市民より建設業者を優遇する松戸市役所
松戸駅西口の二丁目地区、伊勢丹の斜向にマンションが建てられようとしています。

本来は商業施設が建つべきこの場所にマンションが建ってしまうことで、今後の松戸駅西口が商業地として発展していく望みはかなり薄くなってしまいます。

そして、このマンション、松戸市政全般に関わるいくつかの重要な問題点を孕んでいます。

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■ひとつめの問題点

松戸経済の衰退は、商業面においては、松戸駅周辺の商圏縮退と、北部、東部地区の購買力が他市に奪われてしまったからであることはいうまでもありませんが、商圏の確保には、買回品(消費者が気に入ったものを購入するためには多少の移動を厭わない商品)を扱う店舗の売場面積(=品揃えを表す数値として代用)の当該地域における合計が大きく影響することは、経済地理学の世界では古くから通説(注1)となっています。また、買回品購買行動は従来よりレジャーに類似したところがあり、街を周遊する特性を見せるため、特定の用事を目的とする来訪者よりも、顧客が周辺の飲食店、雑貨店などを利用する確率が高まります。今回、2丁目でマンションが建てられようとしている土地が「松戸市経済の中枢を担う西口における左手の天王山」であるということを、社会資本整備にかかる実務を市民から委嘱されている松戸市役所は認識できていません。かかる場所、広域から集客が望める商業施設、もしくは、公共施設が建設されるべき場所です。しかしながら、松戸市役所は、商業地区の建物に対して一定以上の商業用面積を確保させることを定めている市の規制を捨ててまで、建設業者の意向どおり、ほんの少ししか店舗がない建物を建てることを許してしまっています。伊勢丹斜向という場所は、扱い方によっては、市経済の活性化に大きく寄与できる土地であることは誰の目にも明らかです。このことは松戸市の都市整備行政に経済的観点が完全に欠如していることを象徴しています。

■ふたつめの問題点

松戸市役所は、この土地を生かすことも考えられないどころか、過去に建築確認がとられて今現在も民家の玄関が面している道路を「存在していない」と平気で言ってのけています(これが違法であることは最高裁で判例が出ています)これにより、マンション建設が「開発行為」にあたらないものとなり、行政の指導を受ける必要がなくなります。すなわち、あるはずの道路を無いと言ってしまうことで、松戸市役所は建設業者(プロジェクトをコーディネートしている商社)に便宜を図ったことと同じとなるわけです。また、都市計画上、道幅拡張を計画している旧水戸街道に対するセットバック(土地境界線を後退させることで前面道路を拡幅すること)について、松戸市役所は建設業者に対して通告していないのです。マンションが建ってしまったら、セットバックにかかる費用は建物を削るところから積み上げなければならなくなります。現実的には松戸市役所は水戸街道の道幅拡張を諦めたことになります。これらのことは松戸駅西口における都市整備行政が無法化してしまっていることを示します。そして無法化をしでかした張本人は松戸市役所そのものです。

■みっつめの問題点

以上、ふたつの論点については、地元住民から松戸市役所の対応に異議が出され、地元住民なりのまちづくりの対案が提示されています。本来は「まちづくりマスタープラン」に記載されているとおり、当地で商業振興を図るべく建設業者と折衝を行うはずなのが市役所の市民に対する立場だからです。
ところが、議会内委員会の市議の質問に対する答弁で担当部長は
「事業者と地権者の合意があれば市は協力する」「建設業者の意向を確認し、住民と話したい」
などと言っています。
土地の所有者は建設業者であり、所有者の意向が法的には優先されるということも解ります。しかし、それ以上に、あの土地の用途自体が地元住民だけでなく松戸市民全体にとって重要な公共財であるのです。まずは、地元住民や松戸市民の意向を重視し、そのうえで建設業者と話をし、住民の代表として合意をとりつけてくるのが市民から行政を委嘱されている市役所の務めのはずです。しかしながら、松戸市役所の姿勢にはマンション建設業者の思惑は色濃く反映されながらも、我々松戸市民の意思は全く存在していません。これは、既に都市整備本部という組織の感覚が世間一般の常識の通用しない世界に行ってしまっていること、さらに、当該地域で生活や商いをしてきた住民の将来よりも、通りすがりのマンション建設会社の便宜を優先していることを明示しています。

■さいごに

本件は土地開発問題というだけでなく、松戸市における経済戦略の問題でもあり、松戸市役所という組織の市民に対する姿勢の問題でもあります。
いつの日か、皆さんがお住まいの地区で、松戸市役所により同じような仕事振りが繰り返されることになります。
決して、一地域の問題と切り捨てずに関心を持ち続けてください。
松戸市役所のいい加減な行政、次の被害は貴方の生活に及ぶかもしれません。

注1:「コンバースの法則」。参考図書としてはいろいろありますが、日経文庫/山下勇吉著「商業立地の知識」72頁〜が、値段も手ごろで説明も解り易いです。

松戸駅西口の2丁目マンション問題については下記HPに詳しく掲載されています。
直接あるいは間接的にも、いずれは松戸市民全員に影響を与える問題です。
是非ご覧になってください。


本町自治会HP/丸紅問題
http://www.intership.ne.jp/~honcho/2-sankoh-siryo.htm

よくわかる松戸本町/松戸西口の挑戦!
http://e-matsudo.hp.infoseek.co.jp/

本町ジャーナル
http://www6.ocn.ne.jp/~tante/index.html#marubeni

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