“みやのすけ”のベスト5歌謡曲

 みなさんはじめまして。物心ついたときから歌謡曲一筋で早30数年!
そんな私にとって、5曲だけを選ぶのはかなり至難の業。ということで、とりあえず今回はその物心ついた頃(昭和40年代前半)によく歌った曲ベスト5を選びました。(by みやのすけ)

1 ブルー・ライト・ヨコハマ/いしだあゆみ 橋本淳/筒美京平 1968
みやのすけ: これは小学校に入学した頃、親に初めて買ってもらった歌謡曲のレコード。
当時、詩の内容などわからず、ただ単に悲しい歌だと思って聞いていた。思えばこの頃の大ヒットってほとんどマイナー調でしたね。私にとってこの曲は、翌年に買ってもらった「サザエさん」と併せて筒美京平作品にのめり込むきっかけとなった作品です。
伽 羅: いいです〜。歌っても楽しいし。彼女の声というか歌い方がクセになるというか・・・。
しかし相当ヒットしたのですよね?後の時代の人間が知ってるんだから・・・。
テリー: 以前うちのターミー大臣が言っていたことなんですが、「同じ昭和30年代生まれでも、前半と後半で歌謡曲の捕え方が違う」そうです。
この曲についてなどは、その違いが結構如実に出るかもしれない。「昭和30年代後半」生まれ組の私としては、この曲には正直、今一歩のめりこめない部分があります。あからさまに嫌いではないんですが……。なぜなんでしょうね?
ターミー: テリーさん、それはですね...夜明けなんです。(また、わからないこと言う)昭和30年代前半生まれにとって、この歌はピンキラと併せて、J-POPの夜明けを象徴してたの。
それまでこぶしがかかってた歌謡曲に、今までとちょっと違うなという感じがしててすっごい新鮮だった。ピンキラの <<♪夜明けのコーヒー〜>>のフレーズにもそれを感じた。
今からみたら、こんな歌謡曲らしい歌謡曲ってないよね。わたしゃ好きだ。

アブラヤ:

おお…ターミーさん、夜明けがキーポイントだったのですか。因みに昭和34年生まれの私は
前半組です。なるほど…だから妙に心にフックする名曲なんだな。まさに歌謡曲!!

2 夜明けのスキャット/由紀さおり 山上路夫/いずみたく 1969
みやのすけ: これも小学1年の頃の曲ですが、レコードは買わず(買えず)にデパートの屋上にあったジュークボックスでよく聴いてました。(レコードがターンテーブルにパタンと落ちるタイプね)確か1曲20円、50円だと3曲聴けました。ちなみに皆さんはジュークボックスでどんな曲を聴いていましたか? 
伽 羅: さおりさんの美し〜い声を堪能できる1曲ですよね。あ〜あんな声に生まれたかったなあ!
ターミー: 夜明けといえば、これも夜明けだ。(そのまんま)昔のジュークボックスって結構いいよね。演歌、ポップス、映画音楽何でも有りだ。しかも曲名が青の万年筆で書いてあったりする。(レコード差し替えのとき、店の主人が自分で書いてたんだね(^^)ところで、当時ラジオのベスト10番組で、レコード売上げやハガキリクエストと同時にジュークボックスにかけられた回数がデータの基にになっていると 説明してたが、どうやってジュークボックスのリクエストデータを集めただんろう。
アブラヤ: ジュークボックスかぁ…そういえば最近ではとんと見かけなくなったにゃ〜〜。(-。-)y-゚゚゚
因みに私、田園地帯育ちなもので(爆)生ジュークを見たのも小学校高学年の頃でした。
そうそう…ターミーさんが仰ったように、この曲も夜明けの歌ですが、やはり時代なので
しょーね。同じラブアフェアを歌うにしても現在の曲に比べてイマジネーティブっすよね。

テリー:

リンク先の由紀さおり研究家チリアーノ氏の絶大なるオーラを反映して(笑)「ほいほい」では完全にカリスマの由紀サマ(もうサマづけでないと許されない?)その出世作ですよね。私も初めて見たとき、スキャットという言葉がわからず「ルルル」で押し通すこの曲は、ものすごいインパクトでした。ジュークボックスとは懐かしい! 実はウチにもあったんす!(今でもウチはスナックやってます)しかーし! 店の商売道具! ガキには触らせてももらえません。(金もかかるし当たり前だ?)んで、私は自らは何も聴いていません。今思うとしごく残念!

3 ブルー・シャトウ/ジャッキー吉川とブルーコメッツ 橋本淳/井上忠夫 1967
みやのすけ: 恐らく歌詞を全部覚えた最初の歌だと思います。やっぱり替え歌の影響は大きかったですね。(ちなみに最後の、ねむ〜ル○ペンって今は放送禁止!)しかし後年、この詩の内容が実は女性の”そのものズバリ”を表していた事を知って目からウロコでしたけど...
伽 羅: 他に瀬戸の花嫁があると思うんですが、最近の曲ではないのかしら?
テリー: え? 女性のそのものズバリ? はじめて知りました!う〜む。
そうならタイトルを「ピンク・シェル」にしてくれなきゃ(核爆)放送禁止用語も、ネットではまだ大丈夫でしょう。びっことかちんばとかおしとかめくらとか(やめれ!)
アブラヤ: 私にとって「ブルーライトヨコハマ」と並んで、イントロ・ザ・歌謡曲の筆頭です。(笑)
それから、もとまろの「サルビアの花」も”そのものズバリ”歌った曲だそうですよ。
ターミー: そうか、橋本淳さんならやりかねないな。(笑)最近、映画やテレビで昔のシーンを流す時、時代を分かって貰う為に当時流行ってた歌謡曲なんかをBGMに使うんだけど、この曲に限っては替え歌の方で出る。NHKの連ドラ「あすか」でも8才の主人公が自転車に乗っていつもこの替え歌を歌ってる。

