311東日本大震災 −1ヵ月半過ぎた今−  -2010.04.29Up
					 
					2011年3月11日14時47分頃、三陸沖を震源としたマグニチュード9.0の大地震が起こった。それからまもなく、岩手・宮城・福島の海岸線に大津波が押し寄せて、多くの市町村に壊滅的な被害を与えた。一ヶ月半経った今日(2011年4月29日)でも、未だに被害全容は把握できていない。死者・行方不明者3万人近くという日本の現代社会では誰もあり得ないと思っていた被害者の数である。 
					私は、この大震災を、「311東日本大震災」と呼んでいる。東日本大震災は、政府が決めた名前だが、私はこれに「311」を付けたいと思った。 
					ちょうど10年前の2001年、米国で同時多発テロが起こったのは9月11日だった。3月11日は、ピッタリ半年の違いである。911同時多発テロの時、私は米国ボルチモアにいて、生涯忘れえぬ体験をしたが、此度は日本で最大級の天災が起こってしまった。 
					記録の意味も含めて、思ったこと感じたことなど書いておきたい。 
					先ずは、ダイジェスト的に箇条書きしてみる。 
					
						- 最大級の地震であったが、地震対策はさすが日本と思わせるものがあり、地震そのものによる被害はそれほどのものではなかった。
						
 - しかし、津波による被害は甚大で、津波対策は全く機能していなかったことが明らかになった。
						
 - 津波被害を、専門家は「想定外だった」と言い切っていた。
						
 - 津波による被害は、福島第一原子力発電所に深刻な被害をもたらし、炉心溶融という深刻な状態に陥り、深刻な事態はは現在も継続している。
						
 - ここでも「想定外」という言葉が良く使われた。
						
 -  いまは民主党政権の時代であり、日本政府は菅直人総理大臣がリーダーだが、不幸はこうしたヘボい政府の時に起こるのだと思いしらされた。
						
 - この大震災対策や復興に向けて、政府がほとんど機能不全に陥っているように思え、多くの与野党政治家が菅総理を辞めさせようとの動きがでている。(私も、一刻も早く辞めた方が日本の為になると確信している)
						
 - 日本の原子力行政がダメだったことが露呈している。また、原発を保有している東京電力という会社も管理能力が全く無いヘボ会社であったことが露呈した。
						
 - 原発事故は、確かに天災の結果だが、今日の深刻な事態を招いたのは、人災の側面が強いと考えられる。つまり、本来あるべき危機管理を行っていれば、ここまでの事故には至らなかったはずで、事故前でも事故後でも同様なことがいえる。ここには、東電の責任はもちろん大きいが、現在の日本政府のみならず、過去の自民党を中心とした日本政府にも大きな責任がある。
						
 - その点、日本国民は、一部の例外を除けば、素晴らしい精神性を見せている。被災された方々、また被災されなかった方々共に、日本人の力を感じさせるものが見えた。
						
 - 復興は、ここまま政府機能は働かなくとも、邪魔さえ入らなければ、一般の国民や民間の力でなんとかして行くのではないかと思うし、それを信じたい。菅総理が辞めて、上手く政府機能が発揮できれば、より復興は確かなものになるだろう。
						
 - 風評被害が酷い。。これは情けない。日本ほどの近代国家、先進国家といえども、ここまで無知なのかと、ある意味愕然とする思いだ。政府筋、東電の広報がヘボいのは良く分かるが、それでもなお、我々一般のものは、いま何が起こっていて、その影響はどれだけのものがあるのか思考しなければならない。しっかりとした思考をすれば、このような馬鹿げた風評被害は起こらないはずだが、現実をみれば、日本は思考停止社会になっていたことがよく分かる。
						
 - しかし、多くの国民が今回の大震災被害を共有する心を持っている。これこそが日本の最大の力である。
					
  
					
					以下は、地震直後から時に記載してきたメモである。 
					時系列で紹介するが、 
						当日の深夜〜4月3日まで6回にわたってのメモである。 
					2011-03-12 01:07:34【東北地方太平洋沖地震】 
					
						- 凄い地震です。TVからは凄い映像が次々と流れています。。
 
							千人を遥かに越えそうな方々が亡くなっていると予想できそうです。 
							どこまで被害が広がるのかまだ分かりませんが、お悔やみ申し上げるとともに、 
							被災して耐えている方々には、頑張っていただきたいです。
						 - 私が、今こうして自宅で暖かくしているのが申し訳なく思えてきます。。
 
