ダーツ(Darts)の勧め ― 2004.11.07

 本稿は8月頃から書こうと思っていたのだが、今日になってしまった。というのは、夏になる前ぐらいに昔すんでいた静岡に行く機会があったので、とあるところに10年ぶりくらいに訪問したのだ。その日は解放されたのは夜も更けてしまったため、訪れた時間は夜11時を回ってしまっていたのだが、この機会を逃すと当分チャンスは無いだろうと思ったからだ。まさに10年ぶりの突然の訪問であったが、そこにはいました!Y氏が。。。そしてK氏とI氏も。。。すぐに分かってくれて、ものすごくビックリした様子だったが、とっても喜んでくれました。最近の様子、昔話などいろいろと話したが、実はその日Y氏は東京から帰ってきたとのことだった。スカパーだかで、今ダーツのTV放送があるらしい。2年(?)ぐらい前からその解説をしているとのことで、その日もそのTV解説の収録だったらしい。

 そんなこんなで、いろいろ話したわけだが、そのTV番組からいいところを編集して送ってくれるという。それは是非お願いしますと帰ってきたわけだが、その後8月にビデオが届いた。さっそく見てみると、現世界チャンピョンのヒル・テイラーの試合等が入っていた。ジョン・ローの9ダーツ(あとで解説します)も久々に見た。2003年世界マッチプレー選手権のセミファイナル(ヒル・テイラーvs往年の名プレーヤー、ジョン・ロー)の試合はもの凄かった。。。久々に感動したのであった。

 そんなこともあって、この「ダーツというスポーツ」を紹介したいな〜と思ったわけである。

ダーツボードの解説:点数】

一番外側にある数字が、そこから中心に向かうエリアの得点であるが、外側の細いゾーン(赤と緑が交互に一周している)はダブル、つまり得点が倍になる。内側の細いゾーンはトリプル、つまり3倍の得点である。ど真ん中の丸いゾーンをブルというが、外側の赤いところは25点で、内側の小さい黒丸(ど真ん中)はダブルブル、つまり50点である。

ど真ん中が50点ということは、そこは最高点ではない。つまり、最も高い得点のところは20のトリプル(ど真ん中から上に行って最初の赤いゾーン)で、60点となる。テッペンに20とあるが、その右が1、左が5、つまり高得点のゾーンの隣は点が低くなっているのだ。

ダーツは、常に3本の矢で一セットとする(これを1スローという)。3本とも20のトリプルに入ると180点で、これが一回に得点できる最高点である。

あとは競技それぞれのルールに従って試合を進めるわけだ。

 私とダーツの出会いはかなり古い。。。ところで、ダーツなんて子供の遊びで、ただ真ん中狙って投げればいいんだろう!と思っている人が多いのではないだろうか。。。実は私もそうであった。。。ダーツは単なる玩具ではなくて、しっかりとしたルールに基づいたスポーツであるということを私が知ったのは、もう大昔だが、学生時代のことであった。

オールトラリアに留学していた知人(といっても大先輩だが)が帰国して、その土産話として、オーストラリアでは居酒屋にダーツがあって、よく楽しんでいるという話であった。次のビール一杯を賭けて、ダーツの試合をやったりするそうだ。。。一杯賭けてゲームをする・・・こういうのは実に楽しいものだ。その際、ダーツのルールを聞いた。。。

501(ファイブ・オー・ワン)】というのがスタンダードなゲームで公式競技はみなこれである。交互にダーツを投げて、持ち点の501点を早く無くしたほうが勝ちというシンプルなものだが、最後はピッタリ0点にしなければならない。それも、外側のダブルゾーンでフィニッシュしないといけないということになっている。つまり、例えば32点残りに調整して、16のダブル(左下:8時の方向:緑のゾーン)を狙う。失敗して内側に入ったらのこり16点残りなので、8のダブルを狙うといった具合である。1点残りや点を取りすぎてしまったら、バーストといってその回(3本で1セット)の点はなかったことになる。30ダーツ(つまり10スロー)以内であがれるようになればなかなかである。シンプルだが、なかなかおくが深い。

