ゆっくり帰ろう - 南太平洋2 -

マオリの呪い? 1998年7月27日(月)


 AUCKLAND空港で飲んだ水がいけなかった。断続的に来る激しい腹の痛み。下痢。帰れるのかとても心配になった。

 今日、オークランドでは空港に荷物を預け、また AirBus に載って街へ出かけた。出かるときに空港の飲料水を飲んだのだ。喉が乾いていたのでグビグビ飲んだ。街では例のアジア屋台の店に行ったがまだ開店準備中だった。時間が早すぎたのだろう。残念。街中は寒い。ショッピングモールで本屋などをうろうろした。途中でトイレに行きたくなり、えらく探しまわった。大変だ。なんとか危機一髪で見つけることができて入った。ほーっ。

 ダウンタウンエアターミナルの土産店では、タヒチのティキ像みたいなのが売っていた。マオリのクラフトだそうだ。ラロトンガにもこんなのあったし、多分ポリネシアにはどこにでもあるんだろう。各地でちょっとずつ形は違うけど、同じ系統だというのが良くわかる。全部並べてみたいな。

 今回は前よりも更に時間がないので、すぐバス停へ戻った。バスを待っていると、あるおじさんにちょっと来てくれと言われた。その人はなんとか Express という、AirBus とは別の小さな空港バスのドライバーだった。なんか、おじさんはキーを車の中に付けたままドアをロックしてしまったらしい。窓がすこし開いている。おじさんの腕は太くて入らないので、代りに腕を突っ込んでドアロックを外してくれという。なぁんだ、何言われんのかちょっとドキドキしたぞ。ドアロックは簡単に外れた。でもあれ、もしあの車がおじさんの車じゃなかったら怖いな。

 AirBus はちょっと遅れて来た。空港へ戻る途中、なんかお腹がちょっと痛い。寒いせいだろう。なるべく車内エアコンの風が来ないようにし、お腹をかばった。でも下痢のときとちょっと違う感じだ。刺すような痛み・・・。

 空港へ着き、預けていた荷物をとても感じのいいお姉さんから受け取り、チェックインカウンタの前に並んだ。あまりたくさんは並んでいないが、進むのがものすごく遅い。何やってんだよ。みんなすさまじい量の荷物だ。私のように背中にしょってる1個だけという人は誰もいない。おーい、早くしてくれー。荷物がとても重く感じられて、下に降ろした。立ってるのがつらい。ようやく順番が来たが、なんか手続きがスムーズじゃない。うーん、お姉さん綺麗なんだけどな。笑顔も素敵。でも、腹痛いぞ。こっちも笑顔で会話を楽しみたいけど、そんな余裕はない。うー、トイレ行きたい・・・。で、出そう・・・。こんな時に限ってトラブルは起こる。ボーディングパスを出す機械の紙詰まりだ。うぉー。よっぽど

 「トイレ行くから後で・・・」

と言いたかったが、また並ぶのはいやなので必死にこらえた。あの腹の痛みは大変だった。多分私は、紙詰まりぐらいでえらくイライラする、とても不機嫌な客だと思われただろう。お姉さんが終始笑顔だったのは救いだったが、本来ならば紙詰まりなんてのが起こっても、

 「No problem.」

とか言って笑顔で余裕を見せたいところだ。それをきっかけに、会話もはずんで笑いのひとつも出るに違いない。あーもったいない。ボーディングパスを受け取り、とにかくトイレへ。完全なる下痢ピー様とご対面でございます。

 出国手続きをおわらせ、足早に搭乗GATE 1へ向かった。搭乗GATE前のベンチではすぐ入らずにぎりぎりまでねばった。一度入ると飛行機に乗るまでトイレがないからだ。幸い、GATE 1のすぐ近くにトイレがある。ベンチに座り、お腹を押えて目をつぶった。痛い痛い痛いぃー・・・。腹の内側から針で刺されている感じだ。立てない。横になりたい。なんかみんなにじろじろ見られてるぞ・・・。

 時間ぎりぎりになったので、気力をふりしぼって立ち上がった。GATE 1を入ってからはなぜかあまり痛くなくなった。マオリの呪いか? なんとか飛行機に乗り込み、飛行機は14:14ごろデッキを離れた。席はずいぶん空いている。これって途中どこにも寄らないのに、なんでこんなに席空いてんだろう。月曜日だからかな。

 0:40(現地時20:40)シンガポールのチャンギ空港着。やっぱり暑い。腹の痛みはおさまった。なんだったんだろう。モアイとティキとマオリが喧嘩でもしたかな。

 オークランドでは本当にもうダメかと思った。飛行機乗らない方がいいかも・・・とさえ思った。とにかく痛かった。あんなのは初めてだ。それがなぜか治った。あんな痛みと下痢じゃあ治るのに相当時間かかると思っていたのに、機内で食事しても大丈夫だった。不思議だ。冷たいオレンジジュースもちょっとずつだが飲んでしまった。大丈夫だ。寒さのせいだったのか?

 あの刺すような痛みから11時間後の今、シンガポールにいる。なんとかひと安心だ。後は福岡に飛ぶだけ。今回はけっこう日本人カップルが多いな。まあ、行きの時は高校生が多かったから、気づかなかっただけかもしれない。みんな新婚さんっぽい。私は新婚旅行でここに来ようとは思わないが、清潔で設備も整っているから旅行はしやすいだろう。でも面白いか?

 ここシンガポール空港の FOOD COURT にはあのアジアのにおいが漂っている。このにおいがうれしい。腹減ってないから食わないけど、このにおいに包まれているのがとてもいい気分だ。ここはまた来ることがあるような気がする。ただ、空港からは出ないだろうけど。

 腹は完全に治ったようだ。あの下痢と腹の痛みは AUCKLAND にいた間だけだった。不思議だ。

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