第3回 小松寅吉・小林和平作品ツアー 8

関和神社

関和神社 吽
寅吉は近隣の石工たちにかなりの影響を及ぼしたようです。
この神社は予定外でしたが、途中、狛犬がちらっと見えたのでチェック。
石工名はありませんでしたが、明らかに寅吉狛犬の系統です。明治20年ですから、寅吉は43歳。まだ自分の銘を入れていなかったときの作品かもしれませんし、寅吉工房の他の誰かの作品かもしれません。

国津神社

国津神社の狛犬
寅吉・和平が影響を与えた石工のひとりに梅沢敬明がいます。
鹿嶋神社参道に昭和28年建立の「石工 福貴作 梅沢敬明」と刻まれた凝った灯籠があり、これを見つけた当初は、昭和28年の時点でも寅吉工房は存続していたのかと思ったのですが、この梅沢敬明という石工は、福貴作に居を構えていたものの、寅吉とはなんの師弟関係もないということが分かりました。
東京美術学校(現東京芸大)の彫刻科を卒業した後、妻の実家がある福貴作に移り住んで石工になったという変わった経歴の石工で、彫刻家らしい凝った造形をめざしたようです。このデコラティブ?な狛犬を見てください↓
梅沢敬明の狛犬 吽 梅沢敬明の狛犬 阿
梅沢敬明の銘 顔はまったく違うものの、構図や尾のデザインなどは、和平狛犬の影響を明らかに受けていると思います。
すごい技術だとは思いますが、この顔はちょっと……私には馴染めませんでした。
技術があればいいというものでもないのですねえ。難しいものです。
しかし、全国的に見れば、これだけ技巧的な狛犬も珍しく、やはりこの地域に、寅吉や和平といった天才石工がいたからこそ、石工全体の技術が大幅にレベルアップしたことは間違いないでしょう。
銘を見ると、梅沢敬明には智明という跡取りがいたようです。戦後も、かつての小松寅吉・亀之助父子や小林和平が築いた「南福島技巧派石彫刻」の伝統を受け継いだと言えるでしょう。

■Data:国津神社(西白河郡東村深仁井田)
ο建立年月・昭和25(1950)年2月25日。ο石工・梅沢敬明・智明
ο撮影年月日・2004年7月24日。



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