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    ローマ人への手紙講話

〈26〉挨拶と頌栄(2)キリストにあって練達したアペレによろしく

ローマ人への手紙16:1-16

1ケンクレヤにある教会の執事、わたしたちの姉妹フィベを、あなたがたに紹介する。2どうか、聖徒たるにふさわしく、主にあって彼女を迎え、そして、彼女があなたがたにしてもらいたいことがあれば、何事でも、助けてあげてほしい。彼女は多くの人の援助者であり、またわたし自身の援助者でもあった。3キリスト・イエスにあるわたしの同労者プリスカとアクラとに、よろしく言ってほしい。

4彼らは、わたしのいのちを救うために、自分の首をさえ差し出してくれたのである。彼らに対しては、わたしだけではなく、異邦人のすべての教会も、感謝している。5また、彼らの家の教会にも、よろしく。わたしの愛するエパネトに、よろしく言ってほしい。彼は、キリストにささげられたアジヤの初穂である。6あなたがたのために一方ならず労苦したマリヤに、よろしく言ってほしい。 7わたしの同族であって、わたしと一緒に投獄されたことのあるアンデロニコとユニアスとに、よろしく。彼らは使徒たちの間で評判がよく、かつ、わたしよりも先にキリストを信じた人々である。 8主にあって愛するアムプリアトに、よろしく。 9キリストにあるわたしたちの同労者ウルバノと、愛するスタキスとに、よろしく。 10キリストにあって錬達なアペレに、よろしく。アリストブロの家の人たちに、よろしく。11同族のヘロデオンに、よろしく。ナルキソの家の、主にある人たちに、よろしく。 12主にあって労苦しているツルパナとツルポサとに、よろしく。主にあって一方ならず労苦した愛するペルシスに、よろしく。 13主にあって選ばれたルポスと、彼の母とに、よろしく。彼の母は、わたしの母でもある。14アスンクリト、フレゴン、ヘルメス、パトロバ、ヘルマスおよび彼らと一緒にいる兄弟たちに、よろしく。 15ピロロゴとユリヤとに、またネレオとその姉妹とに、オルンパに、また彼らと一緒にいるすべての聖徒たちに、よろしく言ってほしい。 16きよい接吻をもって、互にあいさつをかわしなさい。キリストのすべての教会から、あなたがたによろしく。

講話

Ⅰパウロの挨拶
 ★このローマ人への手紙という長い手紙の終わりに近づいて来て、著者パウロはローマ教会にいる知人に挨拶を送り、誰それによろしくと続けています。

 ★パウロの挨拶の言葉は1:7にも記されています。「私たちの父なる神と主イエス・キリストから、めぐみと平安があなたがたにあるように」。パウロは恵みと平安を願う挨拶をすべての教会に送っています。

 ★主イエスは「神を愛することと、隣人を自分と同じように愛することが、一番大事な戒めであり、私の小さな兄弟の一人にしたことは私にしたことです」と言われました(マタイ25:40)。パウロはこの主の教えに従って、全ての主にある兄弟姉妹一人一人を愛し、その一人一人のために主にある平安と祝福を祈っています。

Ⅱ、ケンクレアの教会の執事フィベ
 ★フィベという名はギリシャ神話に起源を持ち、月の神アルテミスの別名で「輝けるもの」という意味です。この名からフィベは異教徒出身のキリスト者であることが分かります。

 ★彼女は、ローマ教会にこの手紙を届けたグループの主要人物で、ケンクレア教会の執事でした。ケンクレアはコリントの近くの港町でした。この人は、多くの人々を助け、パウロ自身もその助けられた人の一人でした。

 ★この人に必要な助けは、何でもかなえてやってほしいとパウロは言います。ローマ人への手紙という重要な手紙を託されたこの女性は、偉大な聖徒の一人でした。

Ⅲ、プリスカとアクラ3節)
 ★プリスカが妻でアクラが夫のキリスト者夫婦です。プリスカが異邦人で、アクラがユダヤ人です。夫アクラは、テント職人としてパウロと同業者でした。パウロとアクラは、テント職人という仕事を共にすることで知り合いました。場所はコリントです。プリスカとアクラは、元々ローマの住人でしたが、ローマ皇帝の勅令によって、ローマを追放されてコリントに来ていました。

 ★パウロは、テント職人という仕事をしながら、福音伝道に励んでいました。パウロが、テント職人という仕事を通じて知り合ったアクラとその妻プリスカとをキリストに導いたと言うことは素晴らしいことです。この二人は、パウロの語る福音に耳を傾けたことによって救いに導かれましたが、彼らを救いに導いたものは、彼の語る言葉だけでなく、彼の生活態度とキリストに似た品性と、それに接する夫妻の心に働いてくださった聖霊なる神の御業でした。

 ★この二人の信仰の成長は目覚ましいもので、その後出会ったアポロという名の説教者にイエス・キリストの福音を詳しく教えて、彼を有力な福音伝道者に育て上げました(使徒18:24-28

