卒業旅行である。2月25日から、私にとっては2度目の海外である東南アジアへの旅に出発した。メンバーは自分と
夜、ドン・ムアン空港に到着した私たちは、タクシーで宿へ向かった。さっそくクラクションの嵐。激しい運転。これがタイか。 バンコクでの宿は、すでに日本で予約してあったスリウォン・ロード(Suriwong Rd.)にあるマノーラホテル(Manohra Hotel)。 2部屋に3人ずつ泊まることになった。
バンコクは思ったよりも随分と都会だった。しかしそれは外国人の力によって作られている感じがした。 これこそタイだと感じさせられたのは、屋台の飯、ムエタイ、ポン引き、そしてアユタヤの遺跡である。 タイで最初に食べたのは、Hua Lam Phong駅近くの屋台でおばちゃんが作っていたチャーハンである。 値段は15バーツ(約60円)。これはタイの滞在最終日にもう一度食べに言った程、忘れられないものだった。 タイにいる間いろいろな料理を試したが、あのチャーハンに勝るものには出会わなかった。どんな味なんだと聞かれても言葉で説明できない。 とにかく日本では食べたことがない味なのだ。見た目は、でっかいキュウリをスライスした様なものが添えられている以外は、特に変わったものは入っていない。 おそらく調味料が違うのだろう。
バンコクではよくタクシーでボられた。あれがしょっちゅう続くと、人を信用できなくなってしまう。 でも、そういう目に会うと「タイだな」と変な納得と、東南アジアのあやしさを味わったような、ちょっと面白い気分になったりもした。
観光は、時にはタクシー、時にはトゥクトゥク、時には歩きで、王宮周辺や川やマーケットなど代表的なところを6人でひととおり見てまわった。 どこへ行っても仏像は金ピカであり、仏教と言っても日本とは違う文化であるというのが強く感じられた。仏像の顔も日本のものとは随分違っていて面白かった。
バンコク観光での最高の贅沢は、800バーツのリングサイド席でムエタイを観戦したことだ。あれはタイへ行ったら必ず見るべきだと思った。 だがやはり料金の高い席だけあって、リングサイド席に座っているのは日本人ばかりであった。
スタジアムの帰りには小崎と2人で屋台で飯を食った。その後も、歩いていて見かけたチマキを買ってみたりして、屋台の雰囲気を存分に楽しんだ。 だが、あの何のラベルも貼ってないビンに詰めて売っている飲み物はなんだろう。とても気になったのだが、2人とも飲んでみる勇気はなかった。
タイでは他にも、道でみかけたいろいろなものを食べてみた。おいしそうなものがいっぱいあるので、飯時でなくても、ついつい立ち止まってしまうのだった。 この屋台の飯こそ、アジアの旅の醍醐味ではないだろうか。ハズレということがないのだ。ホテルでの食事には特に感動はなかったが、屋台では何を食べてもおいしかった。
しかしタイで最も心に残っているのはアユタヤである。バンコクを東京にたとえるなら、アユタヤはタイの京都であろう。 永く力強いタイの歴史を感じさせてくれる場所だ。バンコクのような騒がしさもなく、子供たちがとてもいい表情をしていた。 廃虚となった遺跡も、修復されたものも、静けさと美しさに取り囲まれており、仏に祈る人々の姿も印象的だった。 特に修復が進んでいるワット・ヤイチャイ・モンコルは壮大であり、今まで見た名所旧跡の中でも最も大きな感動があった。 バンコクのタクシーでボられたことなど吹き飛んでしまい、
「タイっていい国だなあ。」
と思ってしまう程だった。バンコクでのくさくさした気分もアユタヤで癒すことができた。
タイの後にマレーシアとシンガポールへ行ったが、タイが一番面白かった。もう一度行きたいと思う国だ。