						 - 会社で仕事中に、最初の地震がきました。15時少し前頃でした。
 
							足の裏に、トトトト・・・と、縦に振動を感じて、 
							まもなくすると、大きな波のような横揺れがきました。 
							どんどん強くなって、これは尋常ではないと思えてきて、 
							後ろの書棚に入れておいたヘルメットをかぶって、 
							自席で様子をみていると、 
							隣の図書の棚から本がドタドタ落ちてきました。 
							まもなく治まって、ネットで確認すると三陸沖とのこと。。 
							既に、携帯は不通で、取り急ぎ家族にPCと携帯の両方のメールで連絡です。 
						 - メールがつながるのは、911の時に経験済みです。
 
							その時、アメリカ・ボルチモアにいて、メールでは連絡できました。
						 - その後、
 
							会社のゴチャフニャ対応があって(中身は省略)、 
							家族の無事は、なんとかメールで確認しあって、 
							歩いて帰れる私は帰宅しました。
						 - それからは、
 
							TV報道をみながら、 
							兄弟や友人達と連絡をとりあったり、 
							インドから心配してメールがきたりとか。。
						 - それにしても、津波の様子は凄いです。
 
							それに、気仙沼の街が大火災で燃えています。 
							マグニチュード8.8は日本では観測史上最大とのこと、 
							世界でも指折りらしい(5番目?)
						 - 9時間も経つのに、地震が止まりません。。
 
							余震というよりも、震源地が次々と広がっていて、 
							地震が連鎖しています。
						 - いまは推移を見守るしかありません。
					
  
					
					2011-03-13 02:19:39【東北地方太平洋沖地震 (2)】 
					
						- 昨日5時過ぎに帰宅して以降、TV報道とネットを見続けている。
 
							こうして緊急時の報道をみていて思うことを記録しておく。
					  
					
						
							- たまたま得られた「ある街の個々の確定事項」しか報道されないので、全体像が全く把握できない。または極めて把握しにくい。同じ内容が延々と繰り返されるだけ。途中経過では、被害の集計数字はあまり意味が無いのに、そればかり。個々具体的な状況の「分かっていること」「分かっていないこと」が知りたいのだ。
							
 - 街が壊滅状態だと報道されながら、数字は延々と「数名」だけだったりする。(未確認な部分がどの程度あるのか全く示されない)
							
 - 今回は、「地震による直接被害」と「津波による被害」とがあり、どこの市区町村が対象になるかは一覧表にできるはずだ。
							
 - いつも地図と併せて報道して欲しい。綺麗な地図でなくてよいから。グーグルマップ検索しながらTVを見てた。
							
 - どこの町の情報が無いこと(連絡がとれないので把握できていないこと)が全く報道されない
							
 - 南三陸町の住民17000人の内、避難場所での人数確認7000人で、10000人の安否が不明との報道があったのは、地震後24時間以上経ってからだった。
							
 - 位置からいって、南三陸町が津波被害の可能性があるのだから、「この町の情報が得られて無い」ということが早々に報道されなければならない。
							
 - A市で何人、B町で何人という、極僅かの確定被害者数「だけ」を延々と繰り返して言うだけなので、被害実態がみえない(そんなはずはないことは容易に分かるのに!)
							
 - 
							
 - 専門家と言われる人のコメントが、専門家とは思えないコメントばかり。それなら、私でも語れる・・というものばかりで、本質に迫る解説がほとんど得られない。
							
 - TVアナなど、現地の人への質問がヘタ過ぎる。何を聞きたいのかが伝わらないので、インタビュー相手とズレまくりが多い。聞くべき内容で無いことを聞いているアホ質問も多々ある。
							
 - どの町の人の話を聞いているのかが示されないで映像が流れているので、酷かったというイメージだけしか伝わってこない。どこがどうなっているのか?どこの話なのか?という肝心なことが極めて分かりにくい。
							
 - 交通規制の情報などは、たれながしアナウンスでなく、一覧表にして示して欲しい。
 
								 
							
							
						  
						- 同様なことは、いつも感じることだ。
					
  
					
						
					 
					2011-03-13 21:36:02【東北地方太平洋沖地震 (3)】 
					
						- 私の思う、今の疑問点を書きたい。
						
 - 
							
								- 東京で起こるだろう震災のこと、東海地方での起こるだろう地震、これらについては、よく聞くことがある。しかし、三陸沖でここまでの地震が起こるだろうことは、私は聞いたことが無い。。
								
 - いくら予知が難しいとは言え、世界でも指折りの地震について、何の可能性も言われてなかったとするならば、専門家と言われる方々はいったい何をしていたのだろうか?と思わざるを得ない。
								
 - 想定外の自然災害が起こることは、阪神大震災でもそうだった。世界には、そうした例が沢山ある。ということは、過去の例を上回ることがありえることは容易に考えられる。
								
