三星堆博物館 The Sanxingdui Museum


 中国・四川省・成都の北、約50kmに位置する广漢(guanghan)にある三星堆博物館に行く機会がありました。

 1986年7月から9月にかけて行われた発掘で、二つの大型祭祀坑から「縦目人面像」等の他に類を見ない青銅器が多数出土されました。この三星堆遺跡は3000年以上も前のものと推定されており、中国史における夏代ないしは殷代の頃のものだそうですが、正確な事はまだ良く分かっていないようです。三星堆の青銅器は、これまで知られていた殷周青銅器とはまったく異質のものだそうです。「蜀王本紀」や「華陽国志」という古書に、四川省の「古蜀」の歴史が記され、また「縦目」の記述があるそうです。三星堆遺跡の発見は、この伝説の「古蜀」文明と四川省の古代歴史を明らかにするものかもしれないとのことです。

 三星堆博物館は、1997年10月に約5年の歳月をかけて完成しました。巻き貝のような形状の博物館が20万平方mもの広大な敷地の中に建てられています。この三星堆博物館には、出土した青銅の仮面、青銅神樹等の青銅器や黄金の仮面や杖等が展示されています。これら展示物には見るものを圧倒するの異様な迫力がありました。すごいです。

 成都に行く機会があったら、無理してでも絶対行くべきところです。

(ここで紹介する写真は、私個人の観光の記録として撮影したものです。観賞の目的以外での使用はお控えくださる様お願い致します。)

三星堆博物館 正門から見た博物館です。
青銅縦目人面像 三星堆の顔ともいえる、目が飛び出した大型の青銅の縦目仮面です。高さが1mぐらいある大きなもので、何といっても目が飛び出しているのが異様です。これは、遥か遠くをまたは未来をも見通すことができる目を表わしているとのことです。
青銅縦目人面像 手前の仮面の高さが約40cmあるのです。縦目仮面がいかに大きいか分かると思います。縦目仮面の耳も異様な形をしています。これも縦目と同様に、何でも聞くことができる耳を表わしているとのことです。
青銅人頭像 本当の人間の実物大の大きさ程度です。目の形が異様ですが、どうも目の回りをお化粧していた様子が表わされているようです。
縦目仮面(左)と黄金仮面 右が黄金マスクです。高さ45.7cmの青銅人頭像に黄金の仮面が付けられています。確か6個見つかったと書いてあったと思います。「黄金の杖」もこの後ろに展示してありました。木の杖の表面を黄金で覆ったものであったとのことです。中国の歴史において黄金が王権の印として出てきたものは他にはないそうです。
座人像 高さ14.6cmの小さな像です。膝をついて歯を食いしばっているように見えます。
青銅立人像 高さ262cmの大きな像です。右手と左手でそれぞれ輪を作って上下に位置しています。何をもっていたのかは不明です。右の図は表面の模様が良く分かるように描かれたものです。
中国の超有名な書家が記念に書いたものだそうです。1988年2月と書いてあります。勉強不足で誰が何と書いたのかは正確には理解していません。でも、何かとても美しい字だったので、ついついこの書だけ写真におさめてしまいました。他にも偉い人の書が5,6点ありました。
庭園とレストラン

展示室の出口から見た庭園です。博物館の中位の屋上になっていて、そのまま坂を下っていきます。正面に見える建物は売店(右)とレストラン(中と左)です。

私は博物館の中の売店で、縦目人面像の青銅製レプリカを160元で買いました。売店の女性はとても素敵な人でした。

食堂と食堂から見た博物館

食堂と食堂から見た博物館です。

このレストランの食事はとてもおいしかったです。「スッポンのスープ」の入ったコースはお勧めです。特に「スッポンのスープ」は絶品でした。博物館に行ったらここで絶対に食事するべきです。

(撮影:1999/04/22)

 三星堆遺跡の出土物の展覧会は昨年1998年4月末より12月初めまで、日本の美術館数カ所で開かれていたそうです。テレビ放送もあったそうですが、私は残念ながら見逃していました。

 本も出版されているそうです。


[三星堆博物館 The Sanxingdui Museum ]

中国・四川省・广漢
Guanghan, Sichuan 618307 China
TEL: +86-838-5500873
FAX: +86-838-5500349

成都より車で1時間半程度で行けます。


Home | Top