おいしいピザはオレが食べたいし、嫁の好きな焼き芋、焼き栗、パンもこの石窯ができあがれば現実となるはず。
可能な限りお金をかけないという方針のもと、作り始めました。目下、かかった費用は0円。ブロック、鉄板は以前からあったものを流用。インターネットで閲覧しまくり「石窯」のイメージを頭に叩き込む。
要するに、耐火、断熱の状態で窯をつくればいいんだな。りょうかい、りょうかい。それにしても、ブロック3段、鉄筋なし、少し垂直でない、この苛酷な状況の下でこの基礎部分は大丈夫だろうか(a)?意外に頑丈ということも有りうるからな。
もともと、どういうわけか庭に埋め込むようにあった御影石のうえに基礎を作った。この上にレンガで窯を築くのだけど、やはり「耐火レンガ」しか素材はないのだろうか。普通の赤レンガは近くのホームセンターで1個100円。耐火レンガはネットで調べると1個300円前後、送料を含めるともっと高くなる。でも、赤レンガは、200度以上で割れるらしい。本当かな? まあやってみよう(オレのいつもの悪いパターン)か。でも、本当に割れたら、今度は耐火レンガでやり直しになるし。こまった、こまった。どうしよう。
熟慮の結果、近くのホームセンター「コメリ」で「敷・積共用レンガ ブリックヤード アイボリー」を買うと決定。耐火度がSK32相当で、価格も1個128円。
何個買うかを決めなければ。200個にした。サイトを閲覧すると300〜400個とかあったけど。この200個で石窯と、隣にカマドを作らなければならない。
注文から1週間、レンガ200個届きました。ペリカン便のバンで、このレンガだけを積んできました。どこから出荷されたものか聞いたら、新潟からとのこと。送料は無料だけど採算合うのかな? と、他人事ながら気になる
大体の手順は、作ってある基礎の上の両端にレンガを4段ほど積み、薄いベニヤをアーチ状に渡して、その上にレンガを載せていく。
手順どおりに進めていき、アーチ状に渡したベニヤの上にレンガを載せていこうとしたら、レンガの重みでベニヤがバリッと音を立てて裂けた!(b)。予想外の出来事にびっくりした。気を取り直し、ベニヤを2枚重ねにした。これもうまくいかず、結局写真のようにベニヤを下から予備のレンガで支えることにした。
いちおう天井部分のレンガをすべて置いてみようと思い、できたレンガのすき間に、竹を切って作った小さな竹片を、これまた竹のへらで押し込み、位置を調整しながら進めた。
すべてのレンガを乗せ終わったのが左の写真(d)。しかしここで不安が3点。レンガとレンガの間をセメントで埋めていくのだけど、はたしてアーチの働きが期待できるのか?また、このセメントの中に残ることになる竹片が炭化してしまうが強度は?それに、アーチと、端に積んだ4段のレンガのつながりが不安定。
一晩経過。
案の定、一夜たつと、端に積んだ4段のレンガの一部が、がたついてきた。アーチに置いたレンガの重さがかかり、外側方向への力が働いたようだ。基礎のブロックとのセメント接着が弱かったとはいえ、やはりこの積み方は健全ではないと判断。とりあえず端のレンガが崩れないうちにアーチ状に仮置きしたレンガを下ろそう。こまった!こまった!。考え直さなくては。
ずれてしまった片側のレンガ4段をすべて取り除いた。そしてもう一度丁寧につみ直した。違う方法を考えたけど、いい知恵が浮かばなかったのと、ネットでレンガの積まれた写真を何枚か見た結果、なるべく横向きの力をすくなくするようにすれば、なんとかいけるのでは、と思ったもんだから。
丁寧に再度、取り除いたレンガを積み直していくうちに気が付いた。前方と後方では左右のレンガ間の幅が2.5センチも違う! そう、アーチ状にレンガを仮置きしていて後方のレンガの間のすき間が大きいのに気が付いてはいたのだ。こんどは、ちゃんと幅を測りながらやりました。
天井となるアーチ状にレンガ積むときに支えるベニヤの使い方を変えることにした。写真のような(e)アーチの形を写し取ったベニヤを作り、竹に切り込みを入れたものに挟み込む。これを、予備のレンガを積んだ上に置き、その上にアーチ状にレンガを乗せていくのだ。しかし、ベニヤが薄いせいか多少ゆがんでるようだ。やはり正確を期すために補強せねば! 考えた結果、余ったベニヤの部分を使い、写真のような補強材を作り、アーチ状のベニヤを連結する。ゆすってみたら、補強材で繋いだほうが丈夫そうだ。よし! これでいこう。必要に応じ下側から差し込めばいいのだ。
この支える方法で押し通してしまったが、やはりこれでも少しは歪んでしまう。2個目の窯を作るときにはもう少し厚いベニヤにしよう。
丁寧に積み直した4段のレンガの上に、アーチを支えるモルタルを断面三角に置く。固まってからアーチ状にレンガを乗せていく(g)。
強度、美観を考え、写真fのようにカットしたレンガをアーチの一番下にしようと思ったが(g)、結局三角断面のモルタルになった(e)。そうです、1個加工するのにオレは4時間!もかかったのだ。全部やったら、加工だけで三日もかかる。
でも、(h)の写真の竹を差し込んである頂上部、ここに埋め込むキーストーンだけは、えらく時間のかかるレンガ加工を覚悟している。
やってます! キーストーンのための加工。一日2個できませんです。この耐火レンガとても硬いです。グラインダーで削ってみましたが火花を発して思うようには削れず能率があがりません。タガネと金づちで気長にやります。破片が飛んできて目に入るので目をカバーしながらやりますが、これをつけると目の辺が汗びしょです。おまけに、予想外の部分まで割れてしまいました。でもこのぐらいなら使えるぞ!
2日かけてキーストーンの加工をしましたが、さすがに飽きてぴったりおさまるまでできませんでしたが、よく考えると少し大きめのほうがいいという、オレなりの結論もでたので、加工作業はここで終わりです。(アーチのレンガがだんだん緩んだ場合さらにキーストーンを押し込む必要がでるだろう。)
次は煙突の取り付け作業です。
食材を加熱するときには寒気が入らないように煙突を閉じなければと思い、窯と煙突の間にすき間を設ける。このすき間に通気する場合は穴の開いたプレートをさし込み、閉じるときは穴の無いプレートをさし込む。プレートは自作する。
煙突の固定は、写真のように煙突から出る支えをアーチ状に積んだレンガの間のセメントに食い込ませる。
使った煙突は、以前使っていた灯油ボイラーで使用していたものを再利用。捨てないでよかった!
石臼に興味があるだけで、レンガ積み、ブロック積みの経験がまったくないオレがその性格ゆえの失敗を多く積み重ねた記録を記す。