 - 私は東北に住んでいないので、どれだけの啓蒙があったのか?は、分からないが、もし無かったとしたら、私も科学者の端くれとして、専門家と言われる方々(また場合によっては政治家・行政に携わる方々)を責めたくなる。
								
 - 今回、大津波まで約30分は時間があったようだ。つまり、10分後に行動を起こせば、20分は時間があったことになる。
								
 - 素人の感覚的な思いでは、海岸から1キロ離れていたら大丈夫だと思うし、2階(ましてや3階なら)に逃れれば大丈夫だと思うのは、普通の感覚だとおもう。専門家と言われる方々はどのように想定していたのだろうか?素人と同じとは思わないが、素人がどう考えるかは、当然考えなければならない!。そこまで考えるのが専門家だと思う。
								
 - 素人に対するより適切な啓蒙があったならば、もっともっと少ない人的被害だったのではないかと思わざるを得ない。少なくとも、犠牲者が「万」を越えることはなかっただろう。。(今の情勢では数万人の犠牲者になりそう、数千人程度かと思っていたが、万に届くとは思わなかった。。。)
 
									 
								
								
							  
						
						 - (つづく、取り急ぎ)
					
  
					
					2011-03-20 23:34:54【東北地方太平洋沖地震(4):『想定外』と言う言葉テーマ】 
					
						- 今回ほど、『想定外』という言葉を聞いたことは無い。
							
								- マグニチュード9.0も地震が日本の近海で起こるのは想定外。
								
 - 10m以上の津波がくるのは想定外。
								
 - 原発で、電力が途絶えるのは想定外。
								
 - 
								
 - ボクも一応は科学者の端くれである。。
								
 - 「想定外」などという言葉は、余程のことでも無い限り使えない。
								
 - そんな言葉は、「自分は専門家としては失格だった」との証の言葉である。
							
  
						
					  
					
					
						
							- 過去50年程度で、5回ほどマグニチュード9.0以上の地震が地球のどこかで起こっている。
 
								日本列島自体が地殻変動の結果でできており、 
								複雑にプレートが入り混じっていて、 
								地震大国と言われる日本の近海で、 
								何故、9.0が想定外なのだろうか?
							 - 過去の津波では、7〜8メートル(またはそれ以上)の津波があったそうだ。
 
								それで、何故10m越えが想定外なのだろうか?
							 - 原子力の事故になった際のリスクを考えれば、
 
								同じ施設内の装備が同じくダメージを受けることは容易に考えられる。 
								バックアップが機能しなくなることが、 
								何故、想定外なのだろうか?
							 - 剥き出しのバックアップ電源装置が、水に濡れて機能しなくなることが、
 
								何故、想定外なのだろうか?
						  
					 
					
						- 地震学者、津波学者、原子力発電関係の専門家、皆さん、声をそろえて「想定外だった」と言う。。。
 
							 
						 - 『想定外』、ちょっと気軽に使いすぎるんじゃない!!と、ボクは腹立たしい気分になる。
						
 - NHKのあるアナが、想定外と言う津波学者に「悔しく無いんですか?」と質問を投げかけていた。
 
							このアナは内心怒っていたことが感じられ、私は共感を覚えた。
						
					  
					
						- 唯一、京大の先生だけが、
 
							「想定外」ということは言いたくない。専門家の一人として申し訳ない気持ちだ・・ 
							というような感覚のコメントをしていた。。 
							私は信頼に足る先生だと思った。
					  
					
					2011-03-26 13:35:23【東京電力という会社!!!!!!!!!!!】 
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					時事通信 3月26日(土)12時16分配信 
					 東日本大震災で被災し、深刻な状況が続く福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の3号機タービン建屋地下で作業員3人が被ばくした事故で、東電は26日、1号機の同建屋地下で18日の時点で高い放射線を検出しながら、現場の作業員に周知していなかったことを明らかにした。・・・・・以下省略。 
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					一昨日の夜、作業員3人の被曝事故のニュースを聞いていて、 
						建物内で、くるぶしまでの靴だったので、水ジャブジャブで作業して被曝したと聞いた。 
						200%考えられないことが起こっていると、憤っていたのだが、 
						先ほど、上記の報道を見た。 
					こんなことありえる?? 
						「東京電力」って、何なの???? 
						こんな大バカ、大間抜けな会社の経営者は、全員首をすっ飛ばしてしまえ!!! 
					こんな感じで、原発事故の対処をしていたから、 
						一号炉から始まって、次々次々と拡大していったことが納得できるし、 
						無計画停電のやり方も実によく分かる。 
					あまりにも酷過ぎて、言葉が見つからない! 
						どうも経営者や幹部には、脳みそが一欠けらもないらしい。 
					200%あり得ない話だ! 
					
