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    ローマ人への手紙講話

〈27〉挨拶と頌栄(3)つまずきを与える人々に警戒せよ

ローマ人への手紙16:17-27

 17さて兄弟たちよ。あなたがたに勧告する。あなたがたが学んだ教にそむいて分裂を引き起し、つまずきを与える人々を警戒し、かつ彼らから遠ざかるがよい。18なぜなら、こうした人々は、わたしたちの主キリストに仕えないで、自分の腹に仕え、そして甘言と美辞とをもって、純朴な人々の心を欺く者どもだからである。19あなたがたの従順は、すべての人々の耳に達しており、それをあなたがたのために喜んでいる。しかし、わたしの願うところは、あなたがたが善にさとく、悪には、うとくあってほしいことである。20平和の神は、サタンをすみやかにあなたがたの足の下に踏み砕くであろう。どうか、わたしたちの主イエスの恵みが、あなたがたと共にあるように。

21わたしの同労者テモテおよび同族のルキオ、ヤソン、ソシパテロから、あなたがたによろしく。 22(この手紙を筆記したわたしテルテオも、主にあってあなたがたにあいさつの言葉をおくる。)23わたしと全教会との家主ガイオから、あなたがたによろしく。市の会計係エラストと兄弟クワルトから、あなたがたによろしく。24〔わたしたちの主イエス・キリストの恵みが、あなたがた一同と共にあるように、アァメン。〕  

25,26願わくは、わたしの福音とイエス・キリストの宣教とにより、かつ、長き世々にわたって、隠されていたが、今やあらわされ、預言の書をとおして、永遠の神の命令に従い、信仰の従順に至らせるために、もろもろの国人に告げ知らされた奥義の啓示によって、あなたがたを力づけることのできるかた、27すなわち、唯一の知恵深き神に、イエス・キリストにより、栄光が永遠より永遠にあるように、アァメン。

講話

Ⅰ、つまずきを与える人々を警戒せよ

 ★天地創造の時代、アダムの妻エバがヘビ(サタン)の誘惑に負けて、

善悪を知る木からその実を取って食べて罪を犯し、夫アダムにもそれを与えて食べさせ、最初の人間アダムを罪に陥れた様に、人間に罪を犯させるサタンがこの世に存在し、そのサタンがこの世を支配していると聖書は言っています。

 ★主イエスが公生涯を始められるに当たって、40日40夜断食をされた後、サタンの誘惑を受けられました。そのサタンの最後の誘惑は、「私を拝むなら、地上の栄華のすべてをあなたに与えよう」というものでした。サタンは、人類救済事業のためにこの世に来られた主イエスにサタン礼拝をさせて、その事業を挫折させようと目論見ました。キリストに対してそのようなことをしでかしたサタンが、私たちキリスト者をもつまづかせようとしない筈がありません。

 ★この世はサタンの支配下にあります。

 「また、わたしたちは神から出た者であり、全世界は悪しき者(原語=単数形でサタンのこと)の配下にあることを、知っている。 」(Ⅰヨハネ5:19)。

 ★サタンは、この世の人々の目をくらませ、神の真理から目を背けさせ、みんなが通る大きな門をくぐり、広い歩きやすい道を通らせて、火と硫黄の燃える永遠の地獄へといざなっています。

 ★サタンはこの世の人々だけでなく、キリスト教会にまで入り込んできて、キリスト信徒に、正しい福音の教えに背く異端の教えを信じさせようとします。「自分は、サタンの惑わしなどには絶対屈することはない」と言う資格のある信仰者は一人もいません。

 ★サタンは羊の皮をかぶった狼の様に、偽装してキリスト教会の中に入り込んで来ることがあります。この世に生きている限り、サタンとの闘いを免れることは出来ません。

 「ヘビの様にさとく、鳩のように素直でありなさい」(マタイ10:16)と言われた主イエスのように、パウロも「善にはさとく、悪にはうとくあってほしい」(19節)と言っています。そのためには、聖書を日々広く深く愛読し、祈って絶えず、神の守りと導きを求めることです。

 ★旧約聖書に本物の預言者が偽の預言者に騙された話が出ています。当講話〈23〉(2)でも取り上げたⅠ列王13章の話です。ソロモンの息子のレハブアムの時代に、王国が南北に分裂し、北にヤロブアムを王とする王国が出来ました。この北王朝のヤロブアムが金の子牛像を拝んでいる所に、本物の預言者神の人が南王朝ユダがら神の命を受けてやって来ました。彼は、金の子牛像の祭壇に向かって、「ダビデの家に生まれるヨシヤ王が、お前の祭壇の上で偶像の祭司の骨を焼く」と預言してユダに向かって帰って行きました。

 ★この話を聞いた北王朝の老預言者が、神の人の後を追い、追いついて、「私も預言者だが、『あなたを連れ帰ってパンを食べさせ水を飲ませよ』と言う神の言葉を受けた」と偽って、神の人を連れ帰って自分の家で食事をさせました。

 ★この神の人は、「北王朝のベテルで食事してはならない」と神の命令を受けていたにも拘わらず、偽預言者の言葉を真に受けて、食事してしまい帰り道でライオンに襲われ、いのちを落としました。この老預言者は、息子たちに「あの神の人の預言の言葉は本当だ、私が死んだなら、あの神の人と同じ墓に葬ってくれ」と遺言しました。

 ★ユダ王朝のヨシヤ王の時代に、この神の人の預言は成就しました。ヨシヤ王は、偶像の祭司の骨をそのベテルの祭壇の上で焼きました。その時、その神の人と老預言者が一緒に葬られた墓が見つかりましたが、その二人の骨はそのままに置かれ、掘り起こされることはありませんでした。

