日付から前日、翌日の日付を算出

日付を扱う場合は、「日付型(シリアル値)」への理解が大事です。
まず、データ上の「日付」がどういうものか理解して下さい。   セル上の「日付」は書式に左右されて、和暦表示だったり、西暦表示だったり、月日だけだったりしますが、「日付」として認識されているなら数式バーには日本語版Excelなら「2000/1/1」という形式で表示されるはずです。 しかし、「日付」というデータ型の実体はこのような視覚的に「年」「月」「日」が認識できるようなものではなく、「シリアル値」というものなのです。
この点の説明を「年・月・日を指定し、その日付を取り出す」の先頭に用意しましたのでご覧下さい。
「日付から年・月・日をそれぞれ取り出す」で「日付」のデータ型の理解ができていれば、簡単です。
前日・翌日の算出
(画像をクリックすると、このサンプルがダウンロードできます)
「日付」のデータ型は1日を「1」でカウントする「シリアル値」ですから、前日は元の日付から「1」を差し引き、翌日は「1」を加算するだけで算出できます。
R1C1参照形式の場合は

 =R2C2-1
となります。

日付から前月同日、翌月同日の日付を算出

締日などの算出で「前月同日」「翌月同日」の日付を算出するなどはよく発生することだと思います。
これらは以前のページの説明の応用でできることですね。
前月同日・翌月同日の算出
この式は先の「年・月・日を指定し、その日付を取り出す」の応用で「月」の部分を加減させています。
2017/01/20」の前月だと、この方法では「2017/00/20」というような計算になるのですが、 これは正しく「2016/12/20」になるわけです。
R1C1参照形式の場合は

 =DATE(YEAR(R2C2),MONTH(R2C2)-1,DAY(R2C2))
となります。

さて、Excel2007以降(*.xlsx、*.xlsm)ではEDATE関数が追加されました。
ここで行なっている計算式が、
前月同日・翌月同日の算出
このようにコンパクトな式で処理できることになります。
1引数が「起算日付」、第2引数が「月数(マイナス可)」です。
R1C1参照形式の場合は

 =EDATE(R2C2,-1)
となります。

月末日の処置の場合は日が「31」の月の場合は、
前月同日・翌月同日の算出
このようになるのですが、月末日で利用しようとすると、例えば「2017/02/28」を指定すると前月、翌月も「28」日になってしまいます。 このため月末日の処置の場合は「月初日から1を差し引く」という処置(対応)は必要なようです。
逆に「従来方式」の方はというと、
前月同日・翌月同日の算出
このように翌月の方が「2017/02/28」ではなく「2017/03/03」になってしまいました。 これは式の上では「2017/02/31」を指定しているための補正が影響したためです。

日付から6ヶ月後の翌日を算出

これは当サイトに質問を頂いた例です。質問は「指定日から6ヶ月後の日付の翌日」でした。
日付から6ヶ月後の翌日を算出
この画像のサンプルのように指定日が月末日時は6ヶ月後も月末日として翌日は「1日」としたいわけですが、 単純に先に6ヶ月後を算出する手続きだと算出日は「8月29日」になってしまいます。
ここでのやり方は先に「翌日」を算出してから「6ヶ月後」を算出するという方法を採れば良いことになります。
R1C1参照形式の場合は

 =EDATE(R2C2+1,6)
となります。

ついでに年間各月の月末日を算出

EDATE関数の方は「31日」の月からなら各月の月末補正が行なわれるので、 例えば年間各月の月末日を計算するような用途であれば、
年間各月の月末日を計算
このようにEDATE関数なら月末補正が行なわれるので便利です。
B2セルに年を入力するだけでその年の各月の月末日がD列に算出されるのですが、 一旦、B3セルにその前年の1231日の日付を算出させていて(白文字なので見えません)、 そこからEDATE関数の第2引数に1から12を指定することでこの結果を得ています。
(第2引数はC列の月表示から取っています)

但し、EDATE関数で「月末補正」が行なわれるのは起算日が「31日」の時だけです。
本来、「起算日からnヶ月後の月末日」を算出するのは「EOMONTH関数」です。
年間各月の月末日を計算
1つ上の画像と同じ結果になっていますが、B3セルは前年の121日の日付にしてあります。
このEOMONTH関数もExcel2007以降で追加された関数です。