令和3年8月12日から17日まで富山市総合体育館にて「令和3年度全国高等学校総合体育大会卓球競技 第90回全国高等学校卓球選手権大会」が開催されました。

 コロナ禍の影響で昨年度は中止となっていたので2年ぶりの大会です。厳重な感染防止対策がとられ、開会式は各校代表1名・無観客・応援や声を出すことの制限・健康管理チェックなど、かつての活気ある”インターハイらしさ”はありませんが、高校生最大のイベントの高揚感は変わりません。

 初日の13日は男女学校対抗の1~2回戦が行われました。

 9時からは女子の1回戦は真岡女子(栃木)と対戦しました。真岡女子とは、西飯美幸さん、由香さんを擁して上位進出を狙った平成3年、松井夏美さんがエースだった平成19年、桒村菜月さんの平成26年と過去3回対戦して3回とも敗れている因縁の相手です。

 トップの新井菜央③と山脇ゆき②が同時並行スタート。


 新井はカット選手と対戦。丁寧に粘って1ゲーム目を先取しますが、相手のミスが減った2ゲーム目から徐々に苦しい展開に。1-1で迎えた3ゲーム目の後半にリードを守れず10-11と逆転されます。ここで相手が万全を期してかタイムアウトを取ると、逆に新井も落ち着きを取り戻し再逆転し11本で奪い返します。4ゲーム目は快調に飛ばして貴重な先取点をゲット。


 2番の山脇は無理をしない丁寧なプレーでリードを広げて3-1で追加点。


 ダブルスの番条梨沙③・山脇は9本で先取し11本で取り返されます。しかし慌てず徐々にギアを上げて6本、4本で抑えて4度目にしてようやく真岡女子にリベンジを果たしました。

 男子の1回戦は12時から関東2位の埼玉栄と対戦。

 前半は宮﨑礼央②と小笠原宏樹③が同時並行スタート。


 宮﨑は相手エースと対戦し、気負った1ゲーム目は8本で取られますが、ラリー戦も緩急をつけて相手のミスを誘います。相手も凡ミスの少ない丁寧なプレーをする選手で、一進一退の攻防が続きます。宮﨑が偶数ゲームを取りゲームオールに。しかし要所で台から少し出るサービスを狙われて少しずつ点差を広げられます。それ以外は進歩の跡が見られる悪くない展開だっただけに悔やまれます。


 小笠原は緊張気味のスタートながら、時折鋭いフォアハンドで得点を重ねます。しかしリードしていた1ゲーム目を逆転で奪われます。慌てず焦らず相手のドライブを狙い撃つカウンターが入りだすと互角の展開に。1-1から接戦の3ゲーム目を11本で奪いますが4ゲーム目を取られてゲームオールに。中盤まで競り合いますが、終盤は積極的に3球目を狙ったのが功を奏して6本で突き放し、貴重な先取点を取りました。


 ダブルスの岩戸佑樹③・小笠原は、ダブルスの上手い相手に自分たちのプレーをさせてもらえません。懸命にチェイスしますが空回りさせられてストレートで敗戦。

 後半は岩戸と松尾尚紀①に託します。


 岩戸は緊張からかリズムに乗れないスタートでしたが、途中から少しずつ冷静さを取り戻し本来のプレーに。ポイントは接戦になりますが、臆せずしっかりラケットを振ってナイスボールを連発しペースを掴みます。最後は相手が根負けして3-0でチームも2-2のタイに。


 ラストは県予選でも値千金の勝ち星を挙げた松尾の勝負強さに賭けます。ところが相手の強烈な両ハンドドライブを浴びて糸口を見いだせずに試合が進みます。手痛い敗戦となりましたが、貴重な経験となったはずです。新チームの主力としてワンランクアップが期待されます。

 強豪相手に3年生の二人がポイントを挙げるも一歩及ばず。二人の落ち着いた力強いプレーは去年の今頃には考えられませんでした。この数か月で一気に力をつけた感があります。宮﨑も技術的にも精神的にも力強さを増しましたが、まだ気持ちのコントロールという課題が残りました。松尾以下は新チームで誰が抜け出すのか?激しい競争が始まります。


