HIROSHIのベスト5歌謡曲

今回は、戦前〜戦中〜戦後派歌手ということでお送りします。(by HIROSHI)

1 何日君再来/渡辺はま子 貝林(黄嘉謨)(訳詞:長田恒雄)/劉雪庵 1937
HIROSHI: この歌をNHKの昼の歌謡曲で聞いてから、ナツメロに目覚めてしまった私でした。
「何てソプラノ!!」と、思わず声を上げてしまった私ですが、その後はま子さんは老齢のため引退に。今でも時々昔ビデオに録画したはま子さんがテレサ・テンさんとこの歌をデュエットしているシーンを見ています。
ちなみにこの歌は上海の女優周旋が1930年代に歌った中国のヒット曲。
伽 羅: 聴いたことあると思います。とてもすてきだと思った気がします。
中国というと、ちょっと前の烏龍茶のCMが好き。
テリー: Hiroshiさんが選ばれているこのあたりは私も大好きで、自分でもベスト30に選んでいます。でも詳しくはないです。あまり知ったか振りするんじゃなかったと、今となってはちょい後悔。音楽的にこのへんの大陸歌謡・ジャズ歌謡って、いったん影響が切れちゃって、現在までの流れの上で軽視されすぎた気がした。ちょびっと怒りがあったんですね。
ターミー: 渡辺はま子でテリーさんが選んでたのは「サンフランシコのチャイナタウン」でしたね。
この曲を聴くとどうしてもテレサ・テンを思い出してしまう。80年当時の中国、この唄を歌うテレサは陰では大人気だったのですが、音楽テープは発禁扱いでした。
何日君再来の「君」は「軍」と同じ発音で、これは「国民党軍」を意味していたのです。
台湾に逃げた彼らに向けて、またいつ(共産党を打倒して)大陸に帰ってくるの、というメッセージが込められているのだ。テレサが台湾国民党のスパイと言われる所以です。

アブラヤ:

成る程…。この曲には色々と深い意味が隠されていたのですね。
ははは(笑)。私は、単なるラブソングかと思っていましたです。(^^;)

2 別れのブルース/淡谷のり子 藤浦洸/服部良一 1937
HIROSHI: ブルースの女王・淡谷のり子の放った最初のブルース。
テレビ等で歌っていた彼女の「別れのブルース」は、歌謡曲って感じですが、SP盤で聞くこの歌は、バタ臭い感じがして、ブルースしてるって感じです。
イントロから始まって、歌、間奏、そして終わりと、その情景を目に浮かべることができます。
アブラヤ: う〜む…。この曲が果たしてブルースなのかな?って思ったりする私なのですが、私の父母や祖父母の時代では、おそらく正真正銘のブルースだったのでしょう…。
伽 羅: 窓を開ければあ〜ってのはこれですか?うう、すみません。
淡谷先生は一時期よくTVに出てらして、人物はよくわかるんですがあまり歌はわかんないです〜。コロコロころがす美肌の器具?の宣伝が思い出されます・・・。
テリー: あと、このへんのやつは、歌詞がまず粋です。「窓を開ければ港が見える、メリケン波止場の灯が見える」昔の日本人はこの一行だけで泣けた。あとはなんにもいらないくらいだった。自分達もこれだけでは泣けない。わからない。わかるには感性を磨く必要がある。今の子たちには、下手をすれば滑稽にしか聞こえない可能性だってあるのでは??とか考えると、かなり恐いです。

ターミー:

テリーさん、納得です。スター物まねで昔、よく物まねされてそれを苦虫かんだように見ていた淡谷さん。その当時からこの歌の正当な評価がおきざりにされ出したのかもしれない。

3 私の鴬/李香蘭 サトウハチロー/服部良一 1943
HIROSHI: とにかく凄いソプラノです。さすがロシア人の先生について声楽を習っただけはあります。
服部良一も、彼女の特性を活かした曲を作っていると思います。
アブラヤ: う〜みゅ…知りません。早々とパスします…。_(._.)_
伽 羅: まったく無関係なんですが、ディコーラムとかっていう競走馬がいるんですよね。
その名前を聞くたびに李香蘭?って思ってしまいます。
ドラマで沢口靖子さんが演ってませんでしたっけ。
テリー: というわけで「好きならもっと勉強しろよ!」とかいう声が聞こえてきそうですが……。
しゃかりきになって調べるというのも、どこか違うなって気がしてるんです。
ターミー: う〜この曲わかりません。李香蘭って政治家としては何か業績残したのかなぁ?

4 君待てども/平野愛子 東辰三/東辰三 1948
HIROSHI: 若きブルースの女王・平野愛子の、戦後の明るいメロディのブルース。でも歌詞は寂しげな乙女心を歌っています。声の出し方といい、とても素敵でロマンチックです。
アブラヤ: 平野愛子さんって「港の見える丘」くらいしか存じ上げませんが、彼女の歌声は好きです。
ターミー: え〜、この曲は...。(フリーズ)
伽 羅: ごめんなさい。さっぱりわかりません〜。平野愛子さんも・・・。
タイトルがすてきですね。ドラマなイメージが浮かびます。
テリー: これも歌詞がいいんだよね〜。「君待てども、君待てども、まだ来ぬ宵、わびしき宵」
う〜、著作権がうらめしい。メロも最高だしマッチングが完璧!
「港が見える丘」と同じ人が作詞作曲となっています。

5 薔薇のルムバ/二葉あき子 村雨まさを/服部良一 1947
HIROSHI: SP盤を聞くと、「えぇ?これが二葉さん?」と思ってしまうほど、今の低音とは程遠いソプラノです。本当は服部良一は高峰秀子に歌わせようとしたらしいのですが、音域が広く難しいため、二葉あき子が歌うことになったとか。あとでそれを聞いた二葉あき子は「ちょっとショックだった」と言っています。
テリー: 「岸壁の母」のオリジナルはこの人ですよね?この間ラジオで聞いて、私も、うわ〜声が違う!と、びっくりしました。高峰秀子さんと比べられてショック……でもシンガーとしては勝ったわけですよね?
伽 羅: いつも、岸壁の母?と勘違いしてしまうんですが、それはゆりこさんですか??
なんていかしたタイトルなんでしょう。ルムバ・・・。
音域が広く難しい歌を歌わされるなんて、誇らしいことではないかしら・・・。
ターミー: テリーさん、「岸壁の母」は二葉百合子ですよ。(^^)
で、二葉あき子さんなんですが....。(再びフリーズ)
Hiroshi様、ホントに申し訳ございません。(礼)
アブラヤ: コロンビア・レコードからCD盤で『二葉あき子全集』なども出ているそうなのですが、現在でもSP盤で彼女の歌を聴かれているHIROSHIさんは、本当に戦前・戦中・戦後の流行歌がお好きなのですね。頭が下がります。m(__)m

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