美術作品制作協力のお願い(1997.10.16)

美術家・荒井真一

*********あなたが後世に伝えたい出来事を教えてください。
たとえば、

1963/11/9 三池三川鉱爆発事故

1965/4/24 ベ平連、初のデモ

1986/4/8 岡田有希子自殺

というような形で、あなたにとって重要な日と出来事をお教えください。それが個人的な出来事であっても、あなたにとってはどうしても後世に語り伝えなければならないと思われること(教科書に載せたいと思うような出来事と言ってもいいと思います)をお教えください。ただし、1945年8月15日の日本の敗戦から今日までの間でお願いします。

*********その出来事をわたしの作品で使いたいと思います。
1997年10月26日(日)から11月3日(祝)まで、東京のお台場の原っぱで行われる「東京湾トラッシュライブ '97」展に、わたしは「漂泊者とその影---隠蔽された歴史」という作品を出します。

*********この作品は100個(予定)のキティちゃん人形(高さ4cm )から成り立っています(左写真はプロトタイプ)。
このキティはお腹にプリントクラブで複写された現天皇ファミリー(天皇、皇太子、その弟一家勢揃い)のシールを貼られています(つけ加えると、その一家の写真の中央には一万円札がコラージュしてあります)。そしてプリクラのシールの余白にはたとえば19590507というような数字が書き込まれています。キティは頭がもげるようになっていて、無理に頭をもぐとその中に小さい紙片が入っていて、そこには小さい文字でたとえば「19590507 荒井真一、荒井フデ子のヴァギナから出てくる」と書いてあります。この作品は、会場周辺の色々なところに設置されます。会期が終わってもそれらは回収されません。あるものは子供に持ち去られ、あるものは泥まみれになって、朽ちないビニールとしてお台場の土として堆積していくでしょう。

**********作品の簡単な説明
誰にとっても反対することの難しいソフトな権力としての「金、かわいいもの、象徴天皇制的模範的家族」の遍在(あるいは監視)と、そのことによって隠蔽されてしまった血の流れるあたたかい記憶、歴史がテーマです。

**********協力された方には
あなたの出来事を体の中に隠蔽しているキティのレプリカと、本物が設置された状況を撮ったドキュメントをさしあげます。

**********1997年10月23日(木)
までにメールでお送りください。


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