陸のない海の景色

出港 1992年2月16日(日)


 出港式があり、航海が始まった。 船の揺れは凄まじい。 酔い止め薬が効いたのか、自分は船酔いしてないし、飯も全部食べている。 酔っている人たちは苦しそうである。 虚ろな目をして、そこかしこでビニール袋を握りしめて座り込んでいる。 驚いたのは、女の人たちがほとんど平気そうだということだ。 女性は強くできているらしい。

 出港式はビルの中にある多目的ホールで行われたが、 外でやった方が良いと思った。 港には両親が見送りに来てくれたが、 出港時に知った顔がいるというのはいいものである。 天気は快晴で富士山が良く見えた。非常に気分のいい船出であった。 紙テープを渡して手に握ったりするのは初めてやったが、なかなか感動的である。 それが終わった後にみんなで紙テープをそそくさと片付ける姿は、 なんとも急に現実が戻ったようで面白かった。

 波のうねりが高く、洗面所の窓から見ていると、 波の表情には全く飽きさせない魅力がある。 大きく盛り上がったかと思うと、穴が開いたように沈み込んだりする。 16時ごろ、まだ陸地は見える。

 夕食の後はよく寝て、今22時33分。 さすがに字を書いていると少し気持ちが悪くなってきた。この辺でやめておこう。 船の揺れは激しい。

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