'10 沖縄インターハイ
'10 沖縄インターハイ

 平成22年8月7日から12日まで、宜野湾市立体育館と沖縄コンベンションセンターにて、「平成22年度全国高等学校総合体育大会卓球競技 第79回全国高等学校卓球選手権大会」が行なわれました。

 南国で暑いイメージのある沖縄でしたが、日中の最高気温は30度を少し上回る程度で、大会期間中は札幌の最高気温のほうが高い日もありました。ただ、日差しの強さは体験したことのないもので、直射日光を浴びると肌が痛いと感じるほどでした。


 7日の開会式を終えると8日からいよいよ競技開始です。先陣を切って女子が鳥取敬愛高校と学校対抗一回戦に臨みました。

 トップは長澤玲奈A。先月末の中部日本選手権ジュニアの部で決勝に進出するなど力をつけ、勢いと元気のよさでトップに起用されました。相手エースとの対戦でしたが、緊張からかいつものように安定したラリーに持ち込めません。相手の攻撃をカウンターで待ち受ける得意のプレーも影を潜めストレート負け。厳しいスタートとなりました。

 続く二番は西川千裕A。得意のカットマンに対し、これまた出足は固さが見られましたが、1セット目を競りながらも先取し、落ち着きを取り戻しました。2セット目以降は剛柔使い分けたカット打ちを見せストレートで下しました。

 三番は勝負のポイントになるダブルスの西川・酒井眞菜A組。悪くないスタートでしたが逃げ切られて1セット目を失います。するとリズムが徐々に悪くなり2セット目も失い後がなくなります。開き直った3セット目を完勝すると4セット目も常にリードを奪う展開で10-8。しかしそこから勝ちを意識してまさかの4点連取で痛い星を落としました。

 流れは完全に相手に傾きましたが、四番の酒井はダブルスでのうっぷんを晴らすような見事なカット打ちで相手を圧倒し、再びチームに勢いが戻りました。

 ラストは辻浦沙紀A。団体・個人戦通して全国大会初出場でしたが、落ち着いたプレーで接戦に持ち込みます。しかし相手も粘り強いプレーでなかなかリードを奪えません。2セットを連取され崖っぷちに。ところが追い込まれて開き直ったのか、練習で見せる反転プレーを使い始めて一気に流れはこちら側へ。4セット目も大量リードを許すも決して諦めないプレーで徐々に挽回しジュースになります。ベンチも観客席も最高潮に盛り上がりましたが、最後はサービスミス、レシーブミスで万事休す。

 終わってみると、全体的に勝ちたい気持ちが強く出過ぎ窮屈なプレーになってしまったように思います。

 8日は台風が接近し昨夜から強風&豪雨で、今日の開催を心配するほどでした。ダブルスの1〜3回戦が行なわれました。

 本校からは男子の伊藤俊介B・内田芽人A組、女子の西川千裕B・酒井眞菜A組と長澤玲奈A・近藤亜希A組が出場しました。

 男子の伊藤・内田組はこの種目のみの出場だったため、この1ヵ月ほどはダブルスに重点を置いて練習してきました。1回戦は富山県ペア。お互いに団体戦に出場してないのでこの試合が初めての試合です。固さが見られた出足でしたが、伊藤だけは最初から力の抜けたプレーで内田を引っぱります。ボールの止まる台に苦戦しながらも凡ミスの少ないプレーで3-1で勝利しました。続く2回戦は青森の強豪ペア。1セット目10-8とリードするも相手の巧みなサービスにやられ逆転負け。2セット目以降もラリーになると互角に近い勝負になるのですが、レシーブが乱れてストレートで敗れました。しかし、ダブルスのみの出場ながら、今日までしっかりとモチベーションを高められたことは大いに評価できます。たった1勝ですが、大きな意味のある1勝だったと思います。

 女子の長澤・近藤組はカットと粒高の秋田県ペアと対戦。組み合わせが決まってから対策練習は随分やりましたが、相手のサービスに対しレシーブミスが多く出てペースが掴めませんでした。流れに乗れないまま試合は進み、ストレートで無念の敗退。しかし、2年生でこの舞台に立てたのは収穫です。本番前の準備と実際の試合とのギャップはなぜ生まれたのか?経験しないと分からない部分を来年は埋めてもらいたいと思います。

 女子エースダブルスの西川・酒井組は島根県ペアを3-1で降し2回戦へ。京都ペアとは接戦になりましたが、よく動きパートナーにボールを回すダブルスの基本を忠実に守り、要所要所でのサービスも効いて快勝しました。ベスト16決定となった3回戦。相手は強豪の神奈川県ペアです。ここを切り抜ければ目標であるランク入り(ベスト8)も見えてきます。出足はサービスが良く効き、快調に1セット目を先取します。続く2セット目も常にリードを奪う展開で10-8と追い詰めます。しかしここから少し勝ちを意識したプレーにつけ込まれジュースで失うと流れは一気に相手側へ。足をしっかり使い粘りますが、大きく動かされつないだボールを狙われる苦しい展開に。結局、健闘むなしく1-3で敗れましたが良く頑張りました。前日の団体戦のショックを振り払うような明るい表情と積極的なプレーで選手、保護者合わせて20名を超す応援団も盛り上がりました。応援していても一緒に乗れる最高の雰囲気を最後の試合でできたのは大いに評価できます。

