ばれたら単純に処理を行ないます。
「制御」の箱は、「処理」の箱を呼び出すかどうかの判断や、呼び出し方法(引数の編集や繰り返し回数)を制御し、必要であればその結果を受け取ります。



一般には、「制御」の箱は「処理」の箱の中身の詳細を知る必要はなく、処理概要(機能名?)と受け渡す値だけを認知することとします。 「処理」の箱は受け渡された値に対して必要な処理を行なって結果を返すものであって、場合によっては「処理」の箱のみでテストを行ない動作可否を明確にしておくことがあります。



ここでは「箱」は上下の2つだけですが、「制御」の箱から呼び出される「処理」は1つとは限りませんし、「処理」の箱は上から見ると「処理」ですが、その中では「制御」となってさらに細かい「処理」を呼び出すようになって、大きな処理ではツリー構造になります。上層の箱は判断・分岐や繰り返しを行ない、下層の箱は単純な作業を行なうようにしていき、その構造全体で所望する機能を構成するのです。



ここから数ページの説明ではこのような図を用いますが、一般には「モジュール構成図」などと呼びます。

何か難しそうですか? ここで説明したいのは、仕組みとして機能させるプログラム全体の設計の全体の考え方です。
いきなり細かい所から手を漬けると、全体が見渡せないばかりか、メドも立てられず、いつまで掛かるかなども判らなくなることがあります。
先に全体を見渡してしまって、現在手を漬けている場所がどの部分か、とか、あと何が残っているとかが把握できるような図式での設計方法を身につけていただきたいと思うのです。

前頁で説明しましたが、これは設計を「トップダウン」で考える方法です。(前頁を読んでいない方はこちら)
上記の「制御」の箱の機能では、そこから制御するひとつひとつの「処理」の中身は考えません。ただ、「○○処理を行なう」とだけ考えるわけです。
会社組織のようですね。社長は専務に「○○事業に着手しなさい」と指示し、専務は部長に、部長は課長に、・・・とだんだん具体的に指示していくことで大きな事業が具体的に動く形になります。
Excelのような中でもかなり複雑な業務の仕組みが組み立てられますが、これもただやみくもに作るものではなく、全体の「設計」が必要です。
初心者の方は特にですが、簡単な仕組みであっても1回このような図式の設計図を書いてみることをお勧めします。