 そんな話を聞いてからダーツに大いに興味を持っていたわけだが、その後結婚した際、同期入社の身近な仲間が何かお祝いをくれるというので、それではとダーツ一式をお願いした。そして、「ダーツ、ダーツボードと解説本」をお祝いにもらった。そんなこともあって、皆を我家に招いたときは、いつもダーツの試合をやりながら飲み食いしたものだった。

 ところで、本物のダーツボードは実は豚毛でできている。最近は、エレクトリックダーツというものがはやっているらしい。ダーツもソフトチップとかいって、先がプラスチックの細い棒で、ダーツボードの穴にはいると自動的に得点が出てくるらしい。やったことが無いので、これ以上はコメントできないが、さすがコンピューターの世の中と思ったりもした。
 さて本物のダーツボードであるが、それはブリッスルボードといって、豚の毛を束ねて円盤状にしたものだ。だから、ダーツが刺さっても、穴が開くわけではなく毛と毛の隙間に刺さるというわけである。ダーツも高級なものはタングステン製である。タングステン(元素記号 W 原子番号 74 原子量 183.85、比重19.24)なんて、電球のフィラメントに使われるぐらいしか思いつかないが、ダーツの素材に使われていたなんて。。。鉄の比重は7.8、銅は8.9に比べて2倍以上重いわけで、それだけ同じ重量のダーツでも細く小さくできるのがその理由だ。(通常は22g程度のダーツを使う)20のトリプルに3本とも入れるには太い矢ではぶつかってしまって無理である。私が愛用していたモデルは、エリック・ブリストーモデル(21g)で、まだ良く知らないときに買い求めたものだが、そのデザインも気に入ったが、値段も一番高かった。。確か16000円ぐらいしたように記憶している。エリック・ブリストーとはかつての世界チャンピョンで、TV中継されている公式戦で始めて9ダーツを達成した人だ(ったと思う?)。現世界チャンピョンのヒル・テイラーはエリック・ブリストーの愛弟子である。

 さて、「9ダーツ」についてだが、これは9本のダーツを投げて501点をとることで、これが501の最短である。それは、
180 (20T, 20T, 20T) - 180 (20T, 20T, 20T) - 141( 20T, 19T, 12D or 17T, 18T, 18D) 
で達成できる。いかに難しいか想像できるだろう。。。私自身は、試合中に何回か180を出したことはあるが、9ダーツは考えられない。。。ボーリングのパーフェクトゲームよりはるかに難しい。

そんなこんなで、ダーツはだれでもできて、とても面白いので、さっそく当時の職場で布教活動に入った。最初は分からないことも多かったので、当時の日本ダーツ協会に電話したら、静岡にも支部があることを教えてくれた。そして、冒頭のY氏へとつながるのであった。

 501が公式競技で行われるものだが、練習をかねて皆で楽しめるゲームに、ハーフイット(half it)というのがある。ハーフイットを簡単に紹介すると下記のようだが、501(ファイブオーワン)、ハーフイットを含めその他のゲームのルールなど詳しく知りたければ、ここを参照するのが良いだろう。

ハーフイット
最初の持ち点40点で、[15, 16, Double, 17, 18, Triple, 19, 20, Bull]を順次狙って投げる。ダーツが狙ったところに入ればその得点を加算できるが、一本も入らなかった時はそれまで得た得点が半分になるというもので、最後に残った得点で勝敗をきめるというものだ。最後で大逆転とかあるので、かなり面白いゲームだ。400点ぐらい取れるようになればかなり立派なものだ。。。

 とんかく、ダーツボードとダーツさえあれば簡単に楽しめるので、是非一度トライしてみて欲しい。インターネットで調べたら通販サイトもたくさんあってビックリした。最近はエレクトリックダーツのあるバーや居酒屋もあるようなので、そこでやって面白いと思ったら、本物のブリッスルボードを買い求めるのが良いと思う。ボードは1万円弱ぐらいで買えるみたいだ。。。あ、そうそう、ボードは壁にかけないといけないが、ボードの中心が173cmの高さになるようにして、237cm離れたところに線を引いて、そこから投げる。うそ〜っと思うかもしれないが、最初はボードから外れたりするから、壁に小さな穴が沢山あくのは覚悟してね。。。

 昔話とダーツの話とがごちゃごちゃになってしまい、なんだかさえない雑記になってしまった。。。けど、ダーツは面白いと思いますよ!世界選手権もあるし。。。

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