 ★主イエスが、毒麦のたとえで、刈り入れの時まで毒麦と麦とは分けられることは無いと言われた様に、終わりの日に裁かれるまで、偽預言者の骨はそのままに置かれました。

 ★サタンに属する偽預言者が、神の人をダマしてつまずかせ、ライオンによって命を落とさせた様に、この世は私たちキリスト者をつまずかせ、罪を犯すように仕向けます。

 ★主イエスが言われた様に、「ヘビのようにさとく、鳩の様に素直でなければなりません」(マタイ10:16)。そのためには、神の言葉聖書に親しみ、「誘惑に陥らない様に祈り」(マタイ26:41)、異端の教えが異端であることを速やかに察知し、異端の教えから遠ざからねばなりません。

Ⅱ、祝祷と頌栄

 ★このロマ書の終わりに出てくる祝祷と頌栄は、ユダの書の終わりに出ている頌栄とよく似ているので、それと一緒にこの16:25-27を学びます。

 ★ユダの手紙24,25はこうなっています、

 「24あなたがたを守ってつまずかない者とし、また、その栄光のまえに傷なき者として、喜びのうちに立たせて下さるかた、25すなわち、わたしたちの救主なる唯一の神に、栄光、大能、力、権威が、わたしたちの主イエス・キリストによって、世々の初めにも、今も、また、世々限りなく、あるように、アァメン。 」

 ★この二つの頌栄から、私たちキリスト者を力付け、つまずかない様に守ることの出来るお方は、主イエスの父なる神であり、この神はパウロの宣べ伝える福音によって、私たちを力付け、サタンの惑わしである異端の教えから私たちを守って、つまずかない様にして下さるという確信を与えて下さいます。

 ★そしてこの福音は、長い間代々に亘って隠されていましたが、イエス・キリストの宣教によって今や現わされた神の奥義であると言われています。この奥義は、救い主イエス・キリストご自身の様に、心のへりくだった幼子の様な心をもつ人にのみ理解され、信じられ、受け入れられる神の啓示です。

 ★イエス・キリストの十字架の福音は、世の人々には愚かな話であり、ユダヤ人にはつまづきとなる話ですが、へりくだった心で信じ受け入れる者には、神の力であり、永遠の命です。

 ★この世の7,80年の人生を、成功したビジネスマンとして、有名な政治家、医者として華やかに送り、富と名誉と権力を手に入れても、永遠の命を失ったのなら、その一生に何の価値がありましょう。

 ★一生を振り返って、我が人生に悔いなしと自信をもって告白できるこの世的に幸せな人生でも、神の御前で永遠の滅びを宣告される人生であるなら、その様な人生に何の意味がありましょう。

 ★これに対して、世の人々の目には不幸で、惨めな乞食のラザロさんの様な人生(ルカ16:19−31)でも、この世の短い人生の次の世で、神の御国の市民として迎えられ、永遠の平安と喜びの天国の命をイエス・キリストによって与えられるなら、地上の7,80年の人生が苦しみと恥の人生だったとしても、それがどれほどの損害だったと言えるでしょうか。

 ★自分の生みの親を知らずに大人になった人々は、自分がどんな親から生まれたのか知りたがります。それなのに、世の大多数の人々は、世界と人間の造り主であり、自分の真の父であられる神を知ろうとせず、自分が人間として生きるべき本当の意味、人生の目的を知らず、知ろうともせず、自分の欲望のままに生き、その人生に疑問も持たずに一生を終え、死後そして、世の終わりの日に、神の裁きの前に立たされることになります。

 ★天地の造り主であられる父なる神と世界唯一の救い主イエス・キリストを信じる信仰と、天の御国の永遠の命とを与えられた私たちキリスト者は幸いです。

 ★パウロは、「私がキリストにならっているように、私に習うようになりなさい」(Ⅰコリント11:1)と言っています。また「キリストにある全き人を目指して、自分のからだをムチ打ちながら主のみ言葉に従っている」と言っています(1コリント9:27)。私たちの人生の目的は、キリストに似た者になることです(ロマ8:29)。

 ★そのためには、新旧両約聖書を忍耐強く読み学び、神が私たちに何を望んでおられるかを祈りのうちに学んで行かねばなりません。ひな鳥が親鳥からかみ砕いた食べ物をもらうように、いつまでも人がかみ砕いたやわらかい食物を食べ続ける事で満足して、自分でみ言葉を読んでかみ砕いて消化する訓練を続けないと、キリスト者として霊的に成長することは出来ません。

 ★宗教改革者ジャン・カルバンが書き上げたキリスト教綱要という全4巻の大作があります。三位一体の神とその教会について、聖書に基づいて詳しく解き明かした書です。カルバンが生涯を掛けて聖書から学んだ教理の書です。

 ★50数年前、筆者の神学校時代、学生の中にこのカルバンの綱要全巻を数回読破したことを誇っている学生がいました。しかし、彼から聖書を同じ熱意で読み続けているという話は聞きませんでした。カルバンの綱要はカルバンの聖書理解です。この綱要を読んで聖書を読んだ気になってはいけません。カルバンの綱要はあくまでも聖書研究の参考書の一つとして読まなければなりません。

 ★主イエスは、御生涯を通じて言葉と行いによって、神の御心と救いの道を示してくださいました。主イエスは聖書全巻は私について語っている」と言われました(ヨハネ5:39)。キリストをよく知り、その永遠の命を豊かに受けるためには、あくまでも聖書そのものを善く学ばなければなりません。

聖書
 「 あなたがたは、聖書の中に永遠の命があると思って調べているが、この聖書は、わたしについてあかしをするものである。 」 ヨハネ5:39



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キリスト紀元2019年 11月 23日公開

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