蟹座のベスト5歌謡曲


1 恋のバカンス/ザ・ピーナッツ 岩谷時子/宮川泰 1963
蟹座: 「くちづけ」「恋」「夏」刺激的な甘美な言葉のラッシュと、ピーナッツの情熱的な歌声に
小学校に入学したばかりの僕は衝撃を受けた。
♪裸で恋をしよう人魚のように♪を長い間、金魚のように、だと思っていた。(苦笑)
伽 羅: 私の結婚披露宴で友達が歌ってくれました。ノリもいいしハモれるし、おいしい楽曲でもありますよね。ちなみにその友人は、急に「お富さん」とか歌ってくれる、素敵な人です。
アブラヤ: うん。メロディの素晴らしさは勿論なのですが、何よりもハモれるっていうのが味噌だと思うんですわ。ひょっとしたらお茶の間にてTVの前に正座した私が、初めて耳にしたハーモニーが、この「恋のバカンス」かもしれませんねぇ〜。(-。-)y-゚゚゚(注:私は現在禁煙中)
テリー: 宮川せんせい渾身の1曲って感じですねー。リズムが素晴らしんです。
詳しくはわかりませんがラテンがベースでしょうね。洋楽の取り入れ方なんか、とてもキッチュで、今のピチカート・ファイブなんか目じゃないと思います。
「日に焼けたほほよせて〜ため息がでちゃう」までの、歌メロの構成なんかもすごい!
うーん。ピーナッツは曲が良いので、どうしてもそっちへいっちゃうんです。

ターミー:

つらつら考えると、ザ・ピーナッツってその後のアイドル/J-POPの元祖だったんだなぁとつくづく思う。キャンディーズのバラエティ路線は「シャボン玉ホリデー」でもうやってるし、カバー物の火付け役だし、バタ臭いジャパニーズポップスは、ちょっと変形しすぎたけど、ピンク・レディーズに継承されてるとも言えなくもない。百恵の結婚引退劇も、ジュリーとの結婚引退と重なる。僕らの世代、彼女達を通してポピュラーの世界に目覚めた人も多い。

2 色づく街/南沙織 有馬三恵子/筒美京平 1973
蟹座: 沙織さんは、外せない。 73年、高度成長に陰りが見えて、その逆に公害、大気汚染と醜いものが噴出して、人々の心に言いようのない不安が広がり終末論「日本沈没」「ノストラダムス」、秋にはオイルショックにトイレットペーパー買い占め、殺伐とした年だった。
僕は17才、将来のことに漠然と不安感を抱いて、よく一人で渋谷の街をうろついた。
都会の慌ただしさ、時代の切迫感、人恋しさ、全てが、その時の自分の気持ちと共鳴した。
やはり、彼女の曲でベストはこれ!
アブラヤ: う〜みゅ…そういえばオイルショックってありましたっけねぇ。私が何よりも吃驚したのは
一個15円だったクリームパンが、或る日突然50円になったのが大ショックだったのだ。
当時、高校受験を翌年春に控えていた坊主頭の野球少年は、シンシアの零れるような笑顔を
心の支えに、せっせと夜遅くまで勉強をしていたのでありましたとさ。(-。-)y-゚゚゚(禁煙中)
テリー: 紅白にカムバックしたときもこれでしたよね。
シンシア自身も、周りのスタッフも「やっぱりこれだ!」と思っているのかもしれません。
伽 羅: わはは、彼女だけ敬称ですか。いいですッ!!
当時がそんな時代だったことなどわからず、思えば幸せだったのかな。

ターミー:

73年の秋は、「神田川」があって、「イエスタデイ・ワンス・モア」があって、「心の旅」があって、「みずいろの手紙」があって、「草原の輝き」があって、「てんとう虫のサンバ」があって、ガロの「ロマンス」があった。
<<♪街は色づくのに 逢いたい人はこない〜 >>あれから27回目の秋が訪れた。