 女子の2回戦は明誠(島根)。

 中村華子③と山脇の前半。


 中村は落ち着いたスタートで1-1に。ところが3ゲーム以降はポイントが伸びず、無理して失点を重ねる苦しい展開に。残念ながら1-3で敗れます。


 エース対決となった山脇でしたが、ここ最近散見される甘い出足で苦戦が続く悪癖が出て1ゲーム目を10本で奪われます、2ゲーム目は取り返しますがそこから相手も調子が上がり接戦に。5ゲーム目も中盤で離され必死の攻撃で反撃を試みます。8-10から5回のマッチポイントを凌ぎますが、相手の巻き込みサービスに手を焼いて12本で万事休す。


 相手のダブルスは左・左。対策も練ってきましたが、相手は前半で2-0でリードした勢いそのままで軽快なプレー。こちらは防戦一方で、サービス・レシーブから大きく動かされてペースが掴めません。気がつけばアッという間に追い込まれてまさかのストレートで敗退。

 全国選抜で創部以来初のベスト8に進出し、さらに新入生の補強もあって今回のインターハイはベスト4を目標に立てて取り組んできました。勢いに乗れば全国選抜のような快進撃もあれば、ちょっとしたボタンの掛け違いで今日のような敗戦もあり得るのが高校生の卓球です。手痛い洗礼ですが、勉強になったはずです。

 大会二日目はダブルスの1回戦から3回戦までが行われました。

 午前中は男子ダブルス。

 岩戸佑樹③・小笠原宏樹③がチャレンジ。


 初戦は鹿児島工業と対戦です。団体戦のなかった相手ペアは出足から緊張が見て取れましたが、岩戸・小笠原はいつも通りの落ち着いた出足です。しっかり動いてしっかり攻める。練習してきたことを発揮できました。危なげなくストレートで勝利です。


 2回戦は安田学園(東京)と対戦。肩の力の抜けたプレーで出足から快調に飛ばし8本で先取。2ゲーム目も勢いは衰えず競り合いになり9-9に。そこから上手くコントロールできずに奪われます。3ゲーム目も出足からリードしますが、相手タイムアウトから流れが変わり痛恨の逆転を喫します。4ゲーム目の競り合いもモノにできず無念の敗退。

 午後からは女子ダブルス。


 1年生ペアの由井心菜・竹原優菜が済美(愛媛)と対戦しました。多少の緊張はありましたが、懸命に攻めて競り合いに持ち込みます。1ゲーム目は9本で競り負け、2ゲーム目もリードしますが追いつかれて11本で逆転負け。すると相手も調子を上げて3ゲーム目は5本で取られて万事休す。これからの白子高校を背負って立つ二人です。この経験を今後に活かしてもらいたい。


 団体戦では不完全燃焼だったエースペアの番条梨沙③・山脇ゆき②は2回戦から登場。四学香川西と対戦。一方的に攻めますが精度に欠けペースが掴めません。しかし最後まで気持ちで引くことなく要所を締めて9本、7本、10本でシャットアウト。


 3回戦は福井商業と対戦。前で攻める相手に対してラリーになると不利な展開に。ここ一本は積極的に3球目、4球目を狙う作戦で相手にプレッシャーをかけます。それが功を奏して1-1からの3ゲーム目を10本で奪うと4ゲーム目は一方的な展開に。まだまだ全開とはいきませんが少しずつ調子を取り戻しつつあります。

 3日目はシングルス1回戦とダブルスの8決定戦から。

 シングルスには1回戦シードの由井心菜①を除く男子3名、女子3名がチャレンジです。

 午前中は男子シングルス。


 先陣を切ったのは宮﨑礼央②。相手は団体戦で岩戸が勝利した埼玉栄の選手です。積極的に攻めますが気負いが目立ち凡ミスが目立つ立ち上がり。中盤から一気に離され6本で先取されます。リードした2ゲーム目でしたが逆転され11本で取られて後がなくなります。3ゲーム目もリードされて敗戦ムードが漂い始めましたが、6-9から諦めずにプレーすると相手も力み始めて10-9と逆転に成功。追いつかれましたが10本で何とか奪い返しました。すると流れが一気にこちら側に。4ゲーム目を7本、5ゲーム目を6本と見事な逆転勝ち。


 岩戸佑樹③は南風原(沖縄)の選手と対戦。硬さのみられる相手に対して岩戸も緊張気味のスタート。しかし何とかつないだボールを相手がミスを連発して6本で先取。すると流れを掴んだ岩戸のボールが入りだして2ゲーム目を5本。3ゲーム目を8本と連取してストレートで快勝。


