ピーというノイズ音を除去する方法

<用意するもの>
Audacity
 フリーのサウンド・エディタ。
こちらのページからダウンロードできます。

『Audacity』のプラグイン(LADSPA plugins)
 『Audacity』のプラグイン。上記『Audacity』のページからダウンロードできます。

WaveSpectra
 フリーの音声スペクトルアナライザーソフト。こちらのページからダウンロードできます。

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(0)『WaveSpectra』の設定
 まぁ設定なんてものは、使いながら自分に一番分かりやすくて使いやすいように、あれこれやっていけばいいのですが、私がこうして使っているという事を参考までに。右上の「スパナ・マーク」をクリックすると「設定画面」が出ます。
     
(1)テスト用ファイルの作成
 テスト用ファイルは、除去(低減)する周波数を特定するために使います。長さは10秒もあれば充分なのですが、声(音)と声(音)の間の、無音(かそれに近い)の部分が多いほど、作業は楽に、正確にできます。音声ファイルをカットする方法はいろいろとあるので、分からない場合は各ソフトのヘルプ等で調べてみてください。もちろん『Audacity』でも出来ます。
 作成したテスト用ファイルは適当な名を付けて保存します。ファイルの種類は必ず“wave形式”にして下さい。ここでは“test51.wav”とします。下記の部分をクリックしてみてください。「ピー」というノイズが相当ひどいですね。
 test51(元音源)を再生する
     
(寄り道)『Audacity』のノイズ除去機能
 『Audacity』にはノイズ除去の機能が付いています。テストファイルを開き、「編集」>「選択」>「全て」さらに「効果」>「ノイズ除去」と試してみます。
 test52(ノイズ除去後)を再生する
 確かに「ピー」というノイズ音は取れましたが、肝心の噺家さんの声まで、変化してしまい、機械っぽいモコモコした音になってしまいました。これでは使い物になりません。全自動だと、余計なことまでしてしまうのです。そこで「ピー」というノイズを除去(低減)することに目的を絞って、手作業でする方法を以下記述します(あくまでも『私流』ですが…。
     
(2)元音源の波形を見る
 とりあえず『WaveSpectra』で元音源(ここでは“test51.wav”)の波形を見てみることにします。5200Hz付近(まる1)と5900Hz付近(まる2)とに不自然なピークがあります。このピークは再生位置を動かしても消えることはありません。これが“ピー”というノイズ音の正体と思われます。このピークは2箇所とは限りません。1箇所のこともあれば3箇所以上のこともあります(念のため)。
     
(3)ノイズ音の周波数を特定しやすくする
1.『Audacity』を起動し、元音源のファイル(ここでは“test51.wav”)開きます。
2.「編集」>「選択」>「全て」を選択します。
3.「効果」>「Multiband EQ」を選択します。左の様にイコライザでノイズ音の周波数(今回の場合5200〜5900Hzくらい)近辺以外の数値を軒並み最低値まで低減するよう設定します。『プレビュー』で試験再生してみて、人間の声がほとんど聴こえなくなり、『ピー』とか『ツー』とかいう音のみの状態になったらOKです。
 本当は、「HighPass filter」を使った方がスマートにいくのですが、プラグインのこのフィルターは性能がイマイチで充分なカットが出来ないので、あえてこのような手法を使っています。
4.「ファイル」>「別名で書き出し」で別のファイル名(ここでは“test53.wav”とする)で保存します。
 『Audacity』は「終了」させないで、そのままにしておきましょう。
     
(4)ノイズ音(まる1)の周波数を特定する
1.『WavaSpectra』を起動し、前の項で保存した音声ファイルを開きます。
2.再生し、適当なところで一時停止にします。最大レベルの周波数部分が表の上部に赤い短い線で示されます。左画像では、ノイズ音部分(まる1)が最大レベルとなっています。表の左「Max」の上段の数値が(まる1)の周波数です。この数値(ここでは5178.7Hz)はメモしておきましょう。
3.「位置指定」ダイアログで位置をずらし、数箇所同様に数値を読み取ります。この場合(まる1)の近辺で「5157.2Hz,5168.0Hz,5178.7Hz,5189.5Hz」の4つの数値が読み取れました。最大値と最小値の中間値「5173.4Hz」を(まる1)部分の周波数と特定します。
     
(5)『Audacity』でイコライジング前の状態に戻す
1.「編集」>「Maltiband EQをアンドゥ」で、音声ファイルをイコライジング前の状態に戻します。
     
