南福島の狛犬2

 那須で遊びすぎてしまったために、この時点ですでに午後1時を回っていた。地図には神社がいっぱい記してあるのだが、本命の古殿八幡にまだ明るいうちに着きたいため、かなり途中をはしょることに決定。

境の明神・住吉(二所ノ関)神社

 国道294号線の栃木・福島の県境に2つの神社がある。栃木県側が玉津島神社、福島県側は住吉神社(別名二所ノ関神社)。実はこの地こそが有名な「白河の関」跡である。
 ここからかなり離れた旗宿という村落に「白河の関跡」があるが、あれは芭蕉の「奥の細道」や一遍上人絵伝に登場する白河の関とはなんの縁もない。大和朝廷時代に対蝦夷の前線基地として建設されたもので、「せき」の字が違う。
 ところが、最初にここが史跡として指定されたために、以後、江戸時代の通行関所としての「白河の関」と混同されているようなところがある。
 この関所に住むI氏は、私の親類筋にあたり、ここから数キロ離れた白坂という地区には長い間叔父一家が住んでいた。私も子供の頃、夏にはよく預けられていたので、ある程度土地勘があるのだ。
 福島県側の住吉神社は相撲の二所ノ関部屋の縁でもあるらしいのだが、当の親方はそのことをまったく知らないというような話も聞いたことがある。ここにお参りすれば成績も向上するのでは? 二所ノ関親方。
 境内に残る灯籠などは享保年間やそれ以前のものが多いのだが、狛犬には残念ながら建立年が刻まれていない。ただ、奉納者の地名が「江戸、仙台、越後」などとなっていることから、江戸時代のものであることは確実だろう。


↑恐らく1700年前後のものと思われる江戸時代の狛犬。出来はかなりいい。

■Data:境の明神・住吉(二所ノ関)神社(福島県西白河郡西郷村):ο建立年・不明。ο石工・不明。撮影年月日・99年12月18日。


境の明神・玉津島神社

 隣り合った神社だが、管轄は別々の県。こちらは那須町の指定史跡。かつて、社殿内に古い仏像があったのだが盗まれてしまった。
 それにしても、旗宿の「白河の関跡」で、「ここを大名行列が通ったんだぁ」などと嘘の案内をするのはやめてほしいものである。


↑こちらは安政三年の年号が刻まれている。両方とも口を開いた「阿」形。

■Data:境の明神・玉津島神社(栃木県那須郡那須町寄居):ο建立年・安政3(1856)年4月。ο石工・不明。撮影年月日・99年12月18日。



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