3 「風立ちぬ」/松田聖子 松本隆/大瀧詠一 1981
蟹座: 当時の聖子は、恐いものなしですね。う〜ん、文句なしに名曲です。
♪さよなら、さよならさよな〜ら♪が耳から離れない。
伽 羅: 彼女は、ニューミュージック系っていうか、そっち系統の作品が多いですよね。
イメージとしては、大瀧さんとか財津さんとか、ユーミンとかって合わない気がしてたんですが、バッチリ、素晴らしい世界を作り出してくれてました。
テリー: 声をひそめたりのみこんだりの、彼女の「ぶりっこ唱法」が全開する名曲。しかも大瀧さんらしさも濃厚に出ていますね。伽羅さんの言うように、私も大瀧さんやユーミンはイメージじゃなかった。これがはまっているのは、ズバリ作詞の松本先生の力量でしょう。
ターミー: 秋といえば、この曲も秋の名曲だなぁ。<<♪風立ちぬ 今は秋 帰りたい 帰れない>>
堀達雄の小説は、婚約者が不治の病で軽井沢のサナトリウムに入院、日々変わる外界の景色と
主人公の揺れる心情を淡々と描く。一方、こちらはヒロインがサヨナラサヨナラと言いながら
思い出をひきずりつつ心の旅に出る。彼女の行き先は一体どこだろう。
アブラヤ: うん。そういえば堀達雄の小説は、軽井沢を舞台にした作品が結構多いですよね。
おそらく彼女は、横川辺りで峠の釜飯を食べてから♪今日から私は心の旅人♪と碓氷峠を越えて、軽井沢入りしたのではないかと思います。しかし聖子ちゃんは、やはりサナトリウム
っていうイメージではないなぁ…。(笑)

4 初恋/村下孝蔵 村下孝蔵/村下孝蔵 1983
蟹座: 追悼の意味も込めて、誰にもある、甘酸っぱい記憶が、懐かしいメロデイラインと共に蘇る。
詩が素晴らしい。美しく、情緒豊かな言葉が見事に配備されている。
村下氏は、先ず詩人だ。次に名作曲家、そして叙情あふれる歌手。
伽 羅: あらためて聴いて、本当にいい歌だなあとかみしめました。
素朴であたたかそうな方でしたよね。合掌・・・。
テリー: 村下さんの突然の悲報は、邦楽ファンにとってこの夏の最大のショックとなりました。いつだったか某ラジオ局に出演した時に、アコースティック・ギターでの芸、「一人ベンチャーズ」ダイヤモンドヘッドを披露して居ました。ドラムスまで生ギター一本で完璧に再現していて、「ああ、この人もギター少年だったんだ」と感心しました。合掌。
ターミー: 実の所、村下さんの曲、真剣に聴いたことがないのですよ。83年当時、今ほどカラオケも盛んじゃなかったし(画面が無くて、歌詞ブックだけの時代)、先輩の奢りで夜の世界に入り浸たっていた割には(だからこそか)、この頃の曲を知らないのです。
アブラヤ: あ、そういわれてみれば…私にしても、村下さんの曲を真剣に聴いたことがないかもしれないなぁ…。ただラジオやテレビなどを通じて、彼の歌を何曲が知っている程度なのですが、
伽羅さんの仰るように、とても素朴で温かそうな印象を強く感じた私です。合掌!m(__)m

5 時計/五輪真弓 五輪真弓/五輪真弓
蟹座: 五輪さんは、歌謡曲の範囲に入るだろうか?また「時計」も彼女のナンバーで決して有名ではないので、入れるかどうか迷った。しかし、彼女の曲は、結構、歌謡曲っぽいのがある。
これもその一つ、これまた詩がいいんです。「次第に暮れゆく、この街にも優しく灯る水銀灯、けれども、貴方は、そのぬくもりを、もう私にくれない」
伽 羅: 残念ながら知らないのですが、やはり失恋系の歌がハマルのかなあ・・・。
めちゃめちゃ歌上手いですよね。
アブラヤ: う〜みゅ…生憎と「時計」なる歌を聴いたことがないのですが、初期の作品なのですか?
因みにわたくしぃ、かつては彼女の「少女」や「煙草の煙」などが無茶苦茶好きでした。
しかし、生憎と現在は禁煙9日目なのですよん。皆さん煙草を止めましょう〜!(執こい奴)
テリー: Cocco等「今の女性シンガー・ソングライター」ブームも少し下火になったとはいえ、まだまだ潜在的な波は来そうです。彼女たちが五輪さんを知っているのかいないのかは謎ですが、私にはまるでいっしょに聞こえます。(私だけ?)このへんを解くために、五輪さんの初期の作品は、今一度しっかりチェックする必要を感じています。
ターミー: J-POPと演歌の二極分化で、いわゆる歌謡曲らしい歌謡曲が無くなって久しい。
その昔、歌謡界を席巻したユーミンや陽水、拓郎。ニューミュジックという言葉が死語となった今、これからの「歌謡曲」を作ってくれるのは彼らなのかもしれない。
五輪真弓も、いい「歌謡曲」を書いてくれそうな存在だ。

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