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2003年 月見祭

年に一度、男たちが奮い立つ!!
               村を離れて一年を過ごしてきた友が、
帰ってくる。

子供のころに戻るために。
ガキ大将だったあいつも・・
いじめられっ子だったあいつも・・

みんな笑顔で戻ってくる。
藍染のはっぴを身に纏い、男たちが集まる。
担ぎ出し

青年団員が配るお神酒を手に取る。
幹事長の「乾杯!」で一気に飲み干す。
太鼓が満を持して、打ち鳴らされる。

総重量3トン。前後あわせて56人が担ぐ。
持ち上げるだけなら、一人60kg。・・・

しかし、上下にしゃくりながら歩くとその肩には150kg以上の重みがかかる。

顔がゆがむ。

汗がにじむ。
200mを練り歩くのが限界だ。
交代の笛で一気に腰切る。

太鼓台をおろさないように順番に
メンバーが入れ替わる。
まずは中から6人・・・両端に重みがかかる
・・・必死で支える!

次は3番棒・・・次は2番棒・・・
先頭と最後尾の一番棒が入れ替わり、
新しいメンバーで一気に腰を切り・・・歩き出す。

中に乗る小学校6年生の男の子たちの、太鼓と歌にあわせて歩みを進める。
太鼓台は、街道を進む。

入れ替わりの合間が、また にぎやかである。
花吹雪が祭りを盛り上げる。
世代が受け継がれてゆく・・祭りには年齢を超えたつながりがあります。法被がみんなをひとつにするのではなく、まとまった心がひとつの法被に現れる。
法被の袖を通すとき・・言い知れぬ興奮に気付く。やはりこの祭りは男の世界の産物なのだ。
写真:澤田裕子 文:和田英勝

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