					2011-04-03 11:47:33【東北地方太平洋沖地震(5):『想定』していた人】 
					下記↓の記事がありました。 
					世の中には、このようにきちんと「想定」していた人もいたのですね! 
						きっとかなりの批判もあっただろうと思いますが、 
						素晴らしいです! 
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					岩手県普代村の奇跡――3000人の村の15.5?堤防があの津波をはね返した   
					(日刊ゲンダイ3月31日) 
					 高さは共に15・5?。東北一の「防潮堤と水門」が村を救った。岩手・三陸海岸の北部にある普代村。漁業が盛んな人口約30OO人の村だが111一日午後3時半すぎ、巨大な津波が襲いかかった。 
					 「高台から見ていましたが、津波がものすごい勢いで港に押し寄せ、漁船や加エエ場を一気にのみ込みました。バリバリという激しい音がして、防潮堤に激突。みな祈るように見ていましたが、波は1?ほど乗り越えただけで、約1000世帯が住む集落までは来ませんでした」 (普代村漁協・太田則彦氏) 
					 津波が来る前に、港に船を見に行った男性が行方不明になっているが、防潮堤の内側にいた人の被害はゼロ。住宅への被害も一切なかった。高さ15・5?、全長130?の「防潮堤」が、村人の命を救ったのだ。村の北側には、同じ高さの水門(全長200?)があるが、こちらも川を勢いよく上ってきた津波をほぼはね返し、小学校を守ったという。 
					 普代村の隣、田野畑村(人口約4000人)には、高さ8?の防潮堤が2つあるが、津波を抑えられず、死者・行方不明者40人、全半壊533戸の被害が出ている。”高さ15・5?”の防御力は絶大だが、なぜ普代村に2つも造られたのか。 
					 「防潮堤は1970年に約6000万円(当時)をかけて造った。水門は35億円(同)で、84年に完成しました。普代村は1896年の明治三陸大津波で1010人の死者・行方不明者が出た。1933年の津波でも約600人が死傷しました。戦後、和村幸徳村長が『2度あることは3度あってはいかん』と県にひたすらお願いし、建設の運びとなった。かなりの費用がかかるので、当時は『他のことに使えばいいのに』 『ここまでの高さは必要なの?』といった批判もたくさん受けましたよ(苦笑)。きっと今は天国でホツとされているのではないでしょうか」 (村役場住民課・三船雄三氏) 
					 村ではボロボロに壊れた漁港や養殖場の修復作業が進められているが、一方で、堤防に手を合わせたり、故・和村村長の墓に線香を供える人が絶えないという。 
					============================================== 
					以上 
					
					2011-04-03 12:04:09【東北地方太平洋沖地震(6):敢えて書く!】 
					大震災に見舞われて、このような時期に批判をするのは本意ではないが、やはり敢えて書かずにはいられない。 
						記録しておかねばと思うからだ。 
					政府からのメッセージが全く見えてこない。。 
						何をみても、ほとんど機能していないのではないかと危惧する。 
						それとも単にマスコミが報じていないだけなのだろうか。。。 
					この大震災まで、これまでの政権をみてきて思うこと。 
						これは戦後政治の中でも特筆すべき最低内閣といえるだろう。 
						 
						何が最低って、能力だけの問題ではない、 
						決して自分では責任をとろうとしない卑怯者ないかくだからだ。 
					何故こうした大被害は、ヘボヘボ政権の時に発生してしまうのだろうか。。 
						神戸の時も、超ヘボ総理だった。。 
						自衛隊出動をためらうが故に、いったいどれだけの命が失われたのだろうか。。 
					今回の大震災は、国家的危機である。 
						何故こうした危機が、もっとも機能しない政権時に起こるのか。。 
						機能しないどころか、責任回避が得意な今の政権で。。 
					サルコジ大統領が来日して最初に会見した際に、 
						なんと!にこやかな笑顔を見せて迎えていた。。 
					昨日2日、被災地を視察した。 
						なんと被災地で何度も笑顔を見せていた。 
					しっかりしてもらいたいが、 
						私の目には、震災対応や震災復興を自らの責任で行う能力が全く無いよう(皆無)に映る。。 
					非常事態である。 
						政党など関係なく優れた人材を結集して事に当たって欲しい。 
						(問題は、戦後我々をだまし続けてきた自民党も含めて日本の政治家にできるかどうかだ!) 
					日本の将来が掛かっている重大事を託すのだから、 
						ホントはエールを送りたい! 
						ホントに送りたいのである。。 
						でも、せめて、邪魔はしないで欲しい。 
					以上 
					 
					以上、4月29日の時点での記載です。 
					
					
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