 ★彼らプリスカとアクラは、パウロの命を救うために自分の首を差し出した、パウロの命の恩人であると、パウロ自身が語っています(4節)。

 ★この夫婦が、パウロの命を救ったのは、使徒19章のアテネでの暴動事件の時のことであろうと言われています。 この時、アテネの銀細工職人デメテリオの扇動によって、アテネ市民が大騒ぎを起こして、パウロの同行者を捕らえた時、パウロは彼らの前に出て弁明しようとしました。その時、人々が彼を押しとどめたことが使徒19:30に出ています。この際に、大きな働きをしたのがプリスカとアクラと考えられます。

 ★5節「また、彼らの家の教会によろしく」。プリスカとアクラは、彼ら夫婦の行く先々で、福音を伝え、家の教会を造っていたようです。彼らの職業はテント造りですから、集まってくる人々の数に合わせ、自由自在にテントの大きさを変えることが出来ました。

 ★新約聖書時代の教会の伝道活動は、あくまで自発的であって、上からの強制によるものではありませんでした。韓国のチョウ・ヨンギ師の教会が、家の教会形式の小グループ伝道によって世界最大規模の教会に成長したと聞いて、それを真似て小グループ活動を取り入れる教会が我が国にも見られます。その活動が、信徒の側の自発的なものであるなら問題ありませんが、「教会・教団の指導部が決めたことだからこの方針に従え」といった高圧的なものであれば、そこには祝福を期待することは出来ません。

 Ⅳ、キリストにあって練達したアペレによろしく

 ★教父オリゲネスが、このアペレはアポロの事だと言っています。そのアポロとは、プリスカとアクラによってキリストについての正しく十分な信仰に導かれた福音伝道者です。このアペレがアポロのことであるなら、このアポロは夫妻の指導に謙虚に従うことによって、大きく成長し、更に信仰故の迫害にも耐え忍んで、主にあって練達した、まれにみる優れた信仰者・伝道者となったと考えられます。

 ★アペレがアポロのような伝道者ではなく、一般信徒の一人だったとしても、「キリストにあって練達したアペレ」とパウロに認められる、優れたキリスト者であったようです。

 ★「キリストにあって練達した」という言葉から、Ⅰペテロ1:3−9のみ言葉を思い起します。

 「3ほむべきかな、わたしたちの主イエス・キリストの父なる神。神は、その豊かなあわれみにより、イエス・キリストを死人の中からよみがえらせ、それにより、わたしたちを新たに生れさせて生ける望みをいだかせ、4あなたがたのために天にたくわえてある、朽ちず汚れず、しぼむことのない資産を受け継ぐ者として下さったのである。5あなたがたは、終りの時に啓示さるべき救にあずかるために、信仰により神の御力に守られているのである。6そのことを思って、今しばらくのあいだは、さまざまな試錬で悩まねばならないかも知れないが、あなたがたは大いに喜んでいる。 7こうして、あなたがたの信仰はためされて、火で精錬されても朽ちる外はない金よりもはるかに尊いことが明らかにされ、イエス・キリストの現れるとき、さんびと栄光とほまれとに変るであろう。8あなたがたは、イエス・キリストを見たことはないが、彼を愛している。現在、見てはいないけれども、信じて、言葉につくせない、輝きにみちた喜びにあふれている。 9それは、信仰の結果なるたましいの救を得ているからである。 Ⅰペテロ1:3−9

Ⅴ、主にあって選ばれたルポスとその母によろしく
 マルコ15:21に

 「そこへ、アレキサンデルとルポスとの父シモンというクレネ人が、郊外からきて通りかかったので、人々はイエスの十字架を無理に負わせた。

とあります。

 ★ルポスの父シモンは、たまたまそこを通りかかっただけなので、何が何だか分からないうちに、無理矢理に主イエスの十字架を担がされました。シモンは、この稀有な体験を通して後にキリスト信仰者となり、彼の息子アレキサンデルとルポスは、その後のキリスト教会で名の知られた人物となりました。

 ★突然、有無を言わせず、ローマ兵から十字架を担がされた時、シモンは、迷惑な不名誉な仕事をさせられたものだと思っていたかも知れません。その十字架を担ぐ体験の後、彼がどのようにしてキリスト信仰に導かれたかは分かりませんが、悔い改めてキリスト者となった時、自分が如何に光栄で名誉ある仕事を授かったのかを知って、心の底から主に感謝し、主をほめたたえたことでしょう。また、アレキサンデルとルポスにとっても、人類の救い主イエス・キリストの十字架を担いで、主の御足の後に従ったという父親の体験談は誇らしい話だったことでしょう。

 ★13節でパウロは、「主にあって選ばれたルポスと、彼の母とに、よろしく。彼の母は、わたしの母でもある」と言っています。ルポスの母、つまり十字架を担いだシモンの妻もキリスト者であって、使徒パウロに対して母親の様な暖かい心使いをもって奉仕し、世話をしていたので、パウロはルポスの母を自分の母のように愛し、尊敬していることをここに言い表しています。

 ★主を信じて仕える群れを指して、「私の兄弟、姉妹、母」と呼んだ主イエス(マタイ12:46-50)に習って、パウロも同信の友らを主にある兄弟、姉妹、母と呼んで主にある愛を育んでいました。

聖書

 「すると、王は答えて言うであろう、『あなたがたによく言っておく。わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにしたのは、すなわち、わたしにしたのである』。 」 マタイ25:40



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キリスト紀元2019年 11月 16日公開

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