 沖縄に入って6日目。10日からシングルスが始まり、初日は男女それぞれシングルス1回戦のみが行われました。

 男子は県予選1位通過の松下貴亮Bが新潟県の選手と対戦。お互いに個人戦のみの出場とあって出足は固く、相手より少し丁寧なプレーをした松下が先取。しかし落ち着きを取り戻し粘る相手に対して、気負いが目立つ松下は攻撃を仕掛けるもことごとくミスし、接戦を落として1-2とリードされます。4セット目も後半までリードを許しますが、そこから丁寧に守備に徹し相手の焦りを誘いセットオールに持ち込みます。5セット目は逆に気負う相手に対して普段のプレーができるようになり快勝し、何とか1回戦を突破しました。

 小川翔Aは山梨県1位の選手と対戦。左利きの相手に対して出足から積極的に攻撃を仕掛け幸先良く先取します。ところが徐々に相手のプレーにミスがなくなり苦しい展開に。サービスを持った時に果敢に攻撃を仕掛けるも要所でミスの少ない相手のプレーが一歩上回り1-3で惜敗。しかし今日は大事な場面でも弱気になることなく積極的にプレーすることができたのが収穫です。苦しい場面でも崩れず踏みとどまった相手が一枚上手でしたが、内容的には悪くない試合だったと思います。来年こそはこの経験を生かした試合で勝ってもらいたいと思います。

 女子は酒井眞菜Aはシードされていたので1回戦はなく今日は試合はありませんでした。

 辻浦沙紀Aは愛媛県1位の選手と対戦。左利きの相手のサービスを上手くレシーブできず完敗でした。粒高の変化プレーが身上だけに、プレーの幅を広げないと高いレベルでは通用しません。しかしこの半年で飛躍的に力を付けた頑張りは財産として残ります。最後の1年間でどこまで経験を積み、どこまで努力できるか。地道に練習に取り組む今の姿勢が変わらなければ伸びしろはあります。

 長澤玲奈Aは富山県1位の選手と対戦。相手はランクに入る実力のある強豪選手です。直前の長野フェスティバルでも対戦し、手の内は分かっていましたが、すべての技術において相手が一枚上手でした。今大会、団体・ダブルス・シングルスともに力を発揮できずに残念な結果、内容に終わってしまいました。直前の中部日本などで活躍し、周囲も本人も期待するところがあったと思いますが、それが逆に足かせとなってしまっていたかも知れません。結果を出せば、「次もきっと…」と期待するのは当然ですが、それが受け身になってしまう原因にもなりかねません。常にチャレンジャーの気持ちで戦うのは基本ですが、有る程度結果が出ると欲も出てしまいます。揺れ動く心をコントロールするのは大変難しい。しかしこの道は強くなっていく上で誰もが通る道だと思います。来年こそは…。

 そして三年生の西川千裕は栃木県4位の選手と対戦。出足こそ固かったものの得意のサービスを生かして徐々に自分らしいプレーが出て3-0で完勝。団体戦が不本意な内容、結果終わり、昨日のダブルスから人が変わったように開き直ったプレーができるようになりました。その心境でプレーすれば練習通り、上手くいけば練習以上の力が発揮できます。「結果にこだわらず思い切ったプレーを」と言葉では簡単に言えますが、実行するのは容易ではありません。いわゆる、「ゾーン」に入った状態になれば、明日の強豪選手との対戦も面白いものになりそうです。

 11日は前日シングルスで勝ち残った松下貴亮、西川千裕と、シードで試合がなった酒井眞菜が2回戦にチャレンジです。

 松下は福岡県の選手と対戦。序盤からミドルにドライブでしっかり粘られます。最初は相手の粘りに対応できませんでしたが、徐々に慣れて長いラリーになりました。決して上手なカット打ちとは言えないプレーでしたが、凡ミスの少ない連続ドライブに最後は押し切られてストレートで敗れました。松下は大学進学後も卓球を続ける予定です。2年生の冬以降にようやく結果が出始めたばかりなので、さらに高いレベルで戦える選手を目指して卒業までしっかりと精進してもらいたいと思います。

 昨年1年生ながら3回戦に進出した酒井は、山口県のカットマンと対戦。この1年間、苦手だったカット打ちを克服するため練習を積んできました。しかし、ボールが弾まない卓球台に戸惑って出足をモタつくと、ペースをつかめないままズルズルと試合は進み、ばん回するきっかけも掴めず0-3で敗れました。攻撃型の選手に対しては勝ちあがる力をつけてきたのは事実ですが、安定した力を発揮するにはもう少し精進が必要です。高校最後の一年間で結果を出すために努力を続けてもらいたい。

 西川は大阪府の選手と対戦。お互いに少し固さが残るプレーでスタートし、一進一退のまま試合は進みます。お互いに決め手を欠くまま2セットを先取され3セット目もリードされますが、追い込まれてから開き直ってフォアハンドを多用するプレーで一気にペースは西川に。最後の最後まで思い切ったプレーを見せてくれましたが、出足のアドバンテージをばん回できずに万事休す。努力に努力を重ねストイックに卓球に取り組んだ三年間でしたが、卒業後も進学して卓球を続けます。今回のインターハイで掴みかけた”開き直る”プレーは、試合で勝つために必要なものです。技術の習得とともに試合の勝ち方も身につけてもらいたい。

 今回のインターハイも勝ち上がることの厳しさを知ることになりました。インターハイに出ることと、インターハイで勝ち上がることには大きな隔たりがあり、運やタイミングもあるので、努力したからと言って必ず結果が出るとは限りません。しかし偶然めぐってきたチャンスをモノにするには、日ごろ努力は欠かせず、いつの日にかそのチャンスをモノにするために地道に努力を続けるしかありません。

 最後に今回も遥か離れた沖縄での開催にもかかわらず、大勢の保護者や卒業生の方々に駆けつけていただき、大きな声援をいただきました。言葉に尽くせないほどの感謝の気持ちを、これからも頑張り続けることで応えたいと思います。ありがとうございました!