房州うちわ
2008年6月24日、館山市舟形にある、市の生涯学習施設「若潮ホール」で開催中の、『房州うちわ_技の伝承展』をみてきました。
「房州うちわ」はもちろん、各種うちわの実物が展示されてます。
期待していた「房州うちわ」の製作工程の実演はありませんでしたが、写真と工程ごとの制作道具が置いてあります。
説明文によると、「日本三大うちわ」として、1.房州うちわ 2.京うちわ 3.丸亀うちわ があり、それぞれの特徴は、
房州うちわ・・・竹の丸みそのままを活かした「丸柄」と46〜64等分に割いた骨を糸で編んで作られる半円で格子模様の美しい窓。
京うちわ・・・中骨と一体ではなく、後から取り付けられる木製の柄。
丸亀うちわ・・・柄は、竹を割いて平らにして削ってある。
とりあえず、展示してある「うちわ」の一部を見てみましょう。
『房州うちわ_技の伝承展』見学記
どれもみなきれいですね。下段左から2番目が「京うちわ」、下段右二つが「丸亀うちわ」です。(下段右から2番目は家にあった!ものです。)
製法、歴史などは、「房州うちわ」の検索で容易に調べることができます。
それによると、材料として重要なのは、やはり「竹」のようです。「房州うちわ」の場合は、骨組みに「女竹」、「弓」の部分には「真竹」と使い分けしています。また、「丸亀うちわ」が「真竹」を割いて、平らな部分を使うのに対し、「房州うちわ」は、「女竹」を割かずに、丸いまま使います。
両方使ってみましたが、丸い柄の「房州」のほうが扇ぎやすい気がします。「京うちわ」は柄を差し込んでいるので、やはり、耐久性に欠けるのでは?と思います。
今回初めて気がつきましたが、「房州」の柄の先端は、木片(ねこやなぎ)が埋め込まれ、なおかつ塗装されているのです。試してみてわかりましたが、この先端部分は、扇ぐとき、手のひらの内側に当たるので、カットされたままでは、しばらくすると痛くなってきます。
先端に埋め込むことは、カビの発生を防ぐ意味もあったのでは?と考えています。竹の内面は特にカビが発生しやすいからです。
「弓」の部分には、弾力性のより強く丈夫な「真竹」を使い、柄の先端を、柔らかいネコヤナギで埋めるとか、当時の人は素材の特性を熟知していたのだなー。
ここで目を「骨」に転じると、直径約1.5センチの竹を、44分割。細分化された44本の2本ずつが、根本の部分では裏が向き合うように広がってます。
経験上、竹の表皮側のほうが丈夫なので、この構造は「骨」全体の「しなり」と「耐久性」を高めるのに効果があると思います。参考までに、家にある丸亀うちわと思われる写真を並べてみました。
ちなみに、わが探検隊基地の近くは、うちわ用の「女竹」の産地だったのです!
●家にあるうちわを全部だしてみました。計7本。
内訳:丸亀式うちわが4本、房州式うちわが3本。「式」と書いたのは、ほとんどがポリプロピレン製の骨に紙を貼ったものだからです。
1枚1枚見ていったら、なんと19年前のうちわがありました。それも2本も!どこからこんなに人が集まってくるのか、超混雑した「小平市民祭り」でもらったものです。大事なものを引っ越しの際置き忘れてきましたが、この2本はちゃんと忘れず持ってきたのでした。
ちゃんとした、「房州うちわ」を1本手に入れたいな、と思ってます。
裏表面の紙が破れたら、自作の紙とか布が貼れるから、ながもち間違いなし!(2008.7.8)
房州うちわの骨組み
丸亀うちわの骨組み。1.8センチを33分割!