カンボジア

Good luck! 1998年4月28日(火)


 Saveyに勧められ、今日の午前中はアンコール・トムから北へ40kmほど行ったところにあるバンテアイ・スレイへ行った。この遺跡の彫りは深くて鮮やかだ。石は赤みがかっている。アンコール遺跡群の中で最高の美しさを誇る彫刻だ。舗装されてない道をバイクで行くので、帰ってきたときには全身真っ赤な砂だらけだった。アンコールワット近くでは、弾薬を積んだトラックが西の方へ走って行った。ここに武器は似合わない。午後は町をぶらぶらした。シェムリアップは本当に素晴らしいところだ。

 さっきSaveyのバイクで空港まで来た。

 「もし友達が来るなら言ってくれ、迎えに行くから。」

と言ってくれた。彼は高校を卒業して、大学に行くお金を貯めるためにバイクタクシーをやっているそうだ。カンボジアの大学はプノンペンにある一つだけと言っていた。私を乗せて遺跡めぐりをしているときも、彼はバイクのシートの下に常に英語の本を携えていた。日本語が話せなくてごめんと言われたが、そんな必要は全然ないよ。君の英語は大したもんだ。お互い

 「See you again. Good luck!」

と言って握手して別れた。これが一人旅の醍醐味だ。友人になったという確かな手応えがあった。彼はとてもいい奴だ。宿の彼女も。彼女は女主人ではなかった。名刺のMrs.というのは彼女のボスだそうだ。良かった。(って、何を期待してるんだ俺は。)

 17:15のフライトだが、まだ空港に飛行機は来ていない。小さな空港だから、私の乗るのが来ていないということはこの飛行場に飛行機が1機もいないということだ。

 ここはいずれ大きくなるだろう。大きなホテルもいくつか建設中だった。今日の午後、川べりのベンチに座っていると日本語を学んでいて私に話しかけてきた男の子がいた。教科書「しんにほんごのきそ」を見せてもらったり、通っているのはプライベートスクールで、授業料は1か月$10だと言うのを聞いたりした。がんばっている。底抜けの明るさと素直に人を信用するところ。そして素敵な笑顔。どうか変わらないでほしい。

 旅行者なんてみんな勝手なものだ。ちょっとの滞在で好き勝手なことを言う。私もその一人。ここも便利になり、観光地として発展してくると人も変わってくるだろう。よりタイやインドに近付いて行くに違いない。でもどうか金、金、金という目にだけはならないで欲しい。それは観光地として最悪の完成形なのだ。

 この時期にここへ来れて本当に良かった。シェムリアップという素晴らしい土地と素敵なあなたたちのことは一生忘れない。ありがとう。

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