(6)ノイズ音(まる1)を除去する
1.「効果」>「Single band parametric」を選択します。
2.セッティングで、上段は増減dB、減じるレベルを設定しますが、だいたい“-60”位でほとんどまったく聴こえなくなります。ここでは念のため“-70”としました。
3.中段は、増減する周波数の中央部分の数値です。ここでは(4)で求めた数値“5173.4Hz”とします。
4.下段は、増減する周波数の幅です。なるべく小さな値にした方が、ピンポイントでノイズ音を除去でき、ノイズ以外の音に影響を与えないで済むのですが、ノイズ音周波数の微妙な変化に対応できなくなる怖れもあり設定の難しいところです。ここでは“0.0025”としました。
5.「プレビュー」で試験再生してみて、最良の状態になるよう、いろいろ調整してみてください。
6.「ファイル」>「別名で書き出し」で別のファイル名(ここでは“test54.wav”とする)で保存します。やはり『Audacity』は「終了」させないで下さい。
     
(7)視聴してみます
 『WavaSpectra』で視聴と波形のチェックをします。下記クリックを。
 test54(ここまでの結果)を再生する
 test51(元音源)を再生する
 元音源よりは、かなりノイズ音が減ったようですが、まだ「ピー」というノイズ音が気に触る状態です。左画像で見ると、(まる1)はキレイに取れたようですが、(まる2)の山が残っているのが分かります。以下、(まる2)のノイズを除去します。
     
(8)ノイズ音(まる2)の周波数を特定する
1.手順は(まる1)と同じです。『Audacity』は(まる1)のノイズ音をのみを取り除いた状態になっていると思います。(3)ノイズ音の周波数を特定しやすくするの作業を同様にしてください。イコライジングしたファイルは別名で保存してください(ここでは“test55.wav”とする)
2.(4)ノイズ音(まる1)の周波数を特定すると同様に、(まる2)の周波数を特定してください。ここの場合は「5878.6Hz,5889.3Hz,5900.1Hz,5910.9Hz」の4つの値が読み取れました。中間値の「5894.8Hz」を(まる2)の周波数と特定します。
     
(9)ノイズ音(まる2)を除去する
1.作業は(まる1)の場合と同様です。(5)『Audacity』でイコライジング前の状態に戻す(6)ノイズ音(まる1)を除去する、と同じ手順で(まる2)のノイズ音を除去します。中段の周波数の値は、ここの場合(8)で算出した「5894.8Hz」とします。
 完了したらファイルを保存します。ファイル名“test56.wav”とします。
     
(10)再びチェック
1.『WavaSpectra』で視聴と波形のチェックをします。下記クリックを。
 test56(ここまでの結果)を再生する
 test54(“まる1”のみ除去)を再生する
 test51(元音源)を再生する
 test54と較べてもかなりノイズ音が減りました。左画像、(まる1)の所と(まる2)の所でボコンと大きく凹んでますが、人間の耳で聴く限りはそれほどの不自然さはないと思います(少なくとも私には)
  
(11)もう少し極めよう
1.(まる1)(まる2)の除去(低減)で、まあまあ聴ける音になったと思いますが、もう少し極めてみましょう。『WavaSpectra』で“test56.wav”の波形を細かく見てみると、5000Hzあたりに気になるピークがあります。“test56.wav”のファイルを(3)の手法であれこれイコライジングして、5000Hz付近を見てみると明らかにピークがあります(左画像)。これはノイズ音でしょうか?これを(まる3)とします。
 (4)の手法で「4995.7Hz,5006.5Hz」の値が得られました。中間値を“5001.1Hzとして『Audacity』で「Single band parametric」を実行します。
 test57(ここまでの結果)を再生する
 test56(“まる2”まで除去)を再生する
 test51(元音源)を再生する
 自然な雰囲気を残したままで、「ピー」というノイズだけキレイに除去できました。なかなか良い出来です(←自画自賛)
  
(12)オリジナルファイルを変換
1.長かったですけれど、下準備はこれで終了です。『Audacity』でカット前のオリジナルファイルを開いてください。
2.(6)と(9)の手順と同様です。「効果」>「Single band parametric」を選択し、テスト用ファイルを使って算出した、ノイズ音の周波数(ここでは“まる1”から“まる3”までの三種)を除去(低減)します。これで完了です。

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