4 港町ブルース/森 進一 深津武志・なかにし礼 (補) /猪俣公章 1969
みやのすけ: 昭和40年代の歌謡曲を語る上で欠かせないのが、編曲家森岡賢一郎氏の存在。
君といつまでも、想い出の渚、霧の摩周湖、小指の想い出、ブルー・シャトウ、長崎は今日も雨だった、私の城下町、等々すべて氏のアレンジなのです。で、この港町ブルースも当然森岡賢一郎氏のアレンジなのですが、曲の中身もさることながら、この作品はアレンジがすべてと言っても過言ではないでしょう。トランペットソロに絡む森岡印のストリングスが体中に鳥肌を立たせます。私の中の、「イントロベストテン」では不動の1位をず〜っとキープ中。なお、翌年のヒデロザの「愛は傷つきやすく」の間奏のトランペットはこれを応用したものになっていますね。
テリー:

編曲の森岡さんですか。言われてみればものすごいラインナップです。これはしてやられました。脱帽です!森さんのウルトラハスキーボイスも、やはり初めて聴いたときはびっくりしましたね。青江三奈さんの方が少し早かったんですが、それでも男性であの声は衝撃でした。イントロベストテン、う〜ん、ジュリーの「勝手にしやがれ」久保田早紀「異邦人」と

いろいろありますが、一位は北島三郎の「函館の女」だったりします(笑)

伽 羅: 森岡賢一郎さんという方は存じませんが、編曲というのは重要ですよね。歌番組で変にボサノバ調にしたりオーケストラでやったりすると急に「おや?」ということが多々あります。
アブラヤ: う〜む…。森岡賢一郎さんですか?あらためて彼の手がけた曲を拝見する限り、どの曲も名曲揃いですね。やはり今後はクレジットの欄に編曲者も明記した方が良いかもしれないにゃ。
ターミー: 今、思い出した。青江三奈と森進一ふたりで「ためいき路線」と言われてたんですよね。(森進一は「女のためいき」でデビュー)ところで、調べてみたらみやのすけさんが挙げたベスト5、「ブルー・ライト・ヨコハマ」が69年2月10日にオリコンベスト1になって、「夜明けのスキャット」が4月14日にこれに代りトップになり、そして、6月9日「港町ブルース」が続いてベスト1につく。何か特別な思い入れがある年なのでしょうか。

5 ドリフのズンドコ節/ザ・ドリフターズ なかにし礼/作曲不詳 1969
みやのすけ: よくドリフファンの間では、加トちゃん世代と志村世代に分かれて論争を繰り広げているみたいですけど、音楽的には荒井注世代と志村世代に分けるのが妥当ですね。で、この曲、後年「飛べ!孫悟空」の主題歌「ゴーウエスト」のB面にひっそりと再収録されていたのですが、荒井注のところが、なんと志村けんに置き換わっていたのです。ちなみに歌詞は同じでした。私としては、ひいき目なしに見ても土方キャラ(?)が板に付いていた荒井注ヴァージョンが好きでしたね。(志村の東村山音頭は好きでしたが..)この曲のアレンジは他のドリフ作品も多く手掛けている川口真氏ですが、私はドリフの一連の作品で歌謡ポップスの楽しさを知ったような気がします。
伽 羅: 懐かしや、孫悟空。懐かしや、全員集合。 恐ろしや、注さんも出ていて、志村さんが見習いみたいに出てきてた頃を知ってい る・・・。
アブラヤ: あ、「全員集合」が始まったのが丁度この頃だったのでしょうか。私は大好きでしたよ。
このズンドコ節って戦時中に流行った曲だったらしいのですが、今は亡き爺さん婆さんの前
で歌っていたら「そんなしょ〜もない歌を歌うでない!」と怒られた記憶がありまふ。
きっと彼等にとって、戦時中の記憶が蘇ってくるのが辛かったのでせうか…(-。-)y-゚゚゚
テリー: 音楽的に荒井注時代……これも面白い見方ですね。すばらしい。「ゴーウエスト」懐かしい。こちらは「ニンニキニキニキ」ですね(笑)ドリフ版西遊記、人形劇でしたね。加トちゃんがそのまんまの「加ト」役というのが可笑しかった。しかしドリフが加トちゃんから志村けんへ、ボケ役を交替させたのは実に見事に時代の波を反映していたなと、つくづく感心してしまいます。加トちゃんの「ぼけ」はスケベであっても、腹黒くはなかったですよね。キャラクターもそうだった。志村けんの笑いは当初からブラックな味がありました。いい意味でいやらしかった。後の漫才ブームからツービートなどが出てくる時代の空気というか下地は、ここにもあるのかもしれません。
ターミー: ドリフの前にコント55号全盛があって、彼らのギャグが野球拳に見られる様に大人対象になってきたところへ、TBSが裏番組で「全員集合」をぶつけて来た。こちらはあくまで子供対象に続けてきたことで息の長い人気を保った。ボケも最初は高木ブー、次カトちゃん、そして志村だ。テリーさんがおっしゃる通り、だんだん毒が増してきたのは時代の要請だったんだろう。

 次回は川口真氏のベスト5でも選んでみようかな。(by みやのすけ)

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