 小笠原宏樹③は関西(岡山)の選手と対戦。積極的に攻めますが自滅を繰り返して1ゲーム目を先取されます。少しずつ冷静さを取り戻してフォアハンドが面白いように入りだして7本で奪い返します。開き直った相手もナイスボールを連発して4本で取られますが、食い下がった4ゲーム目が勝負のポイントとなりました。前半リードを許しますが中盤で逆転。互いにタイムアウトを取り合い戦術を確認します。9-9まで競り合いましたが、最後は相手の渾身のチキータ2本を決められて万事休す。

 昨年の今頃から考えれば、彼がインターハイの個人戦に出場するイメージすることはできませんでした。しかしこの半年で一気に力をつけて、インターハイ予選ではシングルス2位、ダブルス2位、団体戦も劇的な勝利でチームを代表に導くなど大車輪の活躍を見せてくれました。残念ながら初戦敗退となりましたが、彼にはまだ三重国体の代表としての重責が待っています。この敗戦を糧にしてもらいたい。

 男子が終わると女子のシングルスが始まりました。


 中村華子③は正智深谷(埼玉)と対戦。1ゲーム目はサービス・レシーブが効果的で9本で先取。2ゲーム目はロングサービスを中心に攻められて奪い返されます。その流れが経ち切れず3ゲーム目も取られて後がなくなります。4ゲーム目もリードされ苦しくなりますがタイムアウトで頭を整理して見事に逆転してゲームオールに。5-4、6-4、8-5とリードしてゴールが見えてきましたが、レシーブをフォアサイドに集められて流れが変わり、気がつけば6本連取され悔しい逆転負け。

 敗れはしましたが、地道な努力で頑張り通した3年間の集大成とも言える頑張りを見せてくれました。進学して卓球を続ける予定の彼女です。この姿勢が変わらなければ今日のリベンジは果たせるはずです。


 番条梨沙③は由利(秋田)と対戦。緊張した1ゲーム目を9本で取られる苦しいスタート。そこから得意の大きい展開に持ち込んでミドルを攻める作戦が功を奏して5本と4本で王手をかけます。すると相手も大きいサービスに対してもツッツキをする作戦で競り合いになります。9-9からタイムアウトを取って冷静さを取り戻したのか、そこからは崩れることなく10本で抑えて3-1で勝利しました。


 山脇ゆき②は青森商業のカット選手と対戦。出足から快調に飛ばして6本、1本と追い込みます。ところが相手がじっくりと間を取るようになるとリズムが悪くなり9本で取り返されます。その後も相手のカウンターに苦しみますが、それを待てるようになるとペースは再びこちら側に。最後は7本で抑えて3-1で勝利です。

 午後からは番条・山脇がダブルスの4回戦(ベスト8決定戦)に臨みました。


 相手は第1シードの四天王寺。国際試合でも活躍する強豪選手たちです。多彩なサービス・レシーブで崩されてなかなか思うように攻めることができません。何とか先手を取ってつないでも強烈なカウンターを浴びて打つ手がなくなります。3ゲームを通じてほとんど強打させてもらえず一方的な展開で敗れました。残念ながら相手が一枚も二枚も上手でした。

 本校の選手たちが残すはシングルスのみ。

 大会4日目は、男子の2名と女子の3名が2回戦からチャレンジです。


 男子の宮﨑礼央②は地元富山の高岡龍谷と対戦。出足からサービスが効果的で競り合いを9本で先取。2ゲーム目は強引な攻めで失点 を重ねて1‐1に。しかしその後は修正ができたので危なげなく3ゲーム目を6本、4ゲーム目を7本で抑えて3回戦進出です。


 宮﨑の3回戦は一昨年に久保田大輝さんが敗れた安田学園(東京)の選手でした。強豪選手の質の高いプレーにポイントが伸びず7本で先取されます。接戦になった2ゲーム目も11本で落として後がなくなります。しかし徐々に相手のプレーに対応できるようになるとサービスを活かした展開で3ゲーム目を8本で取り返します。4ゲーム目は力尽きますが、ランクインしたこのレベルの選手とも勝負になるようになってきました。

 入学したころは線の細い感じがした彼も、この一年間で大きく伸びました。全国大会出場、ではなく全国大会で勝つことが目標に変わりつつあります。次世代の本校のエースとして心技体智ともにチームを引っ張っていける成長が期待されます。


 岩戸佑樹③は京都・東山のエースと対戦。鋭いサービス、厳しい両ハンドドライブなどに圧倒されて2ゲームを連取されます。しかしサービスを変えたことで流れが変わります。3ゲーム目を7本で取り返すと4ゲーム目も接戦に。しかし総合力に勝る相手に押し切られて無念の敗退。

 岩戸の相手もその後、ランクインしました。そんな強豪選手に敗れても悔しがることができるようになったことが成長の証なのかも知れません。この一年間で様々な困難を乗り越えてきました。きっとその経験は卓球のみならず、競技をやめた後も人生の糧になることでしょう。


 女子の番条梨沙③。高岡龍谷と対戦。思い切って攻めてくる相手に対し後手後手に回って、攻めるボールも強引すぎてミスを連発します。あの手この手で流れを変えようとしますが、最後まで彼女らしいプレーは見られずストレートで敗退。

 小学生の頃から将来を嘱望された彼女ですが、その期待に応えるべく努力を重ねてきました。素晴らしい試合を見せてくれた後に別人のような崩れ方をするのも彼女の持ち味でした。残念ながら今回のインターハイは理想のプレーからは程遠いものでしたが、積み重ねてきたものは無駄にはならないはずです。


 1回戦シードだった由井心菜①はこの日が初戦です。2回戦で埼玉栄の選手と対戦。1ゲーム目の接戦をモノにして9本で先取。2ゲーム目は2-8で大きく離されますが、あきらめずチェイスすると少しずつ相手のミスも目立ち始めて10本で大逆転勝ち。そうなるとイケイケでポイントを重ねて3回戦進出。


 3回戦は茨城の大成女子と対戦。互いに譲らず激しいラリー戦となります。しかし台から少し距離を取って安定した両ハンドドライブ連打の由井に対して、リスクの高いプレーをする相手と少しずつ差が出てきて8本、9本で連取すると、3ゲーム目は追いすがる相手を突き放して14本でストレート勝ち。


 4回戦はいよいよランク(ベスト16)決定戦です。全日本ジュニアで山脇が敗れた四天王寺の選手と対戦。やはり激しいラリー戦になるのですがここまでの試合と違い、攻めても守ってもなかなか相手がミスしてくれません。さらに厳しいコースを突かれて、気が付けば7本、6本、6本のストレートで敗れました。

 敗れはしましたが、1年生でランク決定戦まで進むことができました。派手なプレーはありませんが、堅実な攻守でじわじわと相手にプレッシャーをかける戦型は速攻系の選手が多い本校では異色の存在です。ただやはり今日の敗戦のように技術に勝る速い攻めをする相手には苦戦を強いられます。次の一手は?期待しましょう。


 上位進出が期待される山脇ゆき②の2回戦は高岡龍谷と対戦。ポイントこそ競るものの終始無理をしないプレーで要所を締めて9本、9本、8本のストレートでシャットアウト。安定した試合運びでした。


 続く3回戦は希望が丘(福岡)と対戦。威力のある山脇のボールを受け止めてラリー戦に持ち込まれます。バック対バックでもミスなく押し込まれ、展開を変えようと回り込むも、しっかりとフォアサイドにブロックされて勝機を見出せません。1-2で迎えた4セット目を11本で振り切られて残念ながら3回戦でストップ。

 昨年度の全日本ジュニア、全国選抜と大活躍を見せてくれた彼女ですが、今年度に入ってからは県外大会はもとより県内大会でも精彩を欠く試合が続きます。まずはその原因を究明して立て直しを図ってもらいたいと思います。言うまでもなく非常に高い能力を有した選手です。ちょっとしたきっかけで復活する可能性は高いはず。奮起が待たれます。


 コロナ禍の影響で2年ぶりに開催された今年のインターハイ。

 様々な規制がありますが、「大きな声を出してはいけない」というのが選手たちにとっては苦しい規制です。日頃の練習の成果を発揮する大舞台で全てを出し切るために、心の底から気持ちを入れて出す声がインターハイの風物詩でした。叫びたい気持ちを押さえてプレーしたり、チームメイトの頑張りを鼓舞するベンチや観客席からの声援がないのはやはり寂しいものです。

 来年のインターハイにはコロナが収束して今まで通りの活気あるインターハイに戻ってくれることを切望します。

 本校の選手たちにとっては、やはり今年も様々なドラマのあったインターハイだったと思います。無観客でガラガラの観客席は少し寂しいものがありましたが、すべての試合をネット配信していたので、保護者の皆様をはじめチーム白卓の皆様もご覧になった方もいたはずです。

 勝っても負けてもまた次の試合に向けて再始動します。特にカンパをしていただいた卒業生の皆様には感謝しても感謝しきれません。


 本当にありがとうございました!