アフロキューバンで、なんと字あまりのおかず!!

 この演奏(MIDIファイル3k)を聴いてみてください。2小節目と4小節目におかずが入っています。この後半部分のおかずはよくある手順の右手→左手→キックです。が、なだれ込むように若干スピードアップをしながら5小節目の頭のアクセントへ向かわせます。こうすることで、スピード感を表現できるわけです。しかも、5小節目の頭のアクセントの手前ではタムを余分に1回叩き、言わば「字あまり」を作っています。この「字あまり」が入るおかげで、5小節目の頭のアクセントは16分音符とまではいきませんが、少し後ろへずれることになります。ここのおかずを聴いた時、この5小節目の頭はずれていておかしいとか5小節目の16分の2拍目にアクセントがあるなどとは感じずに、重たく頭にアクセントが入っていると感じたと思います。つまり、バンド全体がこの「ため」に引きずられ、重たさのともなうシンコペーションをすることになるわけです。MIDIだとここでずれちゃうから嫌だなぁ・・・。



字あまりおかず、ワンポイント
 字あまりおかずという言葉は一般的用語ではありません。私がエルビン・ジョーンズのプレイを聴いてドラマーの友人にこの言葉を使ったのが始まりです。エルビンを聴くと、この手のシンコペーションの凄まじさに「